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「自律分散協調型の組織」を目指して

Websiteをリニューアルしました

2020年3月24日に、私たちVUILD株式会社はコーポレートサイトをはじめShopBot用サイトをリニューアルし、EMARF3.0のローンチに向けてティザーサイトを公開いたしました。それに伴い刷新したCorporate Identity(企業理念)は、コーポレートサイトでご覧いただけますのでぜひご一読ください!

この記事では、新たに設定されたVALUE(組織で共有する価値観)に焦点を当て、なぜそれらを設定したのか、VUILDがどんな組織を目指しているのかをご紹介致します。

なぜ『自律・分散・協調』なのか

この度、企業理念を再考し新たにVALUE(組織で共有する価値観)として『自律・分散・協調』を設定しました。

「自律・分散・協調」というキーワードは、インターネットの基本精神として頻繁に紹介されますが、まさにVUILDの事業そのものがインターネットの精神を基に構築されてきた背景があります。

代表・秋吉が修士号を取得した慶応大学湘南藤沢キャンパスは、日本で初めて大学内にインターネットを引いたことで有名ですが、彼が師事していた田中浩也教授は、インターネットと「ものづくり」を繋げることを日本で推進する第一人者です。そんな彼らに影響を受けた、代表・秋吉が目指す「建築の民主化」とは、インターネットとデジタルファブリケーションの力を用いて、7割が森林で構成された日本で、従来の中央集権的な建築産業を自律分散型へとシフトしていくことです。

「個」の集合が「組織」であり、「組織」の集合が「社会」であるならば、自律分散協調型の社会をVUILDの組織内からまず体現していきたい。そんな想いからこのVALUEが設定されました。

分業ではなく『分散』を

ものづくりが人々の手から遠ざかってしまった背景には、「分業化」があります。大量生産の流れで細分化されたものづくり産業は、専門特化型の人材を輩出し、「一人では何も出来ない」人を大量に産んだ時代でもあります。
だからこそ、VUILDでは、個人が自分でなんでも考えて形にできる自律性を獲得することが大事であると考えています。

一人が完結してものづくりができるようになるために、VUILDでは「分業」しないことを意識して組織を構成しています。製造・設計・予算管理まで、一つの建築プロジェクトを完遂させるために必要なプロセスを全てのメンバーが把握した上で働くことをVUILDでは求めています。全行程が出来る能力を備えた上で、「設計」に重心を置くメンバーや、「製造」に重心を置くメンバーが現れていく。このように、専門分化ではなく、専門特化していく在り方を目指しています。

多様性を受容するための『自律』と『分散』

2020年3月に新たに設定した「自律分散型組織」を見据えた行動指針ですが、振り返れば2019年4月1日の入社式もすでにZoomで行なっていました。その背景には、多拠点から集うメンバーの多様性があります。
COOの井上は、私たちの目指す地域完結型の林業モデルを岡山県で行いながら、VUILDの工房がある川崎にも定期で通う、2拠点生活を創業当初から行なっています。また、日曜大工特集で紹介した中村くんは、今年新卒で入社する以前は、広島で大学に通いながら遠隔でモデリングデータを作成したりと、リモートで様々なプロジェクトに関わってくれていました。

このように、事業面で自律分散型社会を目指す私たちは、組織面でも常に、我々が目指す世界観を自らが体現し、日々試行錯誤しながら理想を追求する姿勢を求めてきました。

【▽2019年4月1日の入社式もzoom開催】

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【▽2020年4月1日の入社式もzoom開催】

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個人事業主的であれ

「自己完結できる=どこでもつくれる」からこそ、物理的な場所に縛られずに全国・全世界どこでも働ける。全員が個人事業主的に全行程を自分で行うことができる。その上で専門性を身に着けることが「自律」であり、「分散」への道であると考えています。

一方で、一人で出来ないことを行うのが「建築」であり「会社」です。自己完結し、専門特化した人たちが、それぞれVISIONを持ちつつも、VUILDの世界観に共鳴し集まり、会社として何ができるか。互いの得手不得手を理解しながら『協調』したときに想像を超えるアウトプットが生まれると信じています。

同調ではなく『協調』を

法隆寺の再建を手がけた有名な宮大工・小川 三夫さんは、「不揃いこそ、社会の形としては安定感があるし強い。同じ程度のものだけが集まると同じ考えになって同じことになる。」と著書『不揃いの木を組む(2012)』の中で語っています。
機械によって削られ、規格化された木材はミリ単位まで揃えられていますが、1300年前に建てられた法隆寺は、木の個性を最大限活かすことによって、一本一本が合わさった際に全体として千年を超えても塔を支えることができています。

まさに、『協調』とは均質化することではなく、不均質な個を組みあわせて共鳴していくということです。多様な価値観や個性が 見えるようになった今だからこそ、わたしたちVUILDは、皆が同じ方向を向く「同調」ではなく、 歪な個性を愛する『協調』を目指しています。