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標的市場の特徴を把握するための7つのO(オー)

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
危うく、今週は記事を書かずに終わるところでした…。
さて、先日「ペルソナ」について話す機会があったのですが、忘れられがちなペルソナの条件として「標的市場を代表するような人物像」というものがあります。近視眼的になって人物にフォーカスするあまり、標的市場がごっそり抜けてしまったペルソナを目にすることってあると思うんです。中の人も思考の沼にハマって妄想の塊を排出することがあります。笑
そうならないためにも、標的市場にはどんな消費者がいて、どんな行動を取るのかを理解する必要があるんですよね。ということで、今回は標的市場を適切に把握するためのフレームワークをご紹介します。


7つのO(オー)

マーケティングを効率的に行うには、顧客への理解が欠かせませんよね。そのために、STP分析を行い、ペルソナを作り、インサイト分析をする…みたいな流れがオーソドックだと思います。
まずは、市場を細分化(セグメンテーション)し、標的を定めます(ターゲティング)。そして、どのようなポジションに身を置くかを検討していきますよね。これがSTPの大まかな流れです。このSTP分析を進める中で、標的市場を構成する消費者の購買行動の特徴への理解を深めと、よりターゲティング精度が増し、有効なポジションを見つけることができます。
その方法を示してくれたのも、コトラー大先生です。コトラー先生は標的市場を構成する消費者の行動を理解するための項目を7つ挙げ、それらの頭文字から「7つのO」として整理してくれています。
以下に細かく見ていきましょう。

Occupants(主体)

標的市場を構成する消費者の中心はどのような属性にあるのかを検討します。性別や年齢といったデモグラフィック属性、職業や所得といった社会経済的属性、パーソナリティやライフスタイルといったサイコグラフィック属性などによって分類していきます。
例えば、20代女性と70代男性では情報収集の手段などが変わってきそうですよね。普段からSNSに触れている人と、そうでない人でも効果的なアプローチ方法が変わってきそうです。
ペルソナよりもだいぶざっくりとした感じですが、標的市場のマジョリティは誰なのかを見ていくといいと思います。

Objects(客体)

何を買うのか、という購入対象ですね。購入するものによって、購買行動が変わることはよくあります。例えば、中の人は歯磨き粉にはあまりこだわりがありませんが、歯ブラシにはちょっとしたこだわりがあったりします。また、普通の歯ブラシを買う場合は「あっちを試してみようかな」というバラエティー・シーキングが起こりますが、電動歯ブラシであれば話は別です。よく調べ、これでいいのかなと不安を抱きながら購入することでしょう。
このように、同一人物で、同じニーズを満たすものですら行動が変わるので、客体の理解も重要ですね。

Objectives(目的)

なんで購入するの?という目的を問うものですね。消費者はニーズやウォンツを満たすために製品やサービスを買うわけですから、顧客ニーズを考える際にとても有効的ですね。

Organization(組織)

購入に関与する人を検討してみましょう。個人で消費するだけであれば、問題ないのですが、家族と共有する場合などは誰がどんな役割で関わってくるのかを理解しておくことも重要です。例えば、大型家電を買う場合、冷蔵庫などの家事家電は妻の意見が通りやすいが、テレビなどの娯楽関連は夫の意見が通りやすい。とか、商品を選ぶのは夫だが、予算を決めるのは妻である。とか、よくあると思うんですよね。どんなアプローチで何を訴求するかを考える際にとても有効です。

Occasions(時期)

購入頻度や購入時期を検討するものです。例えば、Tシャツはシーズンごとに買い替えるけど、コートは数年に1度しか買い替えない。数千円のものであれば思いついたときに買うが、数万円するものはよく検討し、ボーナス時期に買う。みたいな感じで、商材によって購入時期や頻度はまちまちです。
購入スパンがわかれば、リテンションをかけるタイミングがわかるなど、プロモーション時期の検討などに役立ちます。

Outlet(販路)

店舗で買うのか、通販を利用するのか、ECモールを利用するのかといった購入経路を検討していきます。店舗であれば、どの立地のどの業態で買うのかや、ECモールなら何を使うのかなど、より細かく検討していきます。

Operations(活動)

購入を思い立つきっかけや、どんな情報をどこから入手するのか、何を基準に比較検討するのかなど、消費者の行動や思考の流れを確認します。購買意思決定プロセスに直接的に関与してくるものですね。

まとめ

ということで、今回はコトラー先生による標的市場を構成する消費者の特徴を理解するためのフレームワークを紹介しました。
主体・客体・目的・組織・時期・販路・活動の7項目を洗い出すことで、市場を構成する消費者の特徴を捉えることができます。その特徴をペルソナに反映させることができれば、代表性を持った人物像を描くことができそうですね。
コトラー先生は「7つのO」の大切さを以下のように述べています。

アルファベットの順番でOがPの前に来るように、4つのPの組み合わせ(マーケティング・ミックス)を構築するには、それに先立って標的市場の特徴として、「7つのO」の内容を明確にする必要がある。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
すっかり、noteを書くことを忘れていて危うく連続投稿が途切れるところでした。
なんか、ここまでくるともう意地みたいなものが出てきますね。なんとか続けてやるぞー。みたいな笑
冒頭にあったように、幸いなことにテーマは決めていたので書き上げることができました。
できる限り毎週更新しようとは思っていますので、引き続きよろしくお願いします!
では、またお会いしましょう。


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