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不調から脱却するコツは脱却しようとしないこと!? イップスの向き合い方

本日は「不調から脱却するコツは脱却しようとしないこと!? イップスの向き合い方」についてです。
さて今日は、先週かな?「寝起きに初見で読む野球ニュースさん」の「小林さん」がゾーンに入った時の経験を話されていて、そういえばゾーンとかイップスってどういう構造なんだろうと思っていたのですが、ちょど先月発売のNumber1007号にて「イップス」に関する研究と取材が載っていたので、その内容を元に「イップスとは何なのか?そして、どうしたらイップスから抜け出せるのか?私達が日常で生かせることは何か?」の3つをお話ししていきます。

イップスに聞きなじみのない方にも分かりやすくお話ししているつもりですので、ぜひお聞きください。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

イップスって何?

イップス、聞いたことある方はいますでしょうか?Wikipediaにはこのように書かれています。

>イップスという用語は、1930年前後に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマー(英語版)が、トーナメントからの引退を余儀なくされたことで知られるようになった。アーマーは1967年に出版された自著『ABCゴルフ』の中で、今までスムーズにパッティングをしていたゴルファーがある日突然緊張のあまり、カップのはるか手前のところで止まるようなパットしか打てなかったりカップをはるかにオーバーするようなパットを打ったりするようになる病気にイップスと名付けた。と書いています。

以上です。
ゴルフが発祥のようですね。ただ、まだイップスって何なの?というのがイメージしづらいですね。

Numberでは、北里大学の講師を務める永見先生をイップスを次のように話しています。

「イップスとはどういう症状かあえて言うなら、もともとできていたプレーが、何らかのきっかけで、できなくなること。野球の場合だと、ピッチャーが一塁に投げるときとか、力を加減しなければいけない動作ほど出やすい傾向にあります。ただ、イップスは定義づけが難しいので、「あなたはイップスです」みたいなことは言えません。病気のように「風邪です」とか「ガンです」と確定診断はできない。現段階では、イップスか否かを決められる人は本人以外にいないと思います」

続きます。

「運動障害という疾患と捉えて良いのか、そこもわかりません。普通に考えれば、脳に正常じゃないことが起こっているのは間違いないと思うのですが・・・」

以上です。
イップスは「元々出来ていたプレーが何かのきっかけでできなくなること」。ただ、それは病気と呼べる類のものなのか分かっていない。要は判明していないということでした。

つまり、よくTV番組でアスリートがインタビューで「イップスだった」という発言をしていることを聞きますが、そもそもイップスの定義自体曖昧であり、イップスであるかどうかを決めているのも本人である、ということは理解しておいた方が良さそうです。

なので、すごく雑な言い方をしてしまいますが、存在自体曖昧ということ。
ただし、実際に「あれ?どうしたのこの選手?」ということありますよね。野球だと全然ストライクに入らずにとんでもないところにボールがいって四球連発していたり、テニスでも特定のショットが全然入っていない選手がいたりします。。。ちなみに、私の知人にも、元々、強豪高校のエースでプロからも注目されていた左投げのピッチャーがいるんですけど、大学に行ってからキャッチボールがまともにできなくなった、相手の胸元に投げられなくなった人がいます。これは、先ほどの定義で言うとイップスのような症状ですが、では、なぜ起こるのか?まずは、イップスの原因から紐解いていきます。

イップスを引き起こしやすい”競技"と"動作"

繰り返しになりますが、イップスは科学的に究明されていないので、原因もあくまで仮説レベルになります。ですが、Numberでは何がイップスを引き起こすのか?について、面白い意見が書かれていたので引用してお話しします。いきます。

「スポーツは大まかに2種類に分けることができる。起動のスポーツと、反応のスポーツだ。前者は自ら動き出さなければ始まらない競技で、ボウリングやダーツはその典型例だ。逆に、サッカーやテニスは後者に当たる。テニスはサービスのみ起動が求められるが、ひとたび、打ち合いになれば反応のスポーツと言える。イップスが多いのは圧倒的に前者だ。」

