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温室効果ガスを減らすには? Netflixで学びつつ、自分の頭で考えるサステイナブル

「何もしない」は難しい

年初に今年は「何もしない時間」をつくろうと決意表明をしました。

とはいえ、なかなか何もしない時間というのは難しくて、何をしていても、何を目にしてもついつい「何か」を考え、ビジネスに結びつけてしまいます。

まずはスマホを見ない時間をつくることから! と思い、いろいろ試してはいるのですが、やはり身体を動かしている時間はいいですね。

サッカーやフットサルはだいぶご無沙汰ですが……、ここでも紹介したニセコでのスノーボード、板に載って滑っている時間は、誰にも邪魔されない、一人だけの特別な時間を過ごせます。サーフィンで波待ちをしているときなんかもそうですが、「目的があるようでない時間」とでもいいますか、やることが明快でそれに集中している、特に難しいことを考えず身体を動かすことにフォーカスしているときは、「何もしない時間」に近づけている気がします。

それでもニセコではリゾートとしての可能性に目を見開かされ、サーフィンに出掛けても海洋プラスチックごみのことが気になったりと、自分たちのビジネスに直接関係ないことでも、「自分だったらどうするか?」「自分たちに何ができるか?」と思考の堂々巡りが始まってしまう悪いクセからはなかなか脱却できそうもありません(笑)。

最近では、もう諦めている節もあって、ビジネスに関係することでもその時間がリラックスできていたり、自分が変な焦燥感を感じたりしないならいいか! と思っているのですが、そんな時間の過ごし方の代表格が、Netflixでドキュメンタリー作品を見ることです。

ディカプリオが出資した環境問題に切り込んだドキュメンタリー

このnoteでも何度か触れていますが、バリュエンスグループは、国内外へ“リユース文化”を発信することで、循環型社会の実現を目指しています。

これは、私たちのメイン事業がまさにサーキュラーエコノミー(循環型経済)を体現しているリユースであることが大きいのですが、サステイナブル、SDGs、エシカルなどなど、多くの人が自分たちの物質的豊かささだけでなく、地球環境について考え始めていることは、ビジネス的にも大きなチャンスであると同時に、父が始めたリユースビジネスを大切につないできた私にとっても、天啓とでもいえるような状況だと思っています。

そんなこともあって、目に留まるのがサステイナブル関連という状況がここ数年に続いているのですが、環境問題への関心が私よりもはるかに高い友人からレコメンドされていた 『Cowspiracy:サステイナビリティ(持続可能性)の秘密』 を遅ればせながらNetflixで見ました。

この作品は、環境問題に強い関心を示すハリウッドスター、レオナルド・ディカプリオがエグゼクティブプロデューサーを務めている作品なのですが、温室効果ガスの「本当の原因」に鋭く切り込んだ作品です。

温室効果ガスの最大の原因は……牛?

2015年12月に国連気候変動枠組条約第21回締約国会議で合意されたいわゆる「パリ協定」は、地球温暖化の主な原因である温室効果ガスを削減する取り組みについて世界各国が努力目標を示したものです。

・世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つ(2℃目標)
・1.5℃に抑える努力を追求すること(1.5℃目標)

の2つが示され、21世紀後半には人類が排出する温室効果ガスをゼロにすると明記されています。

『Cowspiracy:サステイナビリティ(持続可能性)の秘密』 は、このパリ協定の成立する1年前の作品です。

アル・ゴア元アメリカ副大統領の著書『不都合な真実』によって環境問題に関心を持ったこの映画の監督にして主人公のキップ・アンデルセンが、温室効果ガスの真実を追究していくというドキュメンタリーなのですが、これが環境問題の根深さ、闇を感じさせるものになっています。

この映画の主題になっているのは、「工場式農業」が与える地球環境への深刻なダメージ

温室効果ガスを吐き出す最大の原因は、牛の呼吸によって生み出されるメタンガスであり、人間が過剰に食糧を欲し、牛を育て、そのための餌を育てることで、温室効果ガスが増え、それを抑制する森林もなくなっている……。

さらにショッキングなのは、こうした事実を自治体やお役所はもちろん、世界に名だたる環境保護団体も、把握しながら口をつぐんでいるという疑惑があるという点です。

ちょっと陰謀論めいた部分もあり、菜食主義を促すような主張に合わせてインタビューなどの取材を行っているので、この作品のすべてをうのみにすることはできないかもしれませんが、地球環境をこれ以上悪化させないため、少しでも持続可能な社会をつくっていくために、見つめ直す必要があることはたしかです。

この作品を見て「自分はまだまだ遅れているな」と思いました。

ハンバーガー1個つくるのに必要な水は2500リットル!

2014年にはすでにこの映画にある状況があって、それは今はもっと進行しているはずです。作中には主人公が真実に迫る中、さまざまな圧力がかかり作品のスポンサーが降りるという状況も描かれていますが、そこにあのディカプリオが手を差し伸べて公開されているという事実も強烈です

作中に出てくる、

「ハンバーガーを1個つくるのに2500リットルの水が必要」

という数字は、圧倒的な説得力があり、こうした可視化の重要性はリユース業界でも推進していくべきことだなと思っています。

こうした作品を見て、劇的に生活様式を変えるのはなかなか難しい人がほとんどでしょう。

私も衝撃を受けたものの、この映画を見た後もやっぱりお肉を食べてしまっています。

でも知らないよりは知った方がいい。お肉を断って菜食主義! はなかなか難しくても、わが家の牛乳がオーツミルクに置き換わったように、ほんの少しでも変化が起きる可能性はあります。

さまざまな情報があふれている世の中ですが、受け身でいると「自分で考えて真実に近づく力」は養われません。

自分から情報を取りに行き、それが真実かどうかは自分の頭でしっかり考える。

自宅のソファに身体を埋めながら、半ばぼーっとしつつもこんな気づきを得られるようになったのだから、Netflix、テクノロジーの進化は偉大ですね。

結局ぼーっとできていないというツッコミはご容赦ください。「何もしない時間」をつくるための旅はまだまだ続きそうです。

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