長距離バスの旅、ドイツの強制力がすごかったはなし
南フランスの「エクサンプロバンス」からドイツのミュンヘンまでのめっちゃ長距離をなんとバスで往復したという、とてつもない時間と体力が必要な旅を経験しました。
ニースで1回乗り換えも含めて約16時間!
途中、緊迫した事態にも遭遇したりで実録!バスで国境を2つ超えた話です。
長距離バスは体力と気力が忍耐がひつよう
上の地図の赤い線のあたり(ルートは定かではない)を通ってドイツのミュンヘンまでバスに乗って旅をしました。
すさまじい距離を走ります。およそ1,000km
ヨーロッパではメジャーなFLIXBUSを利用しました。
FLIXBUSはヨーロッパではメジャーなバス会社です。
格安で移動できるので、時間があるけどお金を節約したい人に人気があります。この旅も往復で8,000円ぐらいでした。
そして日本のバスとイメージが違うところは若い人に限らず幅広い年齢層がいること。家族連れもいます。
夜中も走り続けなければならない長距離バスなので、運転手さんは基本2人体制です。
途中、運転手さん交代もあります。ですが、日本国内と違って桁違いにだった広い高速の休憩所とかで(周りにほんとなにもない)運転手さんが交代するので、運転手さんの行方が気になっていました。
その時を良く観察していたら待ち構えていた乗用車にシャーっと乗り込み運転手さんは回収されていきました。
謎が解けました。
セレブのイメージ、ニース空港は見学だけ
いったん、ニースでバスの乗り換えがあるので2時間程度のまち時間がありました。ニース空港、たぶん一生利用しないから見学だけしよっと。
ってことで無料の循環バスにも乗ってターミナル1も2も見学することに。
空港で、驚いたことが2つあった。
ひとつは、空港にはよくあるWi-Fiレンタルや、レンタカーなどのカウンター。世界のセレブがバカンスの地として訪れるニースらしく、レンタカーならぬ、ヘリコプターレンタル専用カウンタがあったこと。
ふたつめは、持ち主のわからない荷物があったら持ち主がわかるまで飛行機が出発しないということ。
持ち主が不明な荷物に関してはめちゃくちゃ慎重だった。
フランスは荷物の持ち主が不明な場合、絶対に触ってはダメ、持ち主が判明するまで飛行機も飛ばないというのだ。
テロの可能性があるから。
その荷物を2,3人の警備員が囲み、電話で連絡を取り合っている。本当に飛行機が遅れたりするらしい。
だから日本のノリで気安く触ったり、持ち主さん探そうなんて気を起こしてはいけないようだ。
しばらくして無事に持ち主が見つかったのでとりあえず一件落着。
こんなことも生で見るのも貴重な体験だった。
実は通過していた2か国目
サンサンとしたリゾート地らしい日差しが美しいニースを後に乗り換えたバスは出発する。
外の景色が見慣れてくると眠気も襲ってくるが、興奮しているやらバスの体勢が良くないか眠れない。
そうこうしているうちに、気が付いたら窓の外は吹雪だった。
さっきまでの浮かれたバカンス感たっぷりのニースはどこへ......
こんなに短時間で景色が一変する経験もしたのも長く生きてるが初めての体験だった。これはこれで感動的だった。
完全に山の中で、窓の外を眺めているとときどき谷底に家が見えたりする。あまり良く見えないけど建物の雰囲気からしてドイツとかスイスを予想、googlemapで調べてみると、どうやらそこはオーストリアだった。
こんな状況でも、乗客たちに歓声があがるわけでも、運転手さんに「ここはどこか」の質問もない。わたしからするとここが一番の不思議ポイントなのだけど、あまり関心がないかバスの人には質問しないのが一般的なのかは謎のまま。
途中、この吹雪の中 給油のためかバスは停車した。
ドイツ国境ごえでアクシデント
「ずいぶんと長くかかるな」と思っていると、つるんとした顔の金髪の警官がバスに乗り込んできた。バスの車内に緊迫感が走る。
国境越えのチェックだった。
パスポートを見せろと乗客に言っている。私ももちろんパスポートを持ち歩いているが、娘は持っていなかった。
娘が言うには、本来であればユーロ圏の移動はパスポートは不要で外国人証明書(どの証明書だかは名前はわからない)があれば問題ないそう。
だけど、ここではなぜか通用しなかった。
その警察官に、「ここはドイツだ!」と丁寧ながらこわ~~い言い方で言われた。(厳密にいうとジャーマニーだけ聞き取れた笑)
じゃあ、どうすればいいかというと、罰金23€(2600円ぐらい)払えということで、選択の余地なく支払うことになった。
「この紙はなくさないように。」(たぶん)と言われ、とりあえずその場を乗り切ることができた。
その時は、ショックだし悔しいしフランスではユーロ圏ではパスポートは必要ないっていうことになってるはずなのに、言うことが違う外国にイラついた。
しかし、この「紙」がのちに命拾いすることになる。
ドイツの私服警官の強制力
ミュンヘンのたった1泊の旅を終え、元来た道をまた16時間かけて帰ると思うと憂鬱でしかなかった。
バスの出発時刻に遅れないよう、時間どおりにバスに乗り込んだ。
だけど、30分たっても出発する気配がない。
運転手さんが外で誰かと会話していて、そのうちダッシュボードやらバスの中をあれこれ探し出した。運転手さんになにか証明するもの?あれこれ提出していたけど、とにかく時間がかかる。
こういう時も、一切アナウンスがないのが外国流。
▼ noteに書いた話です。▼
出発が遅れてる事情を説明するわけでも、謝るわけでもない。
それよりも、乗客のざわつきも一切ないのもまた謎でしかない。
1時間ほどまたされた後、突然ガタイのいい二人の男性が勢いよくバスに乗り込んできた。
「なにが起きたの?!」バスの中は様々な国籍の人が乗っている。だけど日本人の私たちからみても確実に旅行ではない感じ。
ひとことで表現すると、「どんよりした重い空気が漂う車内」といった感じ。パスポートなく国外に出ようとしてる人もいるはず.....
おそらく「私服警官だ。全員にパスポートを見せろ」と言っている。
ここで、初めて行きに罰金を支払った証拠の紙が命拾いすることになった。その紙を娘が取り出してその警官に見せると、鋭い目で確認すると無言でその紙を返してきた。
やった!セーフ。危なかったよね。この紙がなかったらヤバイことになってたね。とふたりで本気で胸をなでおろした。
待ち時間がまるで死刑宣告を待つかのようだった。
私服警官は、すごい迫力で次々と乗客たちのパスポートや、バスのチケットなどの提出を要求していた。
乗客の中にはパスポートを見せてるのに、なにやら言われてるのか必死に言いわけしている男性もいた。何かが足りないのか、それとも匂うものがあったのか......
その言い分も見事に却下、全部で3人の男性がその場で連行されバスを強制的に降ろされた。
バスの窓から様子を眺めていたら、その男性たちは3人並んでどこかへ連れていかれていた。
それにしても、もしも行きに罰金を払った証拠の紙を持っていなければ確実に娘も連行されていただろう。
そしたら私はどうなっていたのか?「私も一緒にいく!」っていって取り合ってくれるのか?いや、バスに置いて行かれるだろうか.....。
想像するだけでゾッとする。
思ったことは
やっぱり外国の警察官は威力がハンパない。予想外なことが起きた時、とてもじゃないけど抵抗も言いわけも出来ないだろうと思う。
いつもは「日本は甘いっ!」などと言ってる自分もその時だけは、日本のやんわりした対応をありがたく思ったのでした。
なんて勝手なんだろう.....笑
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