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昭和特撮クラウドファンディングにBEAMSが協力する理由とは?

こんにちは、バリュープラス アーカイヴ プロジェクトです。

クラウドファンディング「『ライオン丸』『タイガーセブン』『ザボーガー』昭和特撮フィルムを後世に残したい!」では、リターンのアイテムをセレクトショップBEAMSのブランド「マンガート ビームス」の協力で制作しています。

今回は本企画のリターンアイテムをプロデュースする株式会社ビームスクリエイティブの久芳俊夫さん、中村尚史さんにお話を伺いました!


──久芳さんはもともと特撮が大好きで、雑誌「Mono Max」で「ビームス特撮部」という連載も持たれています。
まず、お好きなピープロ作品を聞かせていただけますでしょうか?

久芳 僕は地方出身なので、キー局のオンタイムの放送というのは見ることができず、夏休みの再放送の枠で見ていました。
初めて見たのが『鉄人タイガーセブン』だったと思うんですが、内容がものすごくつらいんですよ(笑)。子ども心にはよくわからない部分もあったりして。子どもの頃って、夜中に放送しているホラー映画とかジャンクカルチャーみたいなものが好きじゃないですか。自分の手の届かないものに触れる、そういう好奇心をくすぐられるところがピープロ作品にはあり、とても魅力を感じていました。

──今回は当時の児童向け雑誌「冒険王」のポジフィルムをデジタル化しようというプロジェクトですが、お話を受けていかがでしたか?

久芳 「『冒険王』の未公開のフィルムが発見されました」というお話をうかがって、まずそこで気持ちが盛り上がりました。「冒険王」は、子どもの楽しいものが全部詰まっている雑誌だという印象があったので。
僕は現在放送中の『仮面ライダーギーツ』でスタイリングとして参加させていただいたりもしていて、最新の特撮作品にお仕事として関わることができていて(※久芳さんは『仮面ライダーギーツ』に主人公・浮世英寿のスタイリストとして参加)。逆に『ライオン丸』だったり『タイガーセブン』だったり『ザボーガー』みたいな、自分が小さい時に観ていた作品に関わることは、なかなかできることではないので楽しみに感じました。

リターンアイテムのTシャツ、トートバッグ、フォトアルバム
(画像内のアイテムは試作品のためデザインが変更になる可能性があります)

──今回のリターンには、BEAMSのどのようなノウハウが活かされているのでしょうか?

久芳 BEAMSはセレクトショップという業態なんですけど、古今東西問わず自分たちの良いと思ったものを店頭に並べるというのがスタンスです。例えば登山用のグッズでも「アウトドアの専門店ではこういう風に取り扱っているけれども、実際は街でもこういうふうに使えるんじゃないか」とか。そういった切り口で紹介したりして、世の中に広めてきたというのが、我々の仕事です。
その中で、例えば1960~70年代の特撮でも「ビジュアルやデザイン的に、こんなに面白いものなんだよ」っていうのを、プレゼンテーションできる機会がなかなかなくて。日本の昭和ならではのアグレッシブさというか、あのビジュアルのインパクトを良い形でプレゼンテーションできると、今の若い人たちにも興味を持ってもらえるんじゃないかと考えているのが、僕の個人的なスタンスです。
一方で、中村はものづくりの面で色々なクライアントさんと多岐にわたってお仕事をしているので、様々な知見があります。好奇心も強くて、特撮という未知の世界に片足を突っ込んでみようという勇気のある男だったので、今回伴走してもらっています。

──中村さんとしては、初めてディープな世界であるピープロ特撮に触れて、今回のクラウドファンディングのリターンという形にしていくわけですが、どういった部分にこだわっていますか?

中村 まずは先ほど久芳が申し上げた部分かなと思っていて、やっぱり絵力というか「パンチ力がある作品だなあ」っていうところが最初にあります。
BEAMSとして僕らが常に目指しているところは、例えばイベント用のTシャツみたいに「その日着て終わり」みたいなものではなくて、きちんと日常のファッションに溶け込んでいったり、オシャレしたい人が着てもちゃんと様になったりする。そういうところがポイントかなと思っています。今回のリターン品でも、Tシャツやトートバッグは写真をモノクロにすることで、そういった方向に落とし込んでいこうと。
フォトアルバムについては、ちょっと懐かしさを感じるというか、例えば実家でお父さんやお母さんの写真を見つけた時、みたいな雰囲気が出ればいいなと思います。年齢層の高い方は「懐かしいなあ」という印象になり、逆に若い人にとってはそれが新鮮に映ってくれればいいなと。

フォトアルバムは自立してブロマイドを飾ることができる仕様。
表紙は皮の質感をイメージした高級感のある手触り。
(画像内のアイテムは試作品のためデザインが変更になる可能性があります)

──本企画を通してピープロ作品を若い人たちにも届けるというのは、BEAMSとしてもプライオリティの高いことになるでしょうか?

