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COP26より先を行く企業のサステイナブル経営。地球環境と商業活動を両立させる「つくりすぎなくてもいい世界」とは?

現在、スコットランドのグラスゴーでCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議というそうです)が開催中なこともあって、サステイナブル、SDGsという言葉をよく耳にするようになりました。

地球温暖化とその影響といわれている自然災害の被害、海面水位の上昇、森林破壊……。地球環境の悪化に国際社会がどのような対策をとるのか?これを世界各国が話し合うという会議なのですが、それぞれの国にそれぞれの事情があり、なかなか足並みがそろわない、大胆で効果的な施策を、統一感をもって実行するという体制になるのは難しそうです。

民間企業ではサステイナブルな取り組みがスタンダードに

一方で、国という枠組みにとらわれない世界的な企業では、業種を問わずサステイナブルな取り組みが進み、スタンダード化しています。

大きな課題である二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量については、「極力減らす」という努力はもちろん、その結果を明示して、「消費者に選択してもらう」という姿勢をとる企業が増えています。

例えばアウトドアブランドのパタゴニアはこうした活動に早くから積極的で、独自の環境損益計算を用いて環境コストを算出していたり、すべての衣類から石油を排除したりということを徹底し、商業活動を行う際に排出される炭素を削減しています。

環境問題だけではない! 新時代の消費行動を象徴する「エシカル」とは?

サステイナブルと同時に「エシカル(ethical)」という言葉をよく聞くようになりました。そもそも「倫理的な」という意味の英語なのですが、「環境や人、社会に配慮した」という意味で使われるようになり、たとえば商品を選ぶ際に環境負荷や社会への影響を考慮することを「エシカル消費」と呼んだります。

こうした言葉が生まれた背景には、世界中の企業や経済自体が需要を十分に満たすために供給を増やし続け、「足りないものがないように」「良いものを安く」という消費者の要求に応え続けてきた結果のしわ寄せがきているということがあります。

「エシカル」の重要な要素に、製品の製造過程における「トレーサビリティ」と「透明性」があります。

2011年にアメリカで誕生した『エバーレーン(EVERLANE)』というブランドは、各商品の材料費だけでなくそれをつくるのに関わった人の人件費、出荷コストに至るまですべての製造原価を開示しています。

環境負荷だけでなく、製造に当たっての資材調達、製造に携わる人たちの労働環境に至るまで「エシカル」であることを追求するエバーレーンは、あっという間に世界的ブランドになりました。

購買や消費は人々を便利にし、企業の成長を促しましたが、同時に環境破壊、有限資源の濫用を進めてしまいました。企業の成長が世界の後退を意味するようでは、結果的に誰も得をしないことは、どんなに強欲な経営者でも理解できるでしょう。

値段だけじゃなく、CO2排出抑制スコアでモノを選ぶ時代

これからの世界では高い倫理観を持った企業、カーボンニュートラルやフェアトレードを意識した企業の製品を消費者が選んで買う時代になるでしょう。

バリュエンスホールディングスでも、買い取りと販売両方でCO2排出量などから、「あなたの買い物によってどれくらい環境負荷が軽減したのか?」を可視化するシステムを導入します。

12月にオープンを予定しているユーズド・ヴィンテージショップ『ALLU(アリュー)』の新しい旗艦店、表参道店では、商品に「新品を買った場合と比較して、あなたの買い物が抑制するCO2排出量、使用されなかった水などの資源量」などが明示されるのです。

「つくりすぎなくてもいい世界」を目指して

リユース事業を主業とするバリュエンスホールディングスでは、「つくりすぎなくてもいい世界」を強く意識しています。「新品を買う」以外の選択肢をお客さまに示し、よりエシカルな消費をしてもらう。

これからは、地球も企業もより持続可能な成長を遂げることが重要になっていくと考えています。

COP26に際して、日本は地球温暖化対策に後ろ向きな国として「化石賞」という不名誉な賞を国際NGOから贈られています。意識面での変化も欧米と比べれば十分とはいえませんが、少しずつ変わってきているのは事実。自分の持ち物や買い物、生活がどのように環境を変えるのか? 企業側には環境に負荷のかからない活動が求められると同時に、いい情報であれ悪い情報であれ、透明性を担保して、情報を開示することが必須になってきます。

消費者がどのような選択をするのか手助けをする、情報をもとに選択するサポートをすることは、これからの企業に求められる重要な役割といえるでしょう。


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