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特別連載05 タイプ別に解説! 社会人向けデザインスクールの現在

Wab Design School 特別連載 第5回(全5回) 

ワヴデザインがこの春に立ち上げたオンラインスクール「Wab Design School」の全貌について、さまざまな角度から掘り下げてきた特別連載も今回が最終回となります。ここまで、ワヴデザインの代表/クリエイティブディレクターの松本龍彦と、オンラインスクールの発起人であるインフォメーションアーキテクト/UIデザイナーの渡邉大純へのインタビュー形式による記事をお届けしてきましたが、最終回となる今回は少し趣向を変え、社会人向けのデザインスクールの現状について見ていきます。対象者や目的に応じて多様な受け皿が用意されている社会人向けデザインスクールをタイプ別にご紹介します。

[構成・文]
原田優輝(Qonversations)

プロジェクトの上流から表層のデザインにまで携わることができる「デザインジェネラリスト」の育成を掲げるWab Design Schoolは、主に現役デザイナーのスキルアップ、キャリアアップを目的としたデザインスクールです。しかし、デザインの知識や技術を必要としているのは現役デザイナーだけでなく、デザイン初心者からビジネスパーソンまで多岐にわたります。
デザイナーへの転職を目指す人、副業としてデザインの仕事をしたい人、あるいはビジネスの現場にデザインの考え方やアプローチを活用したい人ー。デザインに対するニーズが多様化する中、巷にはさまざまなタイプのデザインスクールが存在します。
今回は、社会人向けのデザインスクールを以下の4つのタイプに分類し、それぞれの対象者や特徴などについて解説します。



A. Webデザインスクール

主な対象:Webデザイナーに転職したい人、Web制作を副業にしたい人など
受講料:
40,000円~750,000円(学習期間やカリキュラムによって異なる)
代表的なスクール:インターネット・アカデミー、デジタルハリウッドSTUDIO、WINスクール、CodeCampなど
学習内容:
Photoshop/Illustrator、HTML/CSS、JavaScript、SEO、レスポンシブデザインなど
向いている人:
Webサイト制作に必要なスキルを短期間で効率的に習得したい人

まずひとつめは、Webデザインについて学ぶスクールです。Googleなどの検索エンジンで、「デザインスクール  比較」などと検索すると、さまざまなWebデザインスクールの特徴をまとめた記事が上位に並びます。それだけ「デザイン=Web制作のスキル」という認識が浸透し、そのニーズも多いということでしょう。
これらのスクールは、Webデザイナーへの転職やWeb制作を副業にしたい受講者が多くを占め、PhotoshopやIllustratorをはじめとするデザインツールの使い方や、HTML/CSS、Javascriptなどのプログラミングをはじめ、Webサイト制作の基礎がひと通り習得できるプログラムになっています。
受講時間や学習期間などもフレキシブルに選択でき、スクールによっては習得したいデザインツールに特化したコースや子育て中のママ向けコースなどがあり、個々のニーズに応じたさまざまな選択肢が用意されていることも特徴です。転職サポートを行っているスクールも多く、明日からでもデザインの仕事をしたいと考えている人たちにとっては至れり尽くせりの「入口」と言えるかもしれません。


B クリエイター育成スクール

主な対象:クリエイター志望の社会人など
受講料:
160,000円~1,300,000円(学習期間やカリキュラムによって異なる)
代表的なスクール:東京デザインプレックス研究所、デジタルハリウッド、バンタンキャリアカレッジ、ヒューマンアカデミーデザインカレッジなど
学習内容:
(グラフィック/ヴィジュアルデザイン領域):DTP、ロゴデザイン、タイポグラフィ、デッサン/ドローイング、色彩知識、作品制作実習など
向いている人:
デザインの基礎となる表現力や造形力を磨きたい人

