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認知症になった母が冷蔵庫の中身をすべて腐らせた話

こんにちは! 猿田信司です。


認知症になってしまった母。

このまま、二人で暮らしてもらうのは、
私もすごく心配でした。

しかし、私が一緒に住むことは、
会社に通うのがものすごく大変
だったので、無理でした。

そこで、介護保険を使って、
ヘルパーさんに来てもらうことにしました。


できたら、料理もしてもらいたかったのですが、
ほかの人が台所に入ることに
母がどうしても納得してくれませんでした。

私が、危ないからと、いくら説得しても、
母は頑として曲げてくれませんでした。


多分、同じ理由で、介護が上手くいかない方も
いらっしゃるんじゃないでしょうか。

やはり、台所は女性の城、という感覚が、
母世代の女性にはあるのでしょう。


しょうがないので、台所は母に任せることにして、
部屋の掃除をヘルパーさんにお願いしました。

見た感じでは、そこまで汚れてはいないのですが、
どうやらしばらく掃除もしていなかったようです。

父は、昔ながらの亭主関白タイプで何もしないので、
母が痴呆症になってしまってから、
掃除をしていなかったようです。

週3日で、ヘルパーさんに掃除をお願いし、
とりあえず、様子を見ることにしました。


私も月に一度は、実家に帰っていましたが、
頻繁に誰かが家に来てくれる、
というのはすごくありがたかったです。

それで、3か月ほどが経ちました。

ケアマネージャーさんから臭いという連絡

春のころ、介護事業所の
ケアマネージャーさんから、
私に連絡がありました。

ヘルパーさんが気づいたのですが、
どうも台所から変な匂いがするようなんです。

はっきり言うと、
台所が臭いと言われました。

ですが、母がヘルパーさんを
台所に入れてくれなくて調べられないので、
私に調べてほしい、という内容でした。

そこで、その週の土曜日に、
実家に調べに行くことにしました。

まずは炊飯器

朝、実家に着いたときは、
両親の様子は、ごく普通でした。

しかし、台所に行ってみると、
確かに臭い。

何かが臭っているけど、
何の臭いか、どこから臭っているのかは
わかりませんでした。


台所で、鼻をクンカクンカしつつ、
臭いの出どころを探しました。

どうやら、炊飯器から、
うっすら臭っています。

決心して、炊飯器を開けてみました。

「くっさ~~~!!!!」

母は、ご飯を炊いたまま、
保温状態で何日も放置していたようです。

そして、この臭いご飯を、
二人で食べていたようです。


二人ともあまり気にしてないようでしたが、
あきらかに腐ってる、と私は思いました。

とりあえず、中身は捨てましたが、
炊飯器自体に臭いが移っていて、
炊飯器をいくら洗っても臭いがとれません。

どれほど長い間、
この臭いご飯を食べてたんだろう?
と思うと、悲しくなってしまいました。

「炊飯器で、これだと、
 冷蔵庫は大丈夫なんだろうか?」


少し恐ろしかったですが、
冷蔵庫もチェックすることにしました。

最悪の冷蔵庫

両親が使っていた冷蔵庫は、
冷蔵、冷凍庫、野菜室がある、
3ドアのタイプでした。


まずは、冷蔵ゾーンからです。

開けても特に臭いはありませんでした。

しかし、消費期限を見てみたら、
全部の食材が消費期限切れでした。

「これは、中身を全部捨てないと・・」


次は冷凍庫です。

さすがに、凍っているので、臭いはしませんが、
なんだかわからない、謎のものが
たくさん冷凍されていました。

「これも全部捨てよう・・・」


その次が、恐怖の野菜室です。

野菜室を開けた時点で、
ものすごい臭いがして、
すぐに閉めました。

「アカン、中の野菜が全部腐ってる・・」

これは、冷蔵庫の中を、
緊急に大掃除しないといけない、