以上です。これ、確かにと思うところもある一方で、私は若干、「本当に?」と思うところもあって、起動のスポーツと反応のスポーツという括りはちょっと括り方が粗すぎるかなぁと感じます。テニスはサービスのみ起動で打ち合いになれば反応だから反応のスポーツと書いていましたが、テニスってデータ上、サービス含め最初の3本のショットで大半のポイントが決まるので、そういう意味では起動のスポーツかなぁと感じます。

なので、あくまで個人的には、という感想になりますがイップスになりやすいかどうかって、起動か反応か?という括り方よりも、「どれだけ正確性が求められる動作なのか?」という「動作の正確性」が大きく影響しているのでは?と感じます。なので、「競技別」というよりも競技の中の「動作別」でみたほうが適切かなと思っています。

話を戻しまして、このNumberの本では、ボウリングのプロ選手プロボーラーで、過去にイップスを経験している小林選手がイップスの原因とその捉え方について興味深い発言をしていますので引用します。いきます。

「得意なプレーほどイップスになると言われました。それまでの自信が崩れるから、よりダメージが大きくなる、と。それと、イップスは治らないとも言われました。イップスとは治すものではなく、新しい体や脳の仕組みを考えるものなんですよね」

以上です。

得意なプレーであればあるほど、期待値が高い分上手くいかなかったときのショックが大きいのは分かりますよね。確かにと思いました。
ここまでの話をまとめますと、「正確性の求められる動作であればあるほど」そして、「得意なプレーであればあるほど」イップスになりやすくなるのでは?という話でした。
では実際にイップスになっちゃったらどうすんの?という解決方法について、面白い内容を話されている方がいましたので、つぎのチャプターで話します。

解決する鍵は"捉え方と行動量"

ここからが一番知りたいところですよね。イップスはアスリートのための言葉のように感じちゃいますが、私達のような一般人でも、今まで上手くいっていた仕事がなぜか上手くいかなくなることが続いたりすることもあります。そういう状態から脱却するヒントが、このチャプターにありますので、是非楽しんで聞いてください。

2つほど、紹介したいお話があります。まずは、昨年引退したヤクルトの大引選手が高校時代に守備の送球でイップスになった際、監督は上手く治したというエピソード。監督が大引選手に課した練習の狙いがヒントになるなと思うのでお話しします。

「イップスとは要は頭のイメージと、実際のズレ。そのギャップを埋めれば、修正できる。ただ、そのずれは人それぞれですから、こうすれば治るとは言えない。イップスの原因は技術科メンタルかと議論されますが、両方です。大引の場合は初期だったので技術的指導で戻りましたが、メンタルをやられていたら、そっちからアプローチしなければいけないこともある」

以上です。イップスを頭のイメージとのズレと捉え、その原因を「技術」と「メンタル」に分けている。メンタルって、ちょっと分かりにくいので以降は「考え方」と呼ばせていただきます。

では、もう1つの話し。これはプロゴルファーの市原選手の話です。市原選手も2018年にイップスになった経験があり、その時にイップスと向き合ったときの話が赤裸々につづられています。先ほどの大引選手の監督とも共通する点がありますので、読んでいて非常に納得感がありました。では、いきます。

市原はイップスと向き合った2018年の道のりをこう振返る。

「イップスの原因は、考え方と技術的なこと両方ある。両方の引き出しを2つ、3つではなく、20,30見つけるしかない」例えば、ティーショットでドライバーを持った時にイップスが出そうになったら、スムーズに振れそうなところまでクラブの番手を落とす。市原は実際に、他のプレーヤーがドライバーを使う中、その半分ほどしか飛ばない6番アイアンで打ったことがある。そうした対処に羞恥心を覚えるプロもいるが、市原は頓着しない。
「人目を気にしている場合ではない。とにかく、今、自分ができる最大限のことを探すしかない」

