見出し画像

ローリスク・ハイリターンを見つける事への疑問

自分が大企業の新規事業に関わる中で、飲み会などでよく思う事があった。

リスクを取らずにハイリターンを得る事は出来ないという事。それは私の個人的見解ではなく、一般的な見解である。

しかしながら、大企業にいると常に「ローリスクハイリターン」な事を求められる。「イノベーションのジレンマ」という言葉があるが、そんな言葉は大企業で新規事業や企画部門などに所属していれば、皆知っている事であるし、だから大企業ではイノベーションは生まれないという結論にたどり着く。

<イノベーションのジレンマ>
大企業にとって、新興の事業や技術は、小さく魅力なく映るだけでなく、カニバリズムによって既存の事業を破壊する可能性がある。また、既存の商品が優れた特色を持つがゆえに、その特色を改良することのみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かない。そのため、大企業は、新興市場への参入が遅れる傾向にある。その結果、既存の商品より劣るが新たな特色を持つ商品を売り出し始めた新興企業に、大きく後れを取ってしまうのである。(wikpedia参照)

イノベーションのジレンマの解決策はただ一つ、「腹をくくる」事だ。

既存事業の収益を失ってでも、新規事業に資源を集中させてイノベーションを起こすだけである。イノベーションのジレンマ等と議論している前に、経営陣が「腹をくくる」べきである。腹をくくれないから、必死に「ローリスクハイリターン」の方法を皆で議論する。もちろん大きい会社にはステークホルダーが存在しているので、そんな簡単な事ではないだろう。難しい事は理解している。でも誰かが腹をくくれなければ解決しない。必死にステークホルダーに説明するしかない。

ソフトバンクの孫正義も腹をくくり、一般人には想像も出来ないくらいのリスクを抱えて事業を展開している。孫正義のような、所謂カリスマ経営者ですら、それだけのリスクをとっているのに、新卒で入社したプロパー出身の大企業のサラリーマン経営者がリスクを取らずに、ローリスクハイリターンを得る事が出来るだろうか。

今までやってこなかった事を新たにやろうとするのは必ずやリスクが伴う。やってみなければ分からない。

石橋を叩き続け、成功可能性が見えてきた事業は、みんな同じ事をするから、差別化できずに結局死ぬ。

・やっても死ぬ。
・やらなくてもいずれは死ぬ。
・検討に時間をかければ、他社も真似して差別化できずに死ぬ。

何を選んでもどうせ全部死ぬ。
だったら、やってみる他に選択肢はないのではないのか。

飲み会の席で、「あの事業はこうした方がいい」「あの事業は売上が伸びてないからマネタイズは他に作った方がいい」とか散々みんな語り合っていた。
でも、結局腹をくくれるかくくれないのか、シンプルにそれだけなんじゃないかって。語り合ってもこれに関しては一生答えが出ない。

これが私の起業したきっかけになった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?