中村 必ずしも若い人だけを狙っているわけではないです。今回協力させていただいている「マンガート ビームス」というブランドは、日本のポップカルチャーを発信していこうという取り組みをやっています。
現在のカルチャーって、昔みたいに「みんなで同じものを大好き」っていうことがなくなってきていて、本当に細分化しているじゃないですか。今回の特撮っていうものも、その細分化したうちのひとつかと僕は思うのですが、細分化していることによってすごく深くなっているよなって感じているんですね。今回この取り組みに参画させていただくことで僕らが得られることの中に、この深い人たちとの接点が持てるということがあります。
今回のクラウドファンディングっていうのは、僕らは入り口だと思っていて、ここで接点を持って一緒に次のステップに行きたい。バリュープラスさんとうちだけではなくて、そういったファンの方たちも一緒になって盛り上げていけるようなムーブメントになっていくんじゃないかなっていう気がしています。そこまでいくと、多分若い人たちもそれを見て「面白そうなことを色々やっているのかな」と、興味を示してくれたら良いなと思います。

久芳 それこそLINEミュージックとかTikTokとかでチャートなどを見ていると、もう年代は関係なくて、みんなが面白がれるもの、繋がれるものみたいなものが求められている時代だと思います。我々はセレクトショップという「編集」を生業としているので、プレゼンテーションの仕方次第だなと。
中村が言ってくれたように、きっかけはどこかにないといけないので、我々が参加する意味とか、バリュープラスさんが今回企画した意味とかも含めて、きっかけの一つになればいいなというのが、そもそもの出発点でもあります。

ピープロ作品の版権管理を担当する株式会社カラー様、
商品化窓口を担当する株式会社グラウンドワークス様による監修作業の様子
(画像内のアイテムは試作品のためデザインが変更になる可能性があります)

──BEAMSとしては、今後も特撮のアーカイヴにより発展した形で参加していこうという方針でしょうか?

久芳 会社としてというより、自分たちがどのようにオーソライズして活躍していきたいか、みたいなことの中ではありますが、特撮というジャンルや特撮作品には圧倒的なビジュアルの力があると僕は思っていて、我々みたいなファッション業界との親和性というのも、間違いなくあると思います。
ブランドのファンの人、もしくはその作品のファンの人たちがより普遍的な楽しみ方ができることも、今後あったらいいなと個人的には思っています。

中村 本当に多くの可能性はあると思っていて、今回はグッズという形での取り組みで参画させていただいていますけれども、今後はもしかしたらキャラクターとして売り出していくっていう可能性もあるでしょうし、アートとして捉えていくことができるかもしれない。今後違った形での発展性みたいなものは、まだまだ見込めるんじゃないかなと思っています。

──お二人ともありがとうございました!


クラウドファンディング
「『ライオン丸』『タイガーセブン』『ザボーガー』昭和特撮フィルムを後世に残したい!」
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久芳俊夫(くばとしお)
BEAMS CREATIVE INC.所属。
過去に「MANGART BEAMS」クリエイティブディレクターとしてウルトラマン・スーパー戦隊・ゴジラなどのコラボアイテムの開発を手がけ、昨年は「仮面ライダーBLACK SUN」のポップアップストアを新宿駅でプロデュース。 
書籍のディレクションも担当し、現在はMonoMax(宝島社)にて「ビームス特撮部」連載中。
森崎ウィン・つるの剛士など「スーパー戦隊シリーズ」主題歌の衣装ディレクションや、現在放送中の「仮面ライダーギーツ」では主人公・浮世英寿のスタイリングも手がける。

中村尚史(なかむらひさし)
BEAMS CREATIVE INC.所属。
吉田カバンとBEAMSによる共同企画「B印 YOSHIDA」にて15年間に渡り販売と商品企画やバイイングを担当した後、チームウェアやスタッフユニフォームのオーダーから、ノベルティグッズの企画・製作を手掛ける「Uniform Circus BEAMS」にて様々なアイテムの製作に携わる。
現在はライセンス ビジネス部にて、今までの経験を活かしながら様々な企業とのBtoB事業の開発を担当している。

©ピープロダクション

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