と思いました。

また、もう母は、冷蔵庫の管理もできない
くらいの状態だったことがわかり、
ものすごくショックを受けました。

「これが認知症か・・・」

冷蔵庫の大掃除

両親に、冷蔵庫を絶対触らないように言って、
私は車で、急いで買い物に行きました。

まずは、臭いが移ってしまった炊飯器の代わりに、
新しい炊飯器を買いました。

それと、冷蔵庫の中身を捨てるための、
燃えるゴミ用の袋も大量に買いました。

急いで家に戻り、季節外れの
冷蔵庫の大掃除のはじまりです。


まずは、冷蔵庫の中身を、
全部捨てました。

一応、一つ一つ消費期限を見ましたが、
やっぱり全部消費期限切れです。

45リットルの大袋に、冷蔵庫だけで
2袋使いました。

空っぽになった冷蔵庫を、
雑巾できれいに拭いて、
なんとか冷蔵庫の掃除は完了しました。


次は冷凍庫です。

いつ作ったのか、わからないような氷や、
凍り付いた謎の食材。

母が以前に、冷凍したんでしょうが、
認知症になってしまった今では、
多分もう使うことはないだろうと、
これも全部捨てました。

ゴミ袋1袋分くらいでした。


次は、恐怖の野菜室です。

野菜って腐ると、こんなに臭いのか、
と思いました。

臭いはしますが、
上の方はまだマシでした。

とりあえず、腐った野菜を、
ごみ袋に詰め込んでいきます。

ゴミ袋に入れても臭いので、
詰め終わったゴミ袋は、
家の外に置いておきました。

ゴミ袋で3袋分くらいになりました。


ここからが最悪でした。

生まれて初めて、
臭いで吐きそうになりました。


野菜が腐って、変な汁が出てて、
その汁が野菜室の底に
たまっていました。

この汁が、猛烈に臭い!!!

吐き気を我慢しつつ、
野菜室を外して、
流し台に汁を全部流し、
さらにお風呂に行って、
水で洗い流しました。

一応、洗剤でも洗って、
何とか臭いはしなくなりました。

掃除は終わりましたがまだ終わりではありません

もう、母親には料理を任せられない。

掃除が終わって、ひと段落ではなく、
次は母の説得です。


冷蔵庫の中身が全部腐っていたこと。

ご飯が臭いこと。

もう、料理は、ヘルパーさんに任せた方がいいこと。


母にとっても、自分が冷蔵庫の中身を
管理できなくなっていたことは、
かなりショックだったようで、
以前ほど、かたくなではありませんでした。

ですが、どうしても
「ご飯は自分で炊く」ことだけは
譲ってはくれませんでした。

私も「まぁいい落としどころかな」と思い、
おかずだけは、ヘルパーさんに
お願いすることで、決着しました。


この日あったことを、急いで
ケアマネージャーさんに連絡し、
週3日、掃除+食事の支度もお願いできました。

ケアマネージャーから教えてもらい、
食材の購入に生協の宅配を使えることを知り、
食材はヘルパーさんに週一回注文してもらい、
受取もしてもらうことにしました。

私はこれまで、生協なんて知らなかったので、
こんな方法があるのかと驚きました。

生協の宅配が始まるまで、
一週間ほどかかったので、
とりあえず私が、食材を大量に買い、
きれいになった冷蔵庫に詰め込みました。


これで、なんとか、両親に
まともな食事を食べさせてあげられる
と、一安心です。


その日の夕方、冷凍のチャンポンを、
私が作り、両親に食べさせました。

冷凍食品なので、お湯で温めるだけなんですけどね。

私が料理?をして、両親に食べさせる、
というのは、何とも言えない気持ちになりました。


母の認知症は、なんとか普通に生活できる
ようになりましたが、まだまだ、
私には、いろんなことが起こりました。

それは、またの機会にお話しします。


最後までお読みくださり、
ありがとうございました。


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