次に紹介するのは、Webデザインに限らず、グラフィック、空間、インテリアなどさまざまなデザイン領域を専門的に学べるデザインの学校です。
前述のWebデザインスクールが、明日にでも現場で使える技術の習得に主眼を置いていることに対して、これらのスクールでは作品制作などの実習を通じてデザインの基礎となる造形力・表現力を磨くことが重視され、学習期間も長めに設定されていることが特徴です。デザイン系の専門学校が社会人向けにコースを開設しているケースが少なくないことからもわかるように、美術大学や専門学校などで学ぶカリキュラムを社会人向けに展開していると理解するのが良いかもしれません。
作品などを通して自己表現をする仕事への憧れを抱き、デザイナーやクリエイターへの転身を目指したり、有名デザイン事務所などへの転職を志望する社会人などが、夢の実現や憧れの業界に進むはじめの一歩として、これらのスクールを選択しているケースも少なくありません。


C. ビジネスパーソン向けスクール

主な対象:経営者、ビジネスパーソンなど
受講料:
150,000円~350,000円(学習期間やカリキュラムによって異なる)
代表的なスクール:WEデザインスクール、Xデザイン学校、TCLなど
学習内容:
デザイン思考、人間中心設計、UI/UXデザイン、チームビルディング、観察・リサーチ手法など
向いている人:
ビジネスの現場で活用できるデザインの考え方や方法論を学びたい人

デザイン経営、デザイン思考などがビジネス界から注目を集め、経営資源としてデザインを活用することが求められている昨今、非デザイナーに向けたデザイン教育の場も増えつつあります。これらは、単発のセミナーや研修などとして行われることも少なくありませんが、経営者やビジネスリーダーが継続的にデザインの考え方やメソッドを学ぶデザインスクールも徐々に増えてきています。
あくまでもビジネスの現場で活用できるデザインのリテラシーや課題解決のためのアプローチを学ぶことに重きが置かれているため、実際に手を動かして形をつくるようなプログラムは多くありません。デザイン思考や人間中心設計の考え方、観察やリサーチの手法、色や形などの視覚情報が与える印象や意味などを学ぶことによって、ビジネスの現場で活用できる道具としてのデザイン力を身につけるとともに、プロのデザイナーとも台頭に議論していくためのリテラシーを身につけられるカリキュラムが中心となっています。


D. 現役デザイナー向けスクール

主な対象:実務経験2~10年程度の現役デザイナー
受講料:
160,000円~660,000円(学習期間やカリキュラムによって異なる)
代表的なスクール:D.TOKYO、宣伝会議 アートディレクター養成講座、Wab Design Schoolなど
学習内容:
グラフィックデザイン基礎、UI/UXデザイン、アートディレクション、組織デザイン、ブランドデザイン、デザイン思考など
向いている人:
キャリアアップ、年収アップを目指す若手・中堅デザイナー

最後に紹介するのは、現役の若手・中堅デザイナーのステップアップを目的にしたデザインスクールです。近年、急速にニーズが高まっているUI/UXデザインやサービスデザインなどに特化したスクールから、タイポグラフィやブランディングなど特定の領域を集中的に学べるプログラムまでその内容はさまざまです。これらのスクールでは、一線で活躍する現役クリエイターらがゲスト講師などに招かれるケースも多く、最新のデザインの考え方や方法論に触れることができ、デザインの現場に即した具体的な課題に取り組む実践型のプログラムが多いことも特徴です。
主な受講者となるのは、スキルの伸び悩みを感じたり、今後のキャリアについて模索している実務経験2~10年程度のデザイナー。デザイナーとしての造形力や表現力を磨くだけではなく、デザイナーとして活躍できるフィールドを広げることで自らの市場価値を高め、キャリアアップ、年収アップにつなげることが受講者たちの主な目的となっています。


