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【こんな作品が展示されています】EMARF COLOR THINGS展が開催中!

EMARFで新たに取り扱いが始まった、カラフルな5色の「カラーMDF」。予め鮮やかに着色されたあまり見慣れないこの材にワクワクした人も多いのではないでしょうか?

「どんな使い方ができるだろう?」「どんな色の組み合わせができるだろう?」「この素材とEMARFだからこそできるものづくりって?」

その可能性を探るべく、今回カラーMDFをご紹介してくださった東合板商会さんと、ShopBotの導入拠点でもある榎戸材木店さんにご協力いただき、「EMARF COLOR THINGS展」と題した展示会の開催が実現しました。

本記事では、カラーMDFを使った作品を制作された作家の方々と、それらがどのようなコンセプトで制作されたのかをご紹介します!

💡EMARFとは💡
EMARFは、木製ものづくりのデザインからパーツに加工するまでの工程を、オンラインで完結できるクラウドサービスです。これまで専門知識が必要だったり、コストや納期などの制約で諦めたりしていた方も、EMARFを使いCADデータをオンラインから入稿するだけで、木製のパーツを手元に調達することができます。2020年5月のサービスローンチ以降、家具やプロダクトの製作は勿論、アート作品、建築内装、仮設建築など幅広いシーンで利用されています。

💡カラーMDFとは💡
カラーMDFは、繊維状にした木くずを染料で先染めしてから接着剤で固め、板状に成形した材料です。切削断面が綺麗に仕上がり、どこを切っても小口と表面が同色で色むらがない加工ができるのが特徴です。アール加工もバリが出にくく綺麗に仕上がります。クリア塗装をすると、濡れ色になり、色に深みが増します。EMARFでは18mm、全5色(黒、グレー、赤、青、黄)が選択できます。

01 Studio POETIC CURIOSITY|影を注ぐ

テーブル:W600 x D600 x H410 
スツール:W410 x D300 x H430 
販売価格:応相談

ぎっしりと色が詰まったカラーMDF。この素材ならではの景色の作り方はないだろうか。私たちは、加工穴におちる影によって、色の濃淡をつくる技法を考えました。

それは、浅瀬では底まで照らす光が、沖に近づくにつれて徐々に届かなくなっていくよう。

それは、カップに紅茶を注ぐとき、注ぐ深さが増すほどに、茶がだんだんと色濃く見えるよう。

ShopBot エンドミルは板から穴をくり抜く。そして同時に、その穴という器に影を注ぐ。彼をただの切削機械と見なすのか。それとも、その技を生かした更なる可能性を信じるのか。それは加工機を使う、あなたたち次第。

クラフト“マン”シップならぬクラフト“マシーン”シップの美学が、そこにある気がする。

【PROFILE】
「詩的好奇心」をテーマとして掲げる、青沼優介と三好賢聖によるデザインスタジオ。2015年、ミラノにて開催された展覧会への出展がきっかけとなり、共同制作などの機会を経て、2020年にユニットを結成。主に東京を拠点に活動する。

技術進歩に未来を委ねるのではなく、今ある景色、現象、ふるまい、出来事などの行間に潜む詩的な観点を見出し、その言語化と具体化による制作を得意とする。リサーチベースの視点を軸に据えながらも、制作・実験の試行錯誤から生まれる発見を大切にしている。

プロダクトや空間などの有形物から、サービスやコンセプトなどの無形物まで、幅広くデザインを行う。自主制作とクライアントワークの何れにおいても、「詩的好奇心」をくすぐる新たな可能性を開拓する。
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02 高橋 沙耶|まる、さんかく、しかくの子どものための道具

W450 x D350 x H450 
販売価格:応相談

小さな子どもでも認識がしやすい、まる、さんかく、しかくをモチーフにして、子どものための道具をつくりました。

それぞれの図形にカラフルな原色である赤、黄、青を色付けして、家具としても玩具としても遊べるよう大小のパーツを組み合わせました。 

どの角度で使うかは子ども次第。いすとして座ってもよし、テーブルやものを置いたり、ちょっと高めの腰掛けとして使ってもよし、子どもの発想で使い方が変わると良いなと思いデザインしました。

【PROFILE】
フリーランスアーキテクト。1986年東京都台東区生まれ。2008年明治大学理工学部建築学科卒業。2011年にロンドンメトロポリタン大学建築研究科を修了し、ロンドンのEast architectureで主にランドスケープの設計に携わる。2014年Klein Dytham architectureでT-SITEやショッピングモールの設計に参加。2017年よりフリーランスアーキテクトとして活動開始。台東区の酒屋を改修したシェアオフィス「キノネアトリエ」「食堂おぼろ」の企画・設計、その他、建築やインテリアの設計業務を手がける。2018年からVUILDのプロジェクトに参画する。現在は、子育てしながら建築家として仕事への関わり方を模索中。まちを切り取りとったデザインの風呂敷、「まちゆく風呂敷」もシリーズ化している。
HPまちゆく風呂敷HP

