月旅行のあと

月面でしにたかったのに。
小骨が鼻につかえて息苦しい真夏の知覚過敏神経学者の社に降りて待ち受けるイルカの本棚群生移動太陽肛門臍帯欠乏症表の横の未知数照らして垂らした釣り糸食いちぎって結ぶ技術の馬と走れば転ぶ回転木馬魚町色に落ちるアンタレスとケフェウスざざざと降る虫腹に抱えて笑うリッキーこそこそ隠したコインの裏側に会話する光の波と涙目の毒蛇もトラウマにシカが差して明るく窓辺に観葉植物の観照する世界的窮乏マジカル撤退前線でクラスター分析改竄の海原に乗り出す殿方は小指が欠けてナタもてツタの屋根に腰掛け地球観測ごっこは誰の自由懸賞論文式合同合宿型試験的新興個人投資開拓マテリアルはたまたカテドラルさんにいちごーハイサイドバトルロイヤル待ち合わせ時間過ぎてコッヘルカップルトレーダー引き摺って招くクレーターの縁で口を切って痛い。痛い。痛い。ノイズ。歪み。お足元。良くも悪くも足が出る。癖の悪いやつ。やつやつやつ。
さらば元カレ的月。ぼくは新しい光と生きる。太陽と破滅ってみる。でも裏側にしか生きられないからやっぱ暗い。暗くて見えない音塊。見えなくても触れられる、空っぽの核。バイバイブラックバード、月旅行のあとで。

イトマキエイ千広