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じぶんよみ源氏物語

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「源氏物語」のストーリーをたどっていきます。古典に馴染みのない方も楽しんでいただけるように、物語のポイントを抑えています。学生の方をはじめ、リカレントで学びたい方、ビジネスのコミ…
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記事一覧

じぶんよみ源氏物語33 ~やむにやまれぬ大和魂~

明けない夜はない 藤壺の一周忌が明け、 喪中を表す鈍色だった物語の世界が 藤の花の紫色に彩…

じぶんよみ源氏物語32 ~衰えぬエネルギー~

熟成を重ねた人 年齢を重ねると 若かった時よりも少し消極的になるのは 当たり前のことかもし…

じぶんよみ源氏物語31 ~濃い灰色に染まった2人~

高貴と庶民のあひだ 源氏物語きっての貴婦人である、 六条御息所の邸の庭には 朝顔の花が咲い…

じぶんよみ源氏物語30 ~かくしてタブーは破られた~

物質主義の時代から聞こえる声 バブル全盛期の物質主義の時代。 そんな世の中に生まれた私に…

じぶんよみ源氏物語29 ~陰の中には必ず一点の光がある~

高層ビルは見上げるためにある 生まれてこの方、 ほぼ田舎から出たことのない私。 上京すると…

じぶんよみ源氏物語28 ~正しいことが正解ではない~

いちばん欲しいもの 光源氏は、 3人の子供を授かりました。 ①夕霧(葵の上) ②冷泉帝(藤…

じぶんよみ源氏物語27 ~平和な戦い~

武器よさらば 平安時代は 大規模な戦乱がありませんでした。 武士が台頭していなかったという意味で、 平和な時代でした。 ただ、 政治的な駆け引きは、もちろんありました。 その決戦の時に行われたのは、絵合。 左方と右方に分かれて、 それぞれの絵のコレクションを持ち出し、 判定を受ける、というバトルでした。 これが日本の戦いの原点だと思うと、 誇らしい心持ちになりますね。 帝の心をつかむのは、どっち? 源氏物語、第十七帖「絵合」巻です。 今回のバトルは、 冷泉帝の心

じぶんよみ源氏物語26 ~恋の終わり~

同じ時間は続かない 私が20代の頃、 「変わる」という言葉に敏感でした。 変わりたくなか…

じぶんよみ源氏物語25 ~こだまでしょうか~

人は怖いもの 地元の中学生の方々と 交流する機会がありました。 たくさんの質問をいただい…

じぶんよみ源氏物語24 ~脇役と主役~

少数派は切り捨てられるのか? 多数決の時代。 学校の校則の決定から国政選挙まで、 多数決は…

じぶんよみ源氏物語 23 ~必ず最後に愛は勝つ~

プラス思考はエネルギー 目標を設定して、 そこに向かって積極的に行動することは、 理想の生…

じぶんよみ源氏物語 22 ~プロの作家とは~

空も飛べるはず 本物のプロ作家とは、 お金をたくさん稼いだ者ではなく、 書き続けた者のこと…

じぶんよみ源氏物語 21 ~出会いは風の中に~

風の歌を聴け よくよく考えてみると、風って、 私たちの生活の中で色々なことを伝えます。 「…

じぶんよみ源氏物語 20 ~本来の自分がいちばん強い~

強い人間 村上春樹の代表作「ノルウェイの森」に、 永沢さんというリアリストが登場します。 ハツミさんという彼女がいて、 その方は「理想的」とも言える女性です。 ある夜、 永沢さんとハツミさんと「僕」の3人で ディナーをとっている時、 永沢さんは、 俺は自分のことを 他人に理解してほしいと思っていない と冷徹に言い切ります。 他の連中は自分のことを 他人にわかってほしいと思ってあくせくするが、 俺は理解してもらわなくたってかまわない、 自分は自分、他人は他人だ、と。