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精神科医が語る「薬物乱用」の本当の恐怖!

みなさんこんにちは(^^)
スヤ@うつ病経験の読書家|メンタルケア心理士®の卵(@vtyljbdn)です!

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今日は、精神科医が語る「薬物乱用」の本当の恐怖!についての記事です。

過去に、女優の沢尻エリカさんが合成麻薬MDMA所持の疑いで逮捕されました。

多くの報道やYouTube動画で配信されています。

それについて精神科医としてどう思うのか?

それは懲役何年になるのか?

今後女優として復帰できるのかという事は専門家にお任せして、

薬物使用が広がっている危険性についてお話ししたいと思います。


芸能人の人が薬物所持で逮捕される事件が起こると、そこから教訓を得ることが重要です。


本人がそれをどう乗り越えていくか?それは本人自身の問題です。


1番重要なのは、自分や家族が薬物依存に陥る危険性について正しい情報を得るための機会として活用していくことが大事ではないでしょうか。


そういった観点から見るとテレビ報道やメディアの注意喚起はとても有益なことだと思います。


薬物依存の始まり


薬物依存の始まりは本人が面白がって興味本位に手を出す事が多いです。

薬物依存になると治すのがとても大変になります。

薬物依存を治して社会復帰している人もいますが、治療をするのはものすごく大変です。

治療施設に入って入所者のように毎日ミーティングをする。


薬物の危険性の講義を受けたり、勉強したりする。

このようなことを1年2年3年と続けてようやく薬物を止められるかどうかと言うレベルになってきます。


そして、また社会復帰しても何かの機会で薬物を使用してしまい

元の薬物常用状態に戻ってしまうこともよくあります。


ハリウッド映画でもよく見る描写として、一度薬物依存症になってしまうと、社会復帰は非常に困難です。

ですので、薬物依存にならないに越したことがありません

ならないためにはどうすればいいかと言うと


「薬物使用の最初の1回をやらない」ことです。

ゲートウェイドラッグ説について

ゲートウェイドラッグ説と言うものがあります。

これは、例えば大麻の場合、健康被害においてはタバコよりも被害が少ないと言われています。


大麻を解禁しても良いという意見があります。


アメリカのカリフォルニア州では解禁をしている事例があり、ヨーロッパでも大麻解禁の国もあります。

大麻をきっかけにヘロイン、コカイン、覚醒剤など大麻から重たい薬物使用に進行していくというのがゲートウェイドラック説と言うものです。


ゲートウェイ=門、入り口、つまり入り口からディープな世界に入っていくと言うものです。


ゲートウェイドラッグ説には否定的な意見もたくさん出ています。


精神科医・樺沢紫苑先生が実際に薬物使用の患者を診察したとき、薬物1つだけしか使わない人は少ないです。


大抵の場合、順番に使用する薬物が悪くなっていく傾向にあります。


最初は大麻から入って重い薬剤に移行する人が多いです。


最近ではインターネットで調べてみると、ゲートウェイドラック説が否定されたと書かれており、

否定の根拠として、大麻を使った人のうちどれくらいの割合の人が重い薬剤に移行したのか?というと大麻使用者の4%が割合として出ています。


この4%が多いのか少ないのかという話になってきますが、


樺沢先生が言うには4%は結構多い割合ではないかと考えておられます。


面白半分で大麻を使った人の4%が重い薬剤を使うようになるということになります。


このゲートウェイドラッグ説は否定されがちですが、最近の精神医学の知見をお伝えしますと、「薬物脆弱性」という問題があります。

薬物の脆弱性について

「脆弱性」が精神医学のトピックになっています。

「脆弱性」とは何かと言うと薬物にすごく弱い体質の人、つまり薬物依存症にものすごくなりやすい人のことを「薬物脆弱性」と言います。

面白半分で大麻をやって、そこから薬物使用が重くなっていくのは脆弱性のない人にはなりづらいです。


実際の脆弱性の統計は見ていませんが、先程の4%という数字もありましたが、


全体の何%かの人は脆弱性を持っていることになります。


脆弱性=ハマりやすさ、1回やっただけではまってしまう。そして止められなくなってしまう。


同じようなことに、ギャンブル依存症があります。


パチンコに行ってみてハマってしまう人もいればそうでない人もいる。


薬物にも同じようなことが言えます。それが脆弱性のありなしということになります。


この脆弱性は「遺伝子」で決まります。


実際に薬物依存を引き起こしているであろう候補的な遺伝子は見つかっています。


その遺伝子を持っていたら必ず薬物依存症になるのか?というとそれはなりません。


遺伝子についても多くの人が誤解を持っていると思われます。


例えば、「がんの遺伝子を持っていたら、100%がんになるのか?」というと、そんなことはありません。


「遺伝子をもつ」➕「遺伝子が発現する」ということで症状を発症することになります。

遺伝子というのは「家の設計図」みたいなものです。

家の設計図を生まれつき持っているだけで、

そこに家が建つかどうかは別問題と考えるとわかりやすいでしょう。

もし薬物の脆弱性を持っていても、1度も薬物を使わなかったら、

薬物の脆弱性が発現しようがないので薬物依存症にはなりません。


つまり「発現があるかどうか」の話です。


幼少期の生活環境や貧困、虐待を子供の頃に受けた、トラウマ体験を持っているなど

それらの条件が脆弱性の遺伝子と合わさる、合わせ技で遺伝子が発現しやすくなるというわけです


その状況においてさらに薬物使用が重なり、薬物依存症が成立していくということになります。


上記のような考え方が今の最先端の研究でわかっていることです。

そして、現在どの遺伝子が該当するのか研究が行われている最中です。


薬物脆弱性の研究結果データについて

さらに興味深いデータがあります。

薬物依存症と遺伝と家族歴の関連データがあります。

世界的な学術雑誌「サイエンス」でケンブリッジ大学の研究によると、

薬物依存症の人の兄弟50組とそうでない兄弟の50組を比較した場合、


薬物依存症の兄弟は薬物依存症の人と薬物依存症ではない兄弟のペアでは、

薬物依存症ではない兄弟の人にも衝動を抑制できない特徴が認められたという報告があります。


MRI上で、前頭葉や大脳基底核と前頭葉連結部の異常が画像診断で兄弟どちらともに見つけられたとのことです。

これはなぜ兄弟なのに1人は発症して、もう1人は発症していないのか?

