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自身の入院体験から学んだ動物看護

2016年6月。

今から5年前、初の入院を経験しました。

(当時の気付きが日記に書かれているのを発見したのでここに記録しておこうと思います)

何故入院したかというと、妊娠中にかかったウィルス性胃腸炎が原因。

症状が酷く、お腹の子も心配で、

夜中に自分で救急車を呼び、かかりつけの産婦人科へ。

血液検査の結果、「飢餓と同じような状態です」とのことでそのまま入院。

初の入院体験

ウィルス感染の疑いが強く個室で1人部屋。

家族の面会時間は1日の中で限られているのでほぼ1人。
外も出歩けず、何も口にせず、点滴に繋がれ、密室の空間で何日も過ごすことは、とても辛いものだと実感しました。

しかし、これもすべて治療の為、体の為。

自己管理の悪さが原因でもあるので、耐えるしかありません。

そんな時、常に安心させてくれたのは看護師さん達でした。
優しい口調で声をかけてくれて、私の不安にも耳を傾けてくれます。

(こんな所でも看護師さんの患者さんに対する対応を、失礼ながら見てしまうものです。)

しかし、こんな状況だからこそ看護師さんの対応が心に響いてくるもので、
今回のことをきっかけに益々、患者さんの心のケアの大切さを、感じ学んだ気がします。

さて、犬や猫は人間のように「入院の意味」 を考えることが出来るでしょうか。

治療の為とは言え、入院することを、飼い主と離れて、寂しい、恐い、痛い思いをする場所にいると受け止めているのかもしれません。

もちろん、入院治療を否定するつもりはありません。入院治療をすることで、家でご家族と楽しく過ごせる日が1日でも早くやって来ればと思います。

私は入院生活という不安な日々の中で、看護師や医師の対応は心にとても響くものだと実感しました。
そして、退院後もその記憶は心に残ります。

動物の看護も、病気を治す事だけを目標にするのでなく、安心した入院生活が送れるように患者さんの心に寄り添ったケアもとても大切なのだと、改めて感じました。

患者さんの声を、心でしっかりと受け止めコミュニケーションを取る事で、入院中の居心地も変わり、少しでも安心した入院生活が送れるのだと思います。

私は、ケージの扉を開けてから、閉めるまでの行動全てに、獣医療者の人柄が表れると思っています。

私たちにとってはほんのわずかな時間、日常だとしても、その様子をじっと見つめている動物たちにとっては、とても長く感じるはずです。
入院の意味は分からないかもしれません。
ですが、獣医療者の心は、通じてるような気がします。

そして、忘れてはならない、入院中の動物だけでなく、ご家族もケアの看護の対象であるということ。

ご家族がペットの為にしてあげたいことを、会話の中から察して、1つでも取り入れてあげたり、

動物の些細な変化を伝えてあげたり。

例えば入院中の様子を動画で見て頂く、言葉で伝える。

出来ることは、まだまだたくさん、あるはずです!

今回は自分の入院体験から学んだことをお話ししました。

場は違えど、今回の入院は客観的に患者として立場を感じることのできた、貴重な経験となりました。

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