【アルル制作所様 対談】ものづくり力+営業力=仕事力。"働ける残り時間"は、次世代のために。
働き方について対談させていただく「VOICHAT TALKING」の第二弾は、株式会社アルル制作所様。
9月25日の正式ローンチ後すぐにVOICHATをインストールしていただき、対談希望のメッセージを送ってくださいました。
本当にありがとうございます!
アルル制作所様は、熊本市のWebマーケティング会社。
なのですが、公式サイトで事業内容を見ると、SEOツールに記事制作のAIツール、レンタルスタジオにバイク屋さんも……!?
今回はアルル制作所様の「働く価値観」について、じっくりお聞きしました。
週末起業家に憧れて
――まずは岩永さんの経歴からお聞きしてもいいですか?アルル制作所の設立は2021年ですが、その前は?
岩永さん「その前に2社設立していますが、すでに事業譲渡しています。大学卒業後、5年ほどはシステムエンジニアとして会社員をしていました」
――もとから独立志向というか、起業家魂みたいなものがあったんですか?
岩永さん「大学生だった頃、“週末起業家”というのが流行ったんですよ。休日を使って副業をするというものですが、興味が湧いたのでムック本を買って実践してみたのが始まりです」
――実行力ありますね。大学生だと初期投資するのは難しそうですが、どんなビジネスを?
岩永さん「リサイクル業の友達がいたので、最初はファミコンソフトのネット通販でした。ほかには、当時は彼女だった妻の手作りのテディベアを売ったり、好きな紅茶の輸入販売をしたりしました」
――縁や特技、興味があるものを上手に生かして挑戦を始められたんですね。就職されてからは、本物の週末起業家に?
岩永さん「2003年頃から、手作りウエディングをコンセプトにしたECサイトを始めました。最初はキッズドレスやペーパーアイテムから始めましたが、手作りウエディングが流行っていたので、妻が作ったリングピローキットやウエルカムボードキットを販売するようになりました」
――手作りウエディングの流行、覚えてます。キットになっていると手作りの実感もありつつ、簡単にセンスのいいものができるし、アレンジの余地もあるのがいいんですよね。
岩永さん「副業でやっていた頃は、帰宅してから梱包して発送のために夜中に郵便局へ行ったりしていました」
――なんとハードな生活!その後は専業になられたんですよね。有名な映画やドラマの撮影協力実績もあって、大成功ですね。
岩永さん「17年くらいやって15人くらいの会社になりましたが、最終的には事業譲渡しました。その後に立ち上げたWebデザイン会社も譲渡したので、アルル制作所が3社目になります」
――今は奥様とお二人で?
岩永さん「会社に所属しているメンバーとしては、そうです。案件ごとに都度、フリーランスの方にお願いしてチームを作っていく形で仕事を進めています」
熊本の地で、リモートワーク
――アルル制作所さんの所在地は熊本ですが、ずっと熊本ですか?
岩永さん「妻は熊本出身、自分は佐賀の伊万里出身ですが、ずっと熊本です。親にすぐに会いに行ける距離ですし、仕事と家族を大事にしたいという気持ちのバランスが取りやすいので、熊本に住んでよかったと思っています」
――市電事業に寄付されたり、就職支援の講師をされたりと、熊本へ貢献しようという気持ちも感じます。
岩永さん「そうですね。熊本に住んでいるので地元への貢献は積極的にやっていきたいと思っています」
――地方出身の場合は地元に住み続けるのは難しいケースが多いですが、働く場所を選べているのは、ご自分で起業されているからこそですね。
岩永さん「以前は起業する者の特権でしたが、今はリモートワーク文化がかなり根付いて、会社員や副業でもリモートワークできますよね。いい時代になったと思います。住む場所を選べると、物価の安い場所を選べるという利点もあります」
――お仕事は、リモートワークでしょうか?
岩永さん「原則リモートワークです。業務委託でフルタイム出社していたこともありますが、社会人慣れしていないこともあって、『やっぱり家で働けるのはいいなあ』と思いましたね(笑)」
――リモートワークのベテランですね。雇う側・雇われる側双方の経験を踏まえて、どんな課題を解決できればより良いリモートワーク環境になると思いますか?
岩永さん「雇う側としては、うちの場合は社員ではなく業務委託している方とのやりとりになるのですが、いつ返事が来るかわからないストレスが課題だと感じます」
――わたしも業務委託のライターさんや動画編集の方とお仕事することがありますが、たしかに返事が早い方は本当に助かります。
岩永さん「そうなんです。レスポンスの早さに囚われず仕事ができる仕組みができるといいですよね。それから、リモートでは相手の不在を忘れがちです。事前にきちんと連絡はもらうのですが、それを忘れてメールやチャットをしてしまって、『あ、そういえばお休みだった!』と」
――在席状況の可視化は、やはり重要ですね。
岩永さん「雇われている側としても、相手の状況が見えないと話しかけづらいですよね。ちょこちょこ聞ける仕組みが必要だと感じます」
――相手の状況が見えてちょこちょこ話せるのは『VOICHAT』の特長ですが、それで試してくださったんですか?
