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青学 原晋監督と「1分で話せ」の伊藤羊一氏に学ぶ思考法

本日は「青学 原晋監督と「1分で話せ」の伊藤羊一氏に学ぶ思考法」についてです。
駅伝ファンならおなじみの青山学院大学の原晋監督とYahooアカデミア学長である伊藤羊一さんについて取り上げていきたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部抜粋です。
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今回、取り上げようと思った理由は大きく3つあります。

1点目:当チャンネルのリスナーの方から、陸上競技に携わっている方を取り上げてほしいとリクエストをいただき、私も箱根駅伝については昔から大好きで、いつか取り上げたいなと思っていたから。

2点目:私の趣味はビジネス書を読むことで、荒木博行のbook cafeのリスナーでもありまます。ここ最近伊藤羊一さんの「1分で話せ」や澤円さんと共同で出版された「未来を創るプレゼン」という書籍を読んで、これは面白い、ためになると思ったから。

3点目:そんなバックボーンがあったので次の放送回何にしようかなと思った時に、「メディアでの発信力があり監督就任前はトップ営業マンであった原晋監督」と「伊藤羊一さん」は共通点や親和性があるのではないかと思ったからです。

青山学院大学の原晋監督の経歴 箱根駅伝初優勝までを中心に

さて、原晋監督のこれまでの経歴や思考法について知りたかったので、著書「逆転のメソッド」と「人を育て、組織を鍛え、成功を呼び込む勝利への哲学」を購入して色々調べてみました。

青山学院大学陸上競技部監督を2004年から務めています。
そして、2015年の箱根駅伝から4連覇、2019年では優勝を逃しますが、今年1月の箱根駅伝では見事、総合優勝に返り咲いたということは駅伝ファンであればご存知かと思います。

しかし、青山学院大学の監督に就任する前は紆余曲折のキャリアパスでした。中京大学の陸上部卒業後、中国電力の陸上部に在籍、全日本実業団駅伝に出場するなどの実績を残しますが、5年目に怪我をしてしまい引退。

その後は、サラリーマンとして営業所、サービスセンターへ異動を命じられその悔しさから一念発起して、提案営業を開始。
一台100万円以上する空調システムを売りまくって、社内トップの営業になります。
その実績が認められ本社に復帰すると、新会社の設立メンバーに抜擢されて、わずか5人で始めた事業を100人規模まで急成長させます。


そして、高校時代の後輩からの伝手がきっかけで、2004年に青山学院大学の監督に3年契約で就任。
3年経過しても成果を出せず、解任の危機となりますが、生徒や周りに信頼されていたため、1年間の契約延長を勝ち取ります。

そして、4年目は出場を逃しますが、学連選抜のチームで、これまでの最高順位を更新する4位を叩き出します。
そこからは、右肩上がりで、着実に成果を出して行きます。
2009年には33年ぶりとなる箱根駅伝出場、2012年に出雲駅伝優勝、2015年についに箱根駅伝優勝を果たし、そこから4連覇に導きました。

では何故2009年以降成果を出し続けてきたのでしょうか?
それは、営業マン時代に培った3つの思考法と発信力なのかなと思います。


・1,現在、過去、未来という時間軸を設けている
・2.相手の視点に立つ。そして、手に届きそうな、現実的な目標を大事にしている
・3.「ワクワク大作戦」などに代表されるキャッチーで、シンプルで分かりやすいスローガンなど発信力、伝達力に優れている

これは、伊藤羊一さんの「1分で話せ」や「未来を創るプレゼン」でも言われていることにも通じるなと思います。

伊藤羊一さんですが、現在は、Yahooアカデミアという企業内大学の学長であり、グロービス経営大学院の客員教授として、様々なビジネスパーソン向けに「伝え方」「プレゼン」についての講義をする、まさにプレゼンのプロと呼ばれる方です。
では、次のチャプターではこの思考について、もう少し掘り下げて行こうと思います。

原晋さんと伊藤羊一さんに共通する思考法と発信力

さて、前のチャプターの最後に、3つの思考法と発信力について触れましたので、本チャプターでは具体的に掘り下げて行こうと思います。

・まず 現在、過去、未来という時間軸を持っている点についてです。
原晋監督ですが、2015年の箱根駅伝初優勝の後に、執筆した「逆転のメソッド」という書籍の「ステージ4までの組織づくりという節」でこのような事を述べています。
一部抜粋します。

この十年間を振り返ると、組織を作り上げる第一歩は監督である私と個々の部員、つまり「私とあなた」という一対一の関係から始まった。
これがステージ1で、青学では規則正しい生活について理解し、実践できるようになる段階だ。

次に、部員たちがチームとしてひとまとまりになると、私がひとまとまりの部員たちを引っ張るという一対多 の関係になる。
これがステージ2で青学では学年長制度を取り入れた二巡目の時期にある。

その次がホールディング制とでもいうべき形で、ひとまとまりの部員たちをオブラートに包み込む。これがステージ3で青学では三巡目に入る頃だ。

そして最後に指導者である私が後ろに回って、部員たちを包み込むように指導する。これがステージ4でまさに成熟期である。
青学でいえば、ここ2〜3年のことだが、成熟期に入っているからこを優勝を狙えるところに来ているのだろう。
以上です。