これはストレスにさらされていないとか、

精神的に危機にさらされていないという環境条件などによって同じ遺伝子でも

発現する、発現しないが決まってきます。

仮に薬物依存の脆弱性の遺伝子を持っていて、


面白半分で薬物に手を出してしまうと、


薬物脆弱性が発現して薬物にハマってしまう結果になることがわかります。


薬物脆弱性を持つ人ほど容易に薬物依存に陥ってしまう可能性が高いという結論になります。


薬物脆弱性というものはロシアンルーレットのようなものです。

たまたま脆弱性があるか、ないかの運次第で決まってしまうので、

みんなが使っているから自分は大丈夫というのは非常に危険です。

ですので、薬物脆弱性の素因があれば、

たった1錠で人生を破壊する可能性があるので、

薬物には手を出さないのが1番の回避する方法であることを知っておいてほしいです。


全員がヘビーな薬物に進むわけではないと主張するかもしれませんが、


脆弱性の観点からたった1錠で人生を棒に振る可能性があることをお伝えします。

大麻と統合失調症の問題について


もう1つ大麻の問題について、触れたいと思います。

よく質問されるのですが「大麻の合法化についてどう思うか?」という質問がされるのですが、

大麻は「タバコより害がないと多くのデータで証明されている!」とよくメッセージが寄せられるところであります。


今日はこの機会に説明したいと思います。


マリファナは安全かどうかについてですが、ここでも「脆弱性」が問題に出てきます。


ある論文をここで紹介します。


樺沢先生は常勤精神科医として働いていた時に「統合失調症」を診てきました。
 

「統合失調症の患者さんにマリファナを使用している人が多い」という傾向がありました。


統合失調症の症状は「幻覚や妄想」といったものがあります。


マリファナを使用すると「幻覚」が現れます。


統合失調症は幻覚などに悩まされ続ける病気です。


「マリファナみたいなような幻覚剤を使用すると、統合調症を発症させやすくなるのでは?」


ということ根拠となるデータは、樺沢先生が勤務医だった20年前ぐらいにはそのような研究データはありませんでした。


先日、そのようなデータを見つけました。


詳し見てみると、デンマークのコペンハーゲンユニバーシティホスピタルの研究によると、


デンマークで3,000,000人に対する前向きコホート研究で、大麻の使用者は統合失調症のリスクが5倍になったと報告しています。


これは非常に重大な報告の論文です。


デンマークの人口は5,400,000人です。そのうちの3,000,000人が調査対象です。


つまりデンマーク人の約2人に1人が参加した調査の結果です。


前向きコホート研究とは、研究対象となる人間を何年もかけて追跡調査するというすごく大変な研究になります。


この前向きコホート研究を1,000,000人規模ではなかなか行っているケースが少ないのが現状です。


デンマークの場合ですと医療費が無料で、国が医療情報を把握しやすい環境にあると言えるでしょう。


だから、3,000,000人に対する前向きコホート研究はものすごく信憑性が高いと言えます。


その研究によって「大麻を乱用した人は統合失調症のリスクが5倍になる」


さらに「大麻乱用の母親から生まれた子供の統合失調症のリスクは6倍になっている」という結果が出ています。


加えて「大麻以下のアンフェタミン、コカイン、幻覚剤、オピオイド鎮静剤などのその他の薬物乱用においても統合失調症リスクが増加する」という結果が出ています。


また、「アルコール乱用の場合、3.3倍統合失調症のリスクが3.3倍」になっています。


アルコール乱用と統合失調症の関係はあまり聞いたことがなかったと樺沢先生は言っています。


アルコール乱用で統合失調症のリスクが3倍になるとのことです。
 

リスクが3倍〜5倍とか言われてもイメージしづらいと思います。


ざっくりの計算で言いますと、統合失調症は世界中で人口の約0.8%と言われています。


0.8%が、5倍のリスクになる?と考えると…


つまり4%の発症率になります。


この研究報告の結果を使うと、

大麻を使用すると世界人口の4%が統合失調症を発症する計算になります。


4%が統合失調症を発症する計算になります。


統合失調症の発症率は約1% (0.8%)です。これは110人に1人位の割合と言えます。


