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選ばれるための営業とは? これからの時代に求められる3つのスキル

前回は、顧客の嗜好、消費行動自体が大きく変わる中で、私たちは何をすべきなのか? というお話をしました。

経営者として、会社として向かうべき先と、メンバー一人ひとりがどうすべきか? 当たり前の話ですが、あらゆることをアップデートしていかなければいけません。

これからの時代に求められる3つの営業スキル

最近、バリュエンスのメンバー、特に店長クラスに向けて話をしているのは、『これからの時代の営業に求められるスキルとは何か?』ということです。

営業とは利益を得る目的で継続的に事業を営むこと。つまり企業にとっての営業とは、利益を得るために行うあらゆる活動を指します。

私が“これからの時代”に必要だと思う営業のスキルは、
①質問する力
②問題を特定する力
③提案する力
の3つです。

すでにある“答え”の呪縛

人はすでに明確な答えがあるものに目が行きがちです。実際に世の中はすでに答えのあるものに向かっていく傾向が強く、経営者も企業も、この答えありきの状況に縛られがちです。

すでに答えがあるというのは、例えば私たちの主要事業であるブランド買取でいえば、
・買取品の真贋
・買取品の価値
・買取価格の相場
といった、鑑定に関わる事柄が挙げられます。

私たちの業界では、買取品の真贋を見抜き、希少性、ニーズ、コンディションなど考慮した上で相場に応じた適正な値付けができることが強みになっていました。

答えのあるものに溢れている世の中で“違い”を出す

「あのお店に買い取ってもらうなら手放してもいい」という顧客の安心のほとんどは、鑑定力に裏打ちされた「損をせずに売れる」という価値観に基づいていたのです。

もちろん、持ち込まれたブランド品が本物か偽物かには明確な答えがあります。

商品の価値、つまり値付けに関しても、需要と供給によって変化するとはいえ、取引データによる数学的な“正解”があります。

業界、業種、取り扱うサービスや商材によって多少の違いはありますが、これまでのビジネスは“すでにある答え”や“正解”を基準にして発展してきました。

つまり、これまで私たちが強みだと思っていたことはすべて、誰でも得られる正解によって成り立っています。

私たちバリュエンスが運営するブランド買取専門店『なんぼや』や『ブランドコンシェル』、骨董買取の『八光堂』は、業界に先んじてこうした明確な答えの精度を高めることに注力して成長してきましたが、誰にでもわかりやすいがゆえに追いつかれてしまえば差がなくなるのが世の常。

これでは競合他社との“違い”を出すのは難しいのは当たり前です。

これから必要になる営業スキル①質問する力

すでに明確な答えがあるものは、わかりやすくお客さまの満足も得やすい。しかし、わかりやすい答えはマネされやすく、“これから”の差別化にはなりません。

ではどうするのか?
そこで重要になるのが、「質問する力」です。

リユース品の買取を例に話を進めます。
すでにお話ししたように、『なんぼや』でも『ブランドコンシェル』でも『八光堂』でも同じなのですが、これまでの常識で考えたお客さまの満足「価値と相場に照らし合わせた適正な買取価格」にあります。
そこは私たちが追求すべきことですが、もはや「それだけやっていればいい」というほどの重要性はなくなっています。

周りを見渡せばわかるように、正確な真贋鑑定、適正な値付けは、どの買取店も掲げている売り文句であり、お客さまにとっての魅力あるメッセージにはなり得ません。

アクセスの良さ、利便性、明るい店内、接客・接遇も「どんぐりの背比べ」になった買取店選びの“違い”にはなるかもしれませんが、「ここに売りたい」という強い動機にはなり得ません。

どうしたら“違い”を出せるのか?

一つの方法として挙げられるのは、お客さま自身も気づいていないニーズを掘り起こすことです。

その第一歩が接客時の会話であり、その際にする「質問」です。

買い取らせていただく商品についての質問をすることで、お客様自身も気づいていない潜在的なニーズを引き出すことができれば、横並びの条件、価格比較ではなく、お客さまに「ここに売りたい」「ここでしか売りたくない」と思ってもらえる、強い動機を生むことができます。

これから必要になる営業スキル②問題を特定する力

どんな質問をすればいいのか? その質問から得られるものは? など「質問する力」の詳細は次回以降に譲り、まずは『営業の3つのスキル』の全体像を明らかにしていきます。

質問でお客さまとのコミュニケーションを図り、潜在的なニーズを引き出すことができたら、次に必要なのは「お客さまが何に困っているのか?」を特定する「課題を特定する力」です。

潜在的なニーズ、つまりお客さま自身も気づいていない需要は、課題、「困りごと」と密接に結びついています。

従来の(旧来のすでにある答えに基づいた)、ブランド買取店を訪れるお客さまの課題は、「持っている品物を手放してお金に換えたい」→「お金が必要」という単純な図式だとされていました。

しかし、時代や価値観が変わり、お客さまの求めるものは単純な換金性だけではなくなっています。

得られた情報をもとに、顧客の課題、困りごとを特定することが次のステップである「提案」のフェーズにつながります。

これから必要になる営業スキル③提案する力

顧客が「実は解決したいと思っていた」潜在的な課題を特定し、顕在化したら、次にすべきは課題を解決する提案をすることです。

これについては、一般的なブランド買取専門店との違いが優位性になります。バリュエンスグループは、時計やブランド品、貴金属、宝飾品、ビンテージ品の他に、車も取り扱っています。

土地などの不動産も含めて、お客さまの資産周りのすべてに関われるチャンネルを持っているのです。

これらを駆使して、お客さまの課題を解決する提案、他の人にはできない提案をすることが差別化につながり、お客さまが私たちを選ぶ理由になるのです。

「なぜ私に売ってもらうのか?」を考える

全体像を説明するために駆け足になりますが、これからの時代に求められているのは、
①単なる接客・接遇に留まらず、質の高い質問をすることで顧客とのコミュニケーションによって信頼を築き、「お客さま自身もまだ気づいていない需要」を浮かび上がらせる
②コミュニケーションによって共有できた情報を元に、「お客さまが本当に解決したいこと」を特定する。
③従来の枠組みや業界の常識にとらわれず、多様な選択肢の中から「他社(他者)にはできない提案」をする。
営業なのです。

ブランド買取店で、納得の金額で買い取ってもらえた。
たしかに私たちが目指すべき顧客の満足の基本はそこにあります。

しかし、それは他のお店、他の人でも比較的容易に実現できる満足でしかありません。

金額や条件、買取の手続きさえも指先一つで済ませられる時代に、「なぜ、私に売ってもらうのか?」を突き詰める。

これは「売ってもらう」の部分を「(私から)買ってもらう」に置き換えれば小売業、「(私を)選んでもらう」にすればすべての業種に当てはまる、営業の武器になるはずです。

次回からは、もう少し詳しく3つのポイントについて見ていこうと思います。


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