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建築家が語る実務における「EMARF3.0」の可能性

5月27日に「EMARF3.0」が遂にローンチされます。このリリースに先駆け、株式会社乃村工藝社、株式会社オンデザインパートナーズ、SUPPOSE DESIGN OFFICE株式会社、辻琢磨建築企画事務所の皆さまに実務で「EAMRF3.0」を体験して頂いています。今回は、参加者の方々にEMARF3.0をご紹介した上で、アイディア出しを行って頂いた第一回打ち合わせの様子をご紹介いたします。

設計者の手に”かたちの自由”を取り戻す「EMARF3.0」でできること

近年木造建築が注目されるなか、設計者が思い描く自由なかたちを実現することは現実には容易ではなく、加工の難しさ故に施工者と打ち合わせする過程で諦めてしまうという課題があります。実際に、難しい形状になればなるほど加工費が高くなったり、実現性が低くなってしまうのです。

「EMARF3.0」では、VUILDがこれまで全国に導入してきた約50台の3D木材加工機「ShopBot」をクラウドでネットワーク化することで、設計と加工を繋ぎ、設計者自らが思い描いたものをそのまま実現することができます。また、デザイン段階においては、各種CADにインストールして使える「EMARFプラグイン」を提供致します。このプラグインをインストールすることで、データがEMARF(emarf.co)に転送され、3Dで設計した形状から加工コードが即時に生成され、加工にかかる費用も自動で見積金額が詳細に算出されます。

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株式会社乃村工藝社

株式会社乃村工藝社より福島努さん、津嶋正明さん、高野次郎さん、田辺真弓さん、妙中将隆さん、平野更紗さん、郡久子さん、稲津智彦さんにご参加いただきました。
ー 説明を聞いて

乃村工藝社 ぜひなにかやりたいですね。実際にやっていくと良い部分悪い部分でてくると思うので、一度使ってみて乃村工藝社の視点からフィードバックできればなと。「こういうところが付加されると使いやすくなる」なども言えるといいなと思っています。

1月のSCビジネスフェア2020では、我々が作成したベースとなるデザインからVUILDさんに加工用のデータを作ってもらい、それを元に当社担当者が積算、その内容をチェックしてGOを出すという工程がありました。新しいサービスを使うときに、思った通りにできなかったというトラブルがないようにどこでどういうチェックを行うか、というのは大事だと思います。EMARFを使うことで、この工程にかかっていた2-3割の時間と手間が減るんじゃないかなと感じました。その分、経験・知識や感性など人間にしかできないにリソースを投入し、よりよいものに仕上げていくことができると思います。積算担当者が繁忙期でも対応でき業務効率化につながるので、木材活用を当社が進めていくための原動力になることが期待できますね。ぜひ実際に使ってみたいです。

ー そうですね。もしEMARF上で出した見積もりが予算に合わない場合、CADに戻って設計データを編集し、予算内に収まるように調整したりすることも可能です。見積もりはページ内で保存できるのでデータ毎に比較でき、予算に対して設計や値段をリアルタイムで詰めていけます。

乃村工藝社 となると、あと30mmほど小さくすると部材が板1枚以内に収まりそうだみたいなこともシミュレーションできる。あとちょっと小さくすれば部採りがよくなる、みたいな調整も可能ということなんですね。

ー 具体的な製作物について

乃村工藝社 実用の方向性をみたいので、実際に使ってみて「こんな加工ができる・こんな加工ができない」という、少し実験的な要素を取り入れた意匠にしたいなと思います。先ほどご紹介して頂いたあられ、相欠きなども取り入れながら、いびつというか素直な設計じゃないというか、加工が目立つようなものがいいですね。

在宅勤務用のブースを作るというのもありかもしれないですね。zoomだと仮想の背景を設定できるけど、家族内で自室を持っている人って意外と少ないと聞いたことがあります。在宅勤務をテーマにものづくりして、自宅で働きやすい環境づくりをBIMルームから発信できればいいですね。
https://www.nomurakougei.co.jp/

株式会社オンデザインパートナーズ

株式会社オンデザインパートナーズより西田司さん、神永侑子さん、河野航さんにご参加いただきました。

ー説明を聞いて

オンデザインパートナーズ 今日はVUILDさんとの打ち合わせに向けてしっかり準備してきました。大きいスペースをパーソナルスペースに割るような、家具と建築の間ぐらいの小屋を作るというのをやりたいです!在宅勤務が進むなか、自宅でいかに自分の場所を作れるかが求められているのではないかなと思っています。実はこの話はYADOKARI株式会社と共同で進めているリアルプロジェクトで、ちょうどプロトタイプを作りたいと話していたところにこの話を頂いたので、ぜひEMARFでやりたいです。
一例として、マンションの一室やオフィスなどに置くインテリア小屋を考えています。小屋って内側に機能をまとめて内部を豊かにしていく場合が多いと思うんですが、むしろ小屋の輪郭を柔軟にして外側にも居場所を作れないかなと。

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オンデザインパートナーズ 手法としては、平面を輪切りにして積んでいくことで中に柱などを落とさずに自然地形のような空間を作れないかなと考えています。ただ現状案では高さが2mあるので、純粋に積んでいくと材料費だったり接合等の課題はあると思います。また並行して、トンネル構造のように厚みのある合板を曲げてアーチ状にすることで、コストを抑えつつ同様の考え方の形状が実現できないかも検討中です。なので、ぜひ進めて行くなかでこういうやり方もあるというようなご提案をいただけると嬉しいです。