約1%の割合で統合失調症を発症する病気です。


1%の発症率は、実は言うとものすごく高い数値です。


日本においても1,000,000人以上の統合失調症の方がおられます。


その0.8%の発症率のリスクが5倍= 4%になるわけです。


4%という事は25人に1人の割合になりますよね。


マリファナを使用すると25人に1人が統合失調症になる。という危険性を示唆した報告になっています。

3,000,000人に対する前向きコホート研究の結果でありますので、非常に正確であると言えます。


これはどういうことかと言うと、統合失調症の「脆弱性」と考えられます。


いろんな病気にも脆弱性というものがあります。


統合失調症の脆弱性を家族に持つと、統合失調症の脆弱性を持つ可能性が高いことが言えます。


その人がマリファナを使ってしまうと、幻覚に弱い(=脆弱性を持つ)、幻覚の症状が出っ放しになってしまいます。

上記のことがデンマークの論文が示唆するところになります。

統合失調症の危険性がないならまだしも、マリファナでは肺がんにもならないですが、

樺沢先生としては、実際に統合失調症の患者さんをたくさん診てきた経験があるので、

統合失調症と言う病気は大変で苦しいものです。

また、一生、薬を飲んでコントロールする必要があるほど恐ろしいものです。


今回ご紹介した研究結果を踏まえて、統合失調症の患者さんが増えるのは望ましくないので、


マリファナの判明してない危険性、

未知の危険性をはらんでいるということを知っておいてほしいと伝えたいと言っておられます。


マリファナの実態

マリファナの実態がメディア等でも報じられていないのが現状です。

先日、樺沢先生がアメリカへ旅行に行った時、

先生の従兄弟がカリフォルニアに住んでいてカリフォルニアの街を案内してくれたそうです。


2018年1月にカリフォルニア州では、嗜好用の大麻(マリファナ)が解禁になりました。


マリファナ解禁の結果、ものすごく治安や雰囲気が悪くなったと言っていたそうです。


樺沢先生の従兄弟やご自身もカリフォルニアにある公園でマリファナを吸っている人を見たそうです。


今までは日本ではパブリックスペースでタバコすら吸っては行けない環境だったのに、

カリフォルニア州のこのような解禁により、モラルの低下がひどいと樺沢先生の従兄弟は嘆いておられたそうです。


樺沢先生自身もカリフォルニアに3日間いましたが、マリファナの匂いを2回嗅いだそうです。

あくまで普通に観光していただけだそうです。


大麻の研究はまだまだ未知の状態が多く、途上の段階です。


大麻は幻覚剤なので、幻覚に弱い人には非常に危険です。


樺沢先生も20年以上前に仮説(統合失調症の人はマリファナをしているという仮説)を立てたとおり、


統合失調症の患者さんにヒアリングをすると2人に1人はマリファナをやっていたという実態があるそうです。


日本人のマリファナの服用率は1.2%から1.5%と言われています。


その割合から言うと、統合失調症のマリファナ服用率の高さが非常に高いことがわかります。

最近、その仮説を裏付けるデータが出たというわけになります。


まとめ


ということで、「君子危うきに近寄らず」の意識で、薬物は取り返しのつかない状態になるわけです。


薬物使用によって薬物依存症に陥る。


また上記のように統合視聴症のリスクを5倍にも増やすと言う結果も出ています。


こうなると、一生取り返しのつかないことになってしまいます。


「人間やめますか?薬物やめますか?」というか薬物を止めてもどうしようもないです。


薬物をやめたとしても、後遺症が残り、薬物を止められず一生取り返しのつかないことになってしまいます。


薬物乱用の本当の恐怖から逃れるためには、「最初の一錠を絶対やってはダメ」と言う結論に至ります。


これらの情報は樺沢先生がご自身で調べてきた情報を整理されて説明された事柄です。


ですので、この情報を大事にして、絶対にMDMAの最初の一錠、マリファナの最初の一服をやってはいけない、これに着きます。


薬物の脆弱性を持っていたら人生の終わりです。


自分自身が脆弱性を持っているかはわからないものです。


ですので、有名人の薬物事件をきっかけにして薬物の危険性の知識を持つ良い機会にしてほしいと思います。

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