以上です。
さっきと共通しているのは、イップスを「考え方と技術」の2つにわけていること。どうやら、この分け方だとしっくりくるのかもしれないですね。

そして、私がここが今日一番ポイントだなと思うところが、その続きと最後の部分。イップスの原因は、考え方と技術的なこと両方ある。この後です。「両方の引き出しを2つ、3つではなく、20,30見つけるしかない」そして、イップスを抜け出すには「人目を気にしている場合ではない。とにかく、今、自分ができる最大限のことを探すしかない」という市原プロのセリフ。

結局、色々な打ち手を考えて実行しまくるしかないということかなと捉えました。とてもシンプルで、なんだよ・・・と思われる方もいるかもしれませんが、私個人的にはここが一番響きましたし、リスナーのみなさんに一番に伝えたいことが詰まっているなと感じます。

そして、ここからは私の独断と偏見で、イップスから脱却するポイントをお話しします。一言で言うと、「イップスから脱却するには、イップスから脱却しようとしないこと」が鍵だなと感じます。なんかとんちみたいな言葉ですが、なぜそう思ったのか?と理由とそこから日常にどう生かせるか?は次のチャプターでお伝えします。

「ミスしないようにしよう」という否定形の文章はNG。「○○しよう」という肯定形の文章で脳に記憶させよう!

「イップスから脱却するには、イップスから脱却しようとしないこと」これってどういうことかというと、イップスから抜け出すことを目的にしてしまうと、逆に自分がイップスであることを認識してしまい、ドツボに。

例えば、ゴルフ。私最近はあまりやれていないんですけど、「目の前に池があって、その先にグリーンがあるとします。そのようなシチュエーションで、池に落さないようにしよう」とすればするほど、ポチャッと池に落ちるなんてことないですか。

これって、「池に落さないようにしよう」という意識は脳みそで、「1回池に落ちる姿を想像する。そして、そのあとで、落ちない姿を払拭する。という2STEPの思考になるんですよね。なので、1回落ちる姿を想像しちゃうからこそ、それを実現してしまいやすくなると言われています。

では、どういう思考だと良いのかというと、「池に落ちないようにしよう!」ではなく、「あのグリーン右側、ポールの2m手前に落そう!」という形で思考的には「1STEP」でかつ肯定系の文章にすること。

まず、「池に落さないようにしよう」と、「あのグリーン右側、ポールの2m手前に落そう!」では、思考のSTEPが違います。2m手前に落そう?の方が、思考のSTEPが1つシンプルだしイメージしやすい。以前、羽生選手の回でも話しましたが、人は「イメージ出来ていない物はマネージできません」。池に落さないようにするって、、色々なパターンがイメージできちゃって絞り切れない。。。池の手前に打って刻むのもありだし、池の奥の右/左なのかとか、色々なパターンが想像できて絞れない・・・。

そして、今日ぜひ持ち帰って欲しいんポイントはここなのですが、「脳は否定形の文章を記憶できない」ということ。よく言われていることですが、「〇〇しないようにしよう!」だと、さっき言ったように「一旦、〇〇しちゃっている」姿を想像すしてしまい、「しないようにする」をイメージ化できず逆に、池にボールを落ちる姿、これはイメージ出来ちゃうので実現しちゃいます。

なので、実現したいことは、ミス、ないととかの「○○しない」的な文章ではなく、「○○する」という文章を刻むのがポイントです。例えば、普段のお仕事で正確性がもとめられるぎょうむで、ミスしがちで指摘されることが多い場合は、「ミスしないにしよう」という意識でやるのではなく「提出したあと上司に、良いね!完璧!」と言われる姿を想像するといいですよ!ということです。

ちなみに、上司から言われたい言葉として「イイね!完璧!」という言葉はぜひ自分が言われたい言葉に置き換えてもらえたらと思います。

今日の内容、本当はお一人お一人と会話しながら一緒に適切な言葉を見つけたいんですけど、そうも行かないのでぜひセルフワークでやってみてください。

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