03 長岡勉|F.F.B.P-FRAME/FACADE/BUILDING/PEDESTAL

ビルディング大  W486×D792×H540 販売価格 : ¥64,000+tax 
ビルディング中  W396×D432×H720 販売価格: ¥48,000+tax 
ビルディング小  W162×D306×H540 販売価格: ¥24,000+tax 
ビルディング最小 W256×D256×H360 販売価格: ¥32,000+tax 

着色されたMDFは色の塊である。その重さと密度は板というより塊として感じられた。

この塊でドールハウスならぬドールビル群を作ることにした。組積造で天井は高く窓は縦長のプロポーションのビル。ちなみに想定スケールは1/20。小さな子供が遊ぶと16mから20mの怪物かロボットの気分になれるかな?(参考までにウルトラマンは40m、ガンダムは18m)建物は一面一面をバラして組み合わせられるので、建物群やファサードが連続した街並みを作ることができる。 

それにしても重いので、あまり小さな子供が遊ぶのには向いてないw。そうなるとドールビルディングでなく"ただの台"。もしくはファサードでなく“ただのフレーム”。今後のシリーズ展開として、レンガ目地をいれたものなど、厚みと塊性を活かしたシリーズを作りたい。

【PROFILE】
1970年東京生まれ。慶応大学SFC政策メディア研究科修了。山下設計で活動後、POINTを設立建築・インテリアの設計業務の他に、クリエイターのためのシェアオフィス<co-lab>の設立に参加する等の活動を行う。2020年4月からVUILDのメンバーとしても活動。現在、慶應義塾大学・武蔵野美術大学非常勤講師。
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04 田邉雄之建築設計事務所|TWINS-MDF

フレームチェア:W420 x D576 x H954 
サーフェスチェア:W335.3 x D491.3 x H869.3 
うさちゃんチェア:W144 x D165 x H504 
ニャーニャーチェア:W59.3 x D116.3 x H419.3 
販売価格: ¥140,000+tax

「TWINS-MDF」は双子のようなフレームチェアとサーフェスチェアの木取り*を工夫することで、歩留まり率**を70%以上に高めました。

4x8板(1219x2438mm)のカラーMDFから、例えばフレームチェアの背板パーツ内側からサーフェスチェアの背板パーツを抜き取っています。そのため製作可能範囲やドリル幅、互いの組み継ぎ手の位置干渉等の検討を重ねました。

更に各チェア上部に設けられた凸凹により、ベンチのような横方向への連結も可能です。
*木取りとは原木から製材する際に、どのように材を切り出すのか考慮して製材すること。 **歩留まり率とは原木に対し、実際に得られた製材数量の割合。数値が高いほど無駄が少ない。

【PROFILE】
1975年神奈川県鎌倉市生まれ。98年明治学院大学フランス文学科卒業。00年ICS卒業。03年芝浦工業大学大学院建設工学専攻修了。00~06年bews一級建築士事務所。06年文化庁新進芸術家海外研修制度にてFOA/Foreign Office Architects(英国)に在籍し翌年勤務。08年田邉雄之建築設計事務所を鎌倉に設立。ICS、芝浦工業大学非常勤講師。グッドデザイン賞ベスト100、日本建築学会作品選奨、住宅建築賞、神奈川建築コンクール優秀賞、JCD国際デザインコンペティション金賞、JCDデザインアワード2018 ベスト100、軽井沢緑の景観賞、AR House awards2014 Honourable Mention、Arup Prize for emerging talent in architecture/Royal Academy of Artsなどを受賞。
HPInstagramInstagram(個人)

05 都淳朗(Konel)|3D5C Whiteboard

W880 x D840 x H1130 
販売価格:応相談

ホワイトボードは、会議やプレゼンテーションだけでなく、ディスカッションやレクリエーション、ブレインストーミングにもしばしば使われる。何度でも書き直せることから多くの場面で活躍するが、平面的なホワイトボードは真にクリエイティブと言えるのか。

筆記者と発言者に役割は分断され、発言者の言葉が非同期的に筆記者のフィルターを通って記される。発言者の目線はホワイトボードに固定されて互いに目が合うことも多くない。

3D5C whiteboardは立体的な形状で、参加者の数だけペンの色数が変化し、参加者の中心に配置することで、参加者同士の役割、目線、思考、常識、あらゆるものの境界を曖昧にし、思考の軌跡を循環させ、回るほどに発想は膨らんでいく。

【PROFILE】
Konel Inc. Creative Technologist/知財ハンター
1996年生まれ。テクノロジーを起点に、プロダクトデザインやアート、インスタレーションなど、領域や手法に縛られずに、新たな価値観の創出やプロトタイピングによる未来の実装を行う。
Twitter所属企業HP

06 内間絢美(Nope Lab.)|PATTERN STOOL

□:W350 x D350 x H440 
◯:W360 x D360 x H440 
販売価格:¥40,000+tax 相談可(展示の時のみ,加工費等考えない) 

伝統的な木工象嵌をEMARFでやってみようと考えた.