ー 今後の流れとしては、EMARFのプラグインをダウンロードしてもらって、まずはこのプロジェクト内で使ってみて頂きたいです。

オンデザインパートナーズ 未来感しかないです(笑)!これ使えるようになったらめっちゃいいですよね。組み立てにおいては、もちろん規模による話ですが、「これくらいだったら自分でもできるな」という感じの時はちょうど良いですね。

ー 個人に対して建築ものづくりを民主化して行くというビジョンは変わらないので、プロである建築家自身が面白い事例を出していいく事でそれに続く一般層も付いてくるのではないかと思っています。http://www.ondesign.co.jp/

SUPPOSE DESIGN OFFICE株式会社

SUPPOSE DESIGN OFFICE株式会社より谷尻誠さん、山中 邦之さんにご参加いただきました。
ー 説明を聞いて

SUPPOSE DESIGN OFFICE 楽しそうですね。実は、こういうキャンプ以上別荘未満の場所をこれから作りたいと思っています。田舎の土地を仕入れて、小さな小屋を建てて分譲賃貸化したい。この間絶賛工事中の現場に引っ越してきたんですが、テラスが広いのでモックアップ的な立ち位置でそこにミニ版を作ってみてもサウナ小屋や茶室にしても良いかなと。

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SUPPOSE DESIGN OFFICE 希望的観測ですが、組み立てまで自分たちでやれたら面白いですし、本チャンまでやりたいですね。

ー ぜひプロジェクトが延長していけるようなやり方で、コラボレーションできると嬉しいです。
https://suppose.jp/

辻琢磨建築企画事務所

辻琢磨建築企画事務所より辻琢磨さんにご参加いただきました。
ー 説明を聞いて

辻琢磨建築企画事務所 加工に関して言えば、これまでは例えば自分でカット回数が多いモックアップを作るときはホームセンターの加工室に頼っていたので、加工室のおじさんの顔色を伺ってあまり無理を言えなかったんですが、SHopBotだとまずそのハードルはクリア出来そうだなと思いました。〈ホームセンターの加工室〉以上、〈施工業者への発注未満〉の選択肢になり得そうだということですね。

今回は、断続的に改修を進めている、もともと自分が二世帯で住んでいた今の自宅を対象に、そのDIYをドライブさせる補助機能としてEMARFを捉えることで業務利用の可能性を探ってみたいです。改修と言っても全面的な変更ではなくて、実家感と生活感を確実に残しながら断続的に「動かしていく」ことを意識して進めています。この改修では所謂建築作品として成立するかどうかという視点は一旦置いておいて、あくまで空間と時間の新しい実験として、どの実家にもあるような生きられた要素のすぐ隣に少し違う性質のモノの在り方を散りばめていくことで、様相のバリエーションを増やしたいと考えています。

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辻琢磨建築企画事務所 この場所は地方にあって庭も広いしホームセンターも近くにあり、部材の搬入などは柔軟に対応できますが、例えば都内のワンルームでは実際作業は大変そうですね。EMARFの目指す「ものづくりの民主化」にはとても共感してるので、EMARFが成立する環境要件についても意識しながら、設計者とDIYユーザーの双方にアプローチできれば良いのかなと。EMARFが「建築」にとってより身近なツールになるように、少しでも協力できたらと思っています。
https://tsujitakuma.jp/

ローンチ記念イベントの開催が決定

「EMARF 3.0」の発表に先駆けアフターコロナの働き方に関し、それぞれのジャンルの第一線で活躍する専門家の皆様をゲストに迎え、VUILD代表の秋吉がモデレーターとなり学ぶことで、建築・設計業界を変革するためのヒントを探るオンラインイベントを実施いたします。

5月20日(水)は株式会社メルカリ取締役CINOメルカリ取締役の濱田優貴さん、22日(金)には創業時よりフルリモートワークで組織を運営している株式会社キャスター代表取締役の中川祥太さん、そして27日(水)には著名な建築家や構造家を招いたイベントを予定しています。

職種は細分化し、生産は中央集約型で大量生産が中心で、現場に出ることが当たり前だった建築・設計業界。アフターコロナ時代に問われる今までとは全く違う価値観での働き方はなにか?本イベントでは1歩先の未来を模索していきます。

▼5/20(水)21:00〜「売ることの民主化/ 作ることの民主化」
コロナと共に生きる今、自律的な生活を実現するために、個人に力を与えることのできるサービスが求められています。いち早く売ることの民主化に成功したメルカリから学ぶことで、建築産業を変革するためのヒントを見つけられたらと思っています。
ゲスト:濱田優貴さん(株式会社メルカリ 取締役CINO)
会場:VUILD株式会社公式YouTubeチャンネル 配信ページ

▼5/22(金)21:00〜「リモートで働く/ リモートで作る」
今、「働く」には出社することが当たり前だった、そんな価値観が再考されています。では、これまで現場に出ることが当たり前だった「作ること」はどうでしょうか。
ゲスト:中川祥太さん(株式会社キャスター代表取締役)
会場:VUILD株式会社公式YouTubeチャンネル 配信ページ

▼5月27日(水)19:00(予定)「アフターコロナの建築モノづくり(仮)」※詳細は決まり次第発表いたします。

▼EMARFについてnoteでご紹介しています。こちらもぜひ読んでみてください!

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EMARF: https://emarf.co/


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VUILD株式会社はデジタルテクノロジーによって建築産業の変革を目指す設計集団です。noteではVUILDの人やプロジェクトの紹介を通して私たちが「建築の民主化」にチャレンジしていく過程を記録していきます。https://vuild.co.jp/