これを見て、原監督は
「現状分析がしっかりしており、更に時間軸で物事を捉えており、各ステージでどうなっているべきか」を考えられているなと思いました。


ちょっと私の推測も入りますが、監督就任時はこのようにチームを分析したからなのかなと思います。
・現在の青学は1976年以来、箱根駅伝の本戦出場から離れている。
・であるので、監督就任してすぐに、優勝とかシード権とか掲げるのではなく、ます、足場を固めたい。
・10年後には優勝争いがしたい、そしてその後は、陸上界も色々と変えていきたい
そこから逆算して、フェーズに分けたんだと思います。


この時間軸については、伊藤羊一さんの未来を創るプレゼンでも触れられています。
ここでは、現在→過去→現在→未来という項目を抜粋します。

先にプレゼンは「人を動かすこと」と書きました。するともっとも大切なのは当然ながら未来を動かすアクションです。

しかし未来はそれ単独で存在しているわけではありません。未来はこの「いま現在」とつながっているものです。
従って現在のことを語らずに「未来はこう変わろう」といっても説得力ありません。
未来というのは現在の延長線上にあるのです。

たとえば自動車会社を例に上げると、「自動車はもはや買って乗るものではないのかもしれない」という現状があるからこそ、「モビリティの仕組み全体をつくる」会社になるという未来のビジョンが生まれるのです。

で、現在は、どこから来ているかといえば必ず過去から来ています。
以上です。

こんな感じで、現在から話しつつ、過去に遡る、そして現在はこういう現状があるので、未来はこうあるべきだというビジョンが共有できる。そして、目標が共有できるから、そのために何をするべきかという視点に立てるんだろうなと思います。

・2点目:相手の視点に立つ。そして、手に届きそうな、現実的な目標を大事にしている
こちらも、著書「逆転のメソッド」のピーキングというトレーニングという節から抜粋します。

原監督は営業マン時代に使用していた、目標管理シートを監督就任当時から指導に取り入れました。

目標管理シートとは、A4用紙1枚に1年間の目標と1ヶ月毎の目標、その下に試合や合宿ごとの具体的な目標を書き込んだものです。

この目標管理シートのポイントは大きく3つあります。
・自分自身で考えて目標を決めること
・「もう少し速く走る」といった抽象的な目標ではなく、具体的な目標を設定する
・実現不可能な目標ではなく、半歩先、手に届くところにある目標を着実に達成してもらうようにする
ことです。

・3点目:「ワクワク大作戦」などに代表されるキャッチーで、シンプルで分かりやすいスローガンです。

ここにも原監督の思想が読み取れます。
ここからは「人を育て、組織を鍛え、成功を呼び込む勝利への哲学」からの引用です。

「ワクワク大作戦」というキーワードを聞けば、大半の人は大なり小なり笑顔になってしまう。相手をリラックスさせる効果もありつつ、「ワクワクするような試合をしよう」という思考が込められており「そのために何をすればいいのか」を考える手法になりうる。
インパクトの強い言葉を繰り返し伝えることで相手に刷り込み、常に意識させることができるのだ。

このスローガンって、キャッチーで印象に残るのですが、非常に抽象度が高い言葉ではあります。

しかしこの背景には、目標管理シートを使って、地道に練習をこなしているので、あとは楽しみなさいというメッセージを感じます。
ですのでこの背景に触れていない人にとっては、抽象度は高いと思いましたが、選手にとっては、シンプルで行動に移しやすいメッセージなのかなと思います。

このシンプルでキャッチーなスローガンは、書かれている内容は異なるのですが、伊藤羊一さんの「1分で話せ」での主張にも似ているなと私は理解しました。

この本では、
・まず、シンプルに結論から話すべきだと述べられています。
・そして、結論を支える根拠を示して論理構造を理解してもらう。
・こうすることで、人間の左脳(即ち論理構造)と右脳(即ちイメージ、想像する)に訴えかけることができます。

原監督ってシンプルで、キャッチーな言葉でも発信できるし、
それと両立させるかたちで、1ヶ月単位で目標管理シートで、きっちり管理しているので、発信内容に説得力が伴い、選手もやる気になるんだろうなと思います。
以上が、原監督と伊藤羊一さんの思考の共通点でした。
次のチャプターでは、日常生活や仕事でつかえるTipsについて触れていきます。

今日のTIPS 思考を往復運動させよう!

さて、今回のTipsについてです。

まず、原晋監督と伊藤羊一さんの書籍や記事を読みながら今回はまとめたので、私個人的には学びだらけで、一つのTipsを導き出すのが難しかったです。そんな中で気づいたことですが、思考の往復運動をさせることが今回のTipsなのかなと思います。


この往復運動は大きく2つあります。

・1つ目が具体と抽象の往復運動です
どうあるべきかやどうなりたいかを定義したあと、ではそれをするために具体的に何をするかをまとめる行為。

・2つ目が現在、過去、現在、未来の往復運動です。
過去こんなことが合ったから現在はこうなっている、では将来や未来はどうあるべきか、どうありたいかを整理している。

この2つの思考の往復運動をベースに、熱量を持って相手に呼びかけることで、例えば、プレゼンでは望んだ成果を発揮できるのではないでしょうか?

以上が今回のTipsでした。

このnoteはボイスメディア Voicyの過去の放送の一部抜粋です。
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