ベネフィットトークの達人
こんばんは。いつも「スキ」をくださる皆さん、読んでくださる皆さんありがとうございます。
今日は南仏の八百屋さんとのやり取りで思い出したことがあるので、そのことについて書いてみようと思います。
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南仏のカドネという小さな村に2ヶ月程度滞在していました。
カドネ村にで暮らしていた(現在パリ)娘は、マルシェの開催される月曜日毎週その八百屋さんに行くので、おじさんとも顔なじみのようでした。
マルシェの八百屋さんは、モロッコ人です。
マルセイユの港からアフリカ大陸のほうの人たちも入りやすいせいか、モロッコから南仏に働きに来ている人も多いです。
▼ フヌイユ(ういきょう)とみかん
モロッコはオレンジが道端にある木ににも実がたわわになっているほどみかん大国なんです。このみかんはモロッコ産かわからないけど皮が薄くて実が濃くてすっごく美味しかったです。
値段も安くて、この写真の量で2€とかで買えるんですよ。
この、八百屋のモロッコのおじさんはとってもいい人で「モロッコに今度行くんだー」と報告するとニコニコとモロッコの情報を教えてくれました。
モロッコ人は二通りあってすっごくいい人と、すっごく悪い人がいるそうです。わかるようなわからないような・・・
めっちゃ極端
無意識に行くお店はいいお店
あの店で買ったら美味しいとか、品質がいいとか、逆にそこまで安くないけど、おじさんが楽しいとか、自分でも無意識だけどついつい足が向いてしまうということもあると思います。
カドネの八百屋にはあのおじさんがいるから挨拶がてらということもあって私たちはつい覗きに行ってしまいます。
オンライン上に置き換えるならつい「ポチ」っとしていまうということなのでしょう。
通りすがりの人の足を止めるには
私が子供の頃、祖母と買い物に行くと魚屋のおじさんの売り込みがすごかった。魚屋さんに限らずどの店も売り込みがすごいので、商店街に行くときは少し身構えて余計なものは買うまい。と祖母も財布の紐を締め気味に行くのだけど、決まってこんなことが繰り広げられる。
「おかあさん!今日のサバ(間が大事)・・・見てよ!〇〇沖で獲れたからさ、うまいよ~」
すると、祖母は決まってこう防御する。
「今日のおかずはさっき買っちゃったから」
この時点では買う気なんてまったくのゼロ%
だけど、おじさんはいつもすごい。
「お母さん!今日食べなくても大丈夫だから!このサバね、新鮮だから明日でも全然平気よ~!お醤油とみりんに今日帰ったら漬けといて!しばらくもつから!焼いたらおいしいーよー」
と、仕込み方法や、調理法まで一気にしゃべる。
祖母もこの時点で、あれ?そっか?そういう手があったか・・・と頭をよぎる
買う気20%
そして最後の一押し!おじさん砲
「本当はね、これ3匹だけどおかあさん1匹おまけ!」
といいながら、袋に勝手に詰めだす。
祖母・・苦笑 100% 決定 おじさん勝利!
いまサバなんてまったくもって必要もない人に売ってしまうというスゴ技なのだ。みりんに漬けといたらいつでも食べられるというベネフィット!
・明日の家事が楽になる
・万が一明日食べなくても長持ちする
・1匹おまけ
この要素が揃ったことで、買う気なんてまったくない祖母の心を動かすのです。
買い物は人とのふれあい
あまりにもナチュラルすぎて気づかなかったけど、今思い返すと売る人は自然に「買ったその先」を提案して、買う人も顕在的には気づかない「なるほど!」があったからこそ成立してしまうワザだったんだな。
いまさらながらそんなことを思い出して感心している。
これが商店街の醍醐味でもあり、今日はおまけしてくれたから今度は買ってあげようね。なんて祖母との会話したことも思い出したりした。
こんな何十年も昔のことを思い出したのも、南仏のマルシェの人々とそれを買うお客さんのやりとりをみたから。
私が南仏の風景と、暮らしに心惹かれたのは、すっかり忘れていたあの時の思い出と重なったからかなのもしれない。
なつかしい昭和のやりとりを思い出して現在の売り方と照らしあわせて感心しておりました。
最後までありがとうございます。
おやすみなさい('ω')ノ
コチラも南仏の記事です。
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