現役デザイナーを対象とした「Wab Design School」について

企画立案などプロジェクトの上流から表層のデザインにまで関わることができる「デザインジェネラリスト」の育成を掲げるWab Design Schoolも、現役デザイナーを主な対象とするデザインスクールです(※)。特定のデザインジャンルやメソッドに特化するのではなく、これからのデザイナーに求められるスキルを網羅的に学べるカリキュラムや、実践を重視したトレーニング、少人数制のグループワーク、専門家によるキャリアコンサルティング、そして、デザイン会社として培ってきたネットワークやデザイン業界の動向を見据えた転職の提案・サポートなどが特色となっています。

学習内容:グラフィックデザイン基礎、UI/UXデザイン、アートディレクション、組織デザイン、ブランドデザイン、デザイン思考など
Wab Design Schoolに向いている人:
プロジェクトの上流から活躍したいデザイナー、本質的な課題解決の方法を学びたいデザイナー、表層デザインに説得力を持もたせたいデザイナー

※デザインを発注する立場にある方など、デザイン業界と接点を持つ非デザイナーの方の受講も可能です。


Wab Design Schoolの特色

・数多くのブランディングやデザインコンサルティングプロジェクトを手掛けてきたワヴデザインの社内教育プログラムを元に開発された、論理的思考力やコミュニケーション力重視のデザインカリキュラム

・企画~情報設計を重視した課題制作とマンツーマンレビュー(無制限)を徹底的に繰り返すことで、現場で求められる課題解決スキルが着実に身につく超実践的トレーニングプログラム

・体系的な理論によって基礎を固める座学講習や、生徒同士によるディスカッションで相互に学びを高める少人数制グループレッスンなど、アクティブラーニングをベースに設計した独自の学習メソッド

・目標設定や就転職サポートといった短期的な支援から、「自分は何をしたいのか」という本質からともに考える中長期的なキャリア支援まで、国家資格を持つキャリアコンサルタントが包括的にサポート

ここまで、社会人向けデザインスクールを4つのカテゴリに分けて紹介してきましたが、一口にデザインスクールと言ってもさまざまなタイプがあることをご理解頂けましたでしょうか? さまざまなキャリア、職種の人たちが、自らのニーズや目的に応じてデザインを学ぶことは、社会全体のデザインに対する認識やリテラシーを底上げすることもなり、それは結果的により豊かな社会につながっていくはずです。
今後はWab Design Schoolにおいても、経営やビジネスの観点からデザインについて学べるコースや、デザインジェネラリストを育成する法人向けのプログラム、あるいは表層のデザイン表現をより研ぎ澄ませていくスペシャリストの育成コースなどの展開も見据え、さまざまな対象やニーズをカバーしていくことでデザインの価値やスキルをより広く伝えていけるスクールになれればと考えています。

Wab Design School では現在も受講生を募集中です。個別説明会も随時開催していますので、ご興味をお持ちの方はぜひこちらをご覧ください。

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ワヴデザインでは ”デザインジェネラリスト” を育てるオンラインスクール「Wab Design School」の受講生を募集しています。
数多くのブランディングやデザインコンサルティングプロジェクトを手掛けてきたワヴデザインの社内教育プログラムを元に開発された、論理的思考力やコミュニケーション力重視のデザインカリキュラムにより、現場で求められる課題解決スキルが着実に身につく完全オンライン型のスクールです。

■こんな方に向いています
ビジュアルデザインだけでなく情報設計や課題発見など上流から手掛けたい
仕事の範囲を広げて年収をアップしたい
今後長く通用するデザイナーでいたい
フリーランスとしてやっていけるスキルを身につけたい
説得力のあるデザインを作れるようになりたい

Wab Design Schoolの詳細はこちらから。
まずは話だけ聞いてみたい、という方も大歓迎ですので、お気軽に個別相談会にお申し込みください。

また、Wab Design Schoolではオンラインで様々なイベントを開催しています。「いきなり個別説明会はちょっとハードルが高い...」という方のためのイベントなども行っていますので、ぜひお気軽にご参加ください。