子供にお金の話はどうするべきか

勤めている塾でトラブルがありました。アルバイトの先生が生徒を叱りつけました。小学生の女の子で、今日は特にやる気がなく、先生の話を聞いていない。先生は、帰りなさい、やる気がないなら帰りなさいと言ってしまった。
当塾は、完全1対1で授業をする形の塾です。1対1で向き合っている先生から、帰りなさいと言われた生徒は泣き出してしまいました。

先生の言い分は至極まっとうなものです。塾はお父さんお母さんが一生懸命働いて稼いだお金で、通わせてもらっているところ。お金がかかっている。だから、払ってもらったお金をムダにしないためにも、勉強をしないといけない。

ただ、最後にすこし言い過ぎてしまい、「勉強したくないなら、塾なんてやめなさい」とまで言ってしまった。

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先生のほうは、いわゆる苦学生で、経済的に苦労している人。一方、生徒は、これまでお金に苦労したことがないくらいには裕福な家庭で育っている。生徒本人に聞いたところによると、彼女の家ではお金の話を禁止されていて、特に父親はお金の話をすると怒るようです。その代わり、お金の面では苦労させないという教育方針だそう。

言い方や内容の是非はともかく、苦学生である先生の言い分もわかります。ただ、育ってきた環境が違いすぎて、お金に対する認識も違う。そんななかでお金の話で叱られたものだから、生徒は混乱してしまったとのことでした。

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お金に関する教育方針は、本当に家庭によって違います。

上記の生徒のように家庭内でのお金の話が一切禁止されていることもあれば、
塾の授業料をすべて開示した上で、教育には上限なくお金をかける家庭もある。
授業料の予算だけを伝えて、生徒本人にやりくりさせる家庭もあれば、
塾代は親から生徒への貸し付けとし、将来 返却しなければならない家庭もある。

いろんな教育方針があります。

それでも、共通するのは、お金の話を極力、避けているようです。
程度の差こそあれ、「お金のことは(気にしなくて)いいから、勉強して」そんな言葉をよく聞きます。

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でも、資本主義の現代では、お金を多く持っている人が生活しやすいのは事実です。お金が全てではなくとも、「お金との付き合い方」を学んでいて、損はなさそうです。

ボクが自分の子供への教育として考えているのは、お金の感覚は養っておきたいということ。1,000円ならどんなものが買えて、1万円ならどんなものが買えるのか。子供の趣味にもよりますが、たとえば、10万円のカバンならどんな感じで、50万円のカバンならどんな感じなのか。カバンなどの目に見えるものだけでなく、金額としては高額のライザップと、そこらへんの安いジムはどう違うのか。高いものはどう「良い」のかも体感させてあげたいです。

そのうえで、お金があれば、どんなことができるようになるのか。現代は、お金がすべてじゃないけれども、お金が解決してくれることも多いです。お金があれば、自分の感じる「不自由さ」をどのくらい解消できるのかはしっておいてもらいたいと思っています。

そのためにどうするか。お小遣い制にするのか、もしくは、ほしいと言われたものを際限なく買い与える制にするのか。それは、まだわかりません。他の教育方針との兼ね合いで決めていこうと思っています。

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今回のアルバイト先生のお金にまつわる話を聞いて、子供へのお金教育について考えるきっかけになりました。

人それぞれ、お金についての思い込みがあります。思い込みの土台は自分の親から「刷り込まれたもの」です。

お金は働いた時間に対していただけるものだ、なんて最たる例で、長時間労働が美徳である日本でのあるあるのようです。でも、実際には、労働時間と稼げる金額は相関関係になく、与えた価値の量によって稼げる金額が変わると、お金に苦労していない知人たちは言います。

いずれにしても、繊細なテーマであるお金に関しては、子供に対してどう教育していくのか。考えておいたほうがよさそうです。もっと言えば、夫婦間ですり合わせておくのがよさそう。そんなことを今回の事件を通して、改めて考えていました。

■■今日の教訓(ポイント)■■

お金の話を嫌がる人が多いけれども、現代では生活するためにお金が必須。

ならば、「お金との付き合い方」は必修科目なのではないか。

自分の子供に対して、どのようなお金教育をするか、
夫婦で話し合い、方針を決めておくのが重要そうである。

■■以上■■

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