EMARFが得意な曲線やポケット加工を活用した.また,厚みと色の異なるMDFを使うことで,カラーMDFの木口の意匠性を活かした.

反復のパターンを用いることで,椅子の他にも,ベンチ,テーブル,棚板…,とサイズを変えて発展できることもEMARFと相性がいいのではないかと考えた.

【PROFILE】
横浜市生まれ。芝浦工業大学大学院卒業。2017年〜2020年スキーマ建築計画で「ブルーボトルコーヒー目黒カフェ」、「ブルーボトルコーヒー大丸東京カフェスタンド」、「ブルーボトルコーヒー池袋カフェ」、「ブルーボトルコーヒー NEWoMan Yokohama カフェスタンド」、「T-HOUSE New Balance」などを担当。2021年よりNope Lab. [ノープラボ]を立ち上げる。「T-HOUSE New Balance invites BOOKMARC “Turn the Page”」、「T-HOUSE New Balance TOKYO NEW SCAPES BY TAKASHI HOMMA」、「T-HOUSE New Balance MADE IN U.S.A.(2022.04.29~6月上旬まで開催中)」。
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07 スタジオメガネ|[カランプ] / colump

W407 x D361 x H349 
販売価格: ¥34,000(2脚セット)+tax 
      ¥45,000(3脚セット)+tax

カラー(color)MDFと単管パイプを材料としデザインしたスツール。clamp(クランプ:集合)させて繋がっていくことで、家の中でもマチの中でも椅子を超えた空間システムとして活用できる。 

スタジオメガネでは、「やりながら考える」「考えながら微妙なチューニングを重ね創っていく」をモットーに、マチでの建築的活動を既成概念にとらわれない思考で実践し、仲間と議論し、また実践することを繰り返している。

これをプラクティスと呼んでおり、その先に、ナニか人の記憶に残る場所が出来上がってゆく。「カランプ」はこのプラクティスに必要な道具の一つである。

【PROFILE】
2017年よりデザイン集団として、建築家の横溝惇、宮澤祐子がスタジオメガネを開設。2021年より、山下開靖がメンバーに加わり活動している。
多摩ニュータウンのど真ん中にある落合団地商店街にて活動を始め、建築スナック・メガネキッチンとしてマチの中にある設計事務所のあり方を思考し、プラクティスを続けている。まちづくりの活動をはじめ、マチに対してアプローチするデザインを実践している。現在、横溝は、(一社)ニューマチヅクリシャ共同主宰、東海大学建築学科非常勤講師、落合団地商店会副会長としても活動。
HP

08 吉原拓実 / 杉山真道(デザインコンペ最優秀賞)|もくろす

W419mm × D583mm × H778mm 
販売価格:展示作品は¥120,000+tax (他のカラーは応相談)

MDFの持つ特徴から切断面を主役にし、複雑な曲線を使った、小さな部材同士が支え合うような家具を考えました。私たちは、布の織り方から椅子を設計しました。

経糸のような真っ直ぐな部材と、経糸の間を縫うように走る緯糸のような波打った部材によって、面を織りなすというデザインです。複数の部材が組み合わさることで、座面と背もたれに丸みある切断面が表れ、構造的な強さを持った曲面が成立しています。

さらに、布の動きと組織に注目してみると、既製品の椅子に布を「掛ける」ことで座面を乗っ取ることができたり、繊維のスケールを「拡大」することで波打った緯糸が棚板に見えてきます。このように木を編むというデザインはさまざまな展開の可能性を秘めています。

【PROFILE】
吉原拓実
芝浦工業大学大学院2年建築学専攻。RhinocerosとGrasshopper を使い、動的な建築の研究を行なったり、遊んだりしている。
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杉山真道
芝浦工業大学大学院2年建築学専攻。建築設計×テックを学びながら、少しでも実践まで繋げることに興味を持って活動しています。
2020 EMARFアンバサダー
2021- クラウドファンディング×学生自主設計施工 
2022- 地元の静岡県沼津市でWS×展示会予定
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