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Web3.0/Web3_#10:Web3にまつわる疑問 - トラストレス編

Web3について学ぶ中で、「これは本当なの?」と疑問に感じる概念や理論もあると思います。今回はWeb3に欠かせない概念である「トラストレス」について解説します。


トラストレスとは

トラストレスとは、トラストを不要にすることです。ここでのトラストは「自分が期待するように相手が振る舞うと信じる度合い」を指します。

Web3におけるトラストレスは、サービスや管理者等を含む他者がこう振る舞うだろうと信用するのではなく、事実を確認できる場面では常に、「Don't trust.Verify.(信じるな。確かめろ)」という有名なフレーズが表しているように行動するポリシーを示しています。

トラストが前提のWeb 2.0

Web 2.0ではウェブがサービスのプラットフォームとして利用されます。クラウドでサービスが提供されるのは便利ですが、その詳細はまさにクラウド(雲)の向こう側にあり、何が行われているかは見えません。

そんな相手に私たちは個人情報や利用ログを含むデータを預け、利用規約に則ってそれらのデータが適切に扱われていることを前提に、サービスを使っています。つまり、Web 2.0において、私たちはサービスを提供している企業へのトラストを前提にして、サービスから得られる便益を享受しています。

トラストレスを実現するには

Web3は元々、前述したようなWeb 2.0の課題を解決するためのアイデアです。サービス提供者といった他者にトラストを置かず、信用せずに確かめようというトラストレスは、Web3における重要な考え方となります。

「自己主権性」「耐検閲性」「耐障害性」「耐改ざん性」を四つの特長とするブロックチェーンは、何者にも邪魔されない記録を可能にするため、トラストレスを実現する上での要となります。(関連単元:「ブロックチェーン」の基礎知識)

何かのコードを走らせる必要がある場合でも、ウェブの向こう側で実行されるコードは確認できません。オープンソースであったとしても、そのコードが実行されたという確証はないからです。一方、ブロックチェーンに書き込まれたコードを実行する スマートコントラクト なら、実行されたコードを確認でき、実行結果も検証が可能です。

ただし、トラストレスはそれ自体が目的なのではなく、私たちが自己主権を手に入れ、記録が検閲されない自由を手に入れるために必要な考え方だと言えます。分散化しているか、トラストは排除できているか、といった点に注目してプロダクトを判断するのではなく、結局私たちは自由を手にできているか、という観点からプロダクトを評価したり、あるいは自ら開発したりするのがいいのかもしれません。


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