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何をしてもうまくいかない人に必要なのは今すぐ「感謝」することかもしれない

前回まで、これからの時代に必要な営業スキルとしておそらくさまざまな業界、業種、ポジションに共通する働く上でのコツのようなものを紹介しました。

働き方が様変わりし、「石の上にも三年」が死語になりつつある現在、その職場でしか通用しないやり方、仕事でしか通用しないスキルを無駄に感じてしまう人も多いでしょう。


どんなに立派な志もモチベーションは長続きしない

私はどんな経験、スキルもたとえそのときは汎用性がないように見えてもいずれどこかで役立つと思っていますが、“営業スキル”と同じように、もっと根本的なこと、働き、生きていく上でベースになる大切なことがあります。

働きはじめた4月、モチベーションマックスで「あれもしたい」「これもしたい」と希望に胸を膨らませていた新入社員も、5月を経て6月に入り「あれをしなければ」「これもしなければ」と想像以上の現実に打ちのめされ、向上心に翳りが見えはじめます。

また1年目を乗り切り、無事に仕事にも慣れてきたとしても、数年経つとモチべーションが上がらない時期がやって来ます。

仕事に悩んでいる人は多いと思いますが、要するにみんなその場面場面で悩みはあるし、順調そうに見えるあの人も自分の中で「働くこと」についての悩みを抱えているのです。

感謝することの重要性

営業スキルを高めるためには、自分にとって「営業すること」とは何か? を掘り下げるという話をしましたが、スキルを身に付けた上で高パフォーマンスを発揮し、充実感を得ていくためにも一つ必要な要素があります。

経営者であっても社員であっても、アルバイトでも、スポーツ、部活動でも共通するその要素とは何か?

意外に思われるかも知れませんが、私がこれまでの経験上実感しているのは紛れもなく「感謝」です。

実はこれ、私が経験則から感傷的に「感謝が大切」と言っているわけではなく、多くの人が専門的な研究をして、しっかりとしたエビデンスを見出している事実なのです。

科学的にも証明されている感謝の効能

私も科学的な根拠については最近知ったのですが、「ああ、あのときもそうやったな」「そういうことか!」という“腑に落ち案件”が満載すぎて驚きました。

きっかけの一つは、カナダ出身のライフコーチ、スコット・アランの著書、『GRATITUDE 毎日を好転させる感謝の習慣』でした。

「私たちはふだんの生活の中でとにかく不平を言いがちである。実際、さまざまなことに不満を抱き、愚痴をこぼし、小言を言う人が多いのが現状だ」

はじめにの冒頭にこう指摘するアランは、感謝の心を持つことで不平不満を言う習慣、満足感とはほど遠い、満たされない人生から抜け出せ、「人生が劇的に変わる」と述べています。

ドーパミン、セロトニンと感謝の関係

感謝することの何がいいのか?

この本で挙げられているのが、
幸福感を高め、情熱をかき立て、自身を育てる「ドーパミン」と、気分を盛り上げる「セロトニン」という二つの神経伝達物質の存在です。

感謝の心を持ち、身の回りのことに感謝すると、脳内にドーパミンが分泌され、前向きな感情が湧いてくる。ポジティブな側面に目を向けることができると、セロトニンが分泌され、さらにポジティブなサイクルができあがるそうなのです。

このほかにも、3週間に1回、感謝の手紙を書いた被験者と、何もしなかったグループとの比較による幸福感、充足感を測った実験など、心理学や脳科学、さまざまな分野で「感謝の効能」の研究が進んでいます。

今この瞬間にフォーカスする

私が特に共感したのは、

感謝の心と、今この瞬間を生きるマインドフルネスとの関係性です。

人は過去を振り返って思い悩み後悔したり、まだ来てもいない未来のことに不安を覚えたりするものです。

しかし、変えられない過去、まだ来ていない未来のことを考えてもネガティブな感情が強くなるばかりで幸福感や充足感にはつながりません。

瞑想とか禅の考え方で語られることの多いマインドフルネスはつまり、今この瞬間にフォーカスすることで気持ちを満たすことにあります。

持っていないもの、足りないものではなく「あるもの」に目を向ける

今が満たされれば、持っていないもの足りないものではなく今持っているもの、足りているものに目が向きます。

他者との比較ではなく、自分にフォーカスすることで「今自分にあるもの」が思い浮かびます。

「あるもの」に目を向けること。これこそが感謝の心につながります。

他人のインスタをチェックして、「私よりかわいい」と誰かを羨んだり、雑にスマホ画面をスクロールしながら「この人はバーキンを持っている」「ROLEXをしている」「ゲレンデに乗っている」と誰かの何かに目を向けてもそこに幸せはありません

欠乏感を煽るマーケティングに踊らされない

SNS時代は特にそうですが、誰かとの比較、マウンティングで打ちのめされた人たちの競争心、射幸心を煽るようなマーケティング手法も少なくありません。

他者に目や思いを向けたら苦しくなる一方。

それよりも、今この瞬間に満たされているもの、持っているものに目を向け、些細なことに感謝できるようになること。自分にとっての当たり前を見つめ直し感謝するクセをつけたら仕事も、恋愛も、人生もすべてがうまく回り出すはずです。

半径3mの当たり前に感謝することでまず自分が変わる

自己啓発にありがちなフレーズだと思うかも知れませんが、まず「感謝の心」をベースに仕事をしてみる、人間関係や人生を考えてみると、自分の心持ちが変わるのは事実です。

ポジティブな気持ちで仕事をしたいと思うのなら、まず自分がポジティブになれる準備をすること。その第一歩は、身まわりの日常、半径3mの当たり前のことに感謝することから始まるのかもしれません。


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