岩永さん「まずは業務委託先のWebディレクターと繋いで、自分の在席状況を知らせるために使っています。VOICHATにいるときは在席だよ、と」
――VOICHATは音声会話ツールではありますが、コンパクトサイズなのでその用途にもいいですね。ついでに、VOICHATの可能性について感じたところがあれば、ぜひお聞きしたいです。
岩永さん「わたしたちの仕事では、チーム全員の顔が見えないことが多いんです。アルル制作所からWebディレクターさんに委託するとして、そのWebディレクターさんがどんなクリエイターさんに委託しているのかわからない。でもVOICHATに集まることで、どんな人が作ってくれているのかこちらから見えるようになるし、クリエイターさんたちからも依頼主の顔が見える。『見える安心感』が生まれるのではないかと感じています」
――見える安心感!すごくいい言葉ですね。まさにVOICHATの目指しているところです。
17年間のウエディングECで学んだ、"仕事力"とビジネスの基本
――岩永さんの経歴のお話に戻りますが、副業から始めて、社員も増やして17年。その経営経験を通して、得たものは何でしょうか?
岩永さん「ウエディングの買い付けでよく中国へ行っていたのですが、ドレス工場だけでなく、雑貨の下請け工場や飲食店でも、子どもも含めてみんなで家族で働いているんです」
――貧しさ故の子どもの労働であれば問題ですが、そういうことではなく?
岩永さん「仕事を覚えるのも学びだ、家族一緒に幸せに過ごしつつ一緒に商売の勉強をするんだ、という感じですね。そういう商売人のものの考え方に、すごく共感したんです」
――勉強か仕事か、仕事の時間か家族の時間かという境目があまりない感じですね。
岩永さん「日本だと『子どもは学業に専念しろ』と言われたり、文系・理系でカテゴリ分けしたりしますよね。右脳・左脳とか、デザイナーだから営業ができないとか、そういう話にもなりがちです。でも、ものづくり力と営業力の両方を備えるのが"仕事力"なのだと、中国で感じました。自分の子どもたちにも、それは伝えていきたいと思っています」
――今になってわかる後悔や反省点はありますか?
岩永さん「トレンドを読み違えたことでしょうか。最終的に2021年に事業譲渡しましたが、結婚式も婚姻率も減っていて、手作りウエディングはトレンドとは言えなくなっていました」
――そうなるとはやはり……。
岩永さん「最盛期に売却していたら、今ごろ大金持ちだったかもしれないです(笑)。ビジネスする上で、トレンドを読むことの重要性を痛感した出来事です」
実は繋がっている――仕事を選ぶ基準
――Webの仕事からレンタルスペースまで、非常に幅広いお仕事をされていますが、どうやって新しい事業を探しているのですか?
岩永さん「日常生活やSNSの中で、常にアンテナを張って『誰がどんな悩みや理想を持っているのか?』をキャッチできるように心がけています。その上で、自分の時間を使ってでもやりたい商売、社会やユーザーの役に立つ商売を選択するようにしています」
――これはいいかも、と目星を付けた後、事業化しても大丈夫かどうかの最終判断はどうされていますか?
岩永さん「トレンドを読んで、1~2年で収益化してM&Aに繋げられる、というスキームが見えるかどうかを基準にしています」
――ウエディング事業の際にもお話が出ましたが、"トレンドを読む"とは具体的にどうすればよいのでしょう?
岩永さん「既存事業へのM&Aの誘いや他社からの営業、Twitterなどを見ていると、『これは最近よく耳にするな』というものがあります。転職エージェントの市場の伸びも参考になりますね。そのうえで、『どういうビジネススキームかな?』と考えて応用していきます」
――本当にずっとアンテナを張っていらっしゃるんですね。
岩永さん「採用支援の事業やスポットでの職業訓練校の講師の仕事については、そのスキームはまだ確立できていないんですけどね」
――ではなぜその分野に?
岩永さん「いま40代後半ですが、仕事ができる残り時間を考えたときに、教える・人材を育てるということに力を入れたいという気持ちがより強くなってきたんです」
――わたしも同年代ですが、全力で働けるのはあとどれくらいかな、という考えが浮かぶようになってきました。次の世代への価値をどう残すかまでは、考えていませんでしたけど……。
岩永さん「Webマーケティングの基礎や企業のサポート、サービスを0-1で立ち上げること。自分が培ってきたものを、伝えていきたいですね。いろいろ手を出しているように見えますが、繋がってはいるんです。実際にしているのは、世間話程度ですが(笑)」
――ノウハウとして聞くだけで身に着くものではないからこそ、実績のある岩永さんと交わす世間話から得られるものは大きいと思いますよ!
"ものづくり"が家族のテーマ
――すべてどこかで繋がっているとのことですが、なんとなくレンタルスペースだけは他の事業と毛色が違うような。ハンドメイドのスキルを活かすためですか?
岩永さん「若い人たちがこういう場所を欲しているだろうというビジネス上の判断はもちろんありましたが、これは、家族で一緒にものを作る・家族で一緒に商売をするという経験をしたくて挑戦したことです」
――なるほど、そこの話につながるんですね。
岩永さん「家族一緒に壁を漆喰で塗ったり、フォトブース用のアイテムを手作りしたりして作った場所なんです」
――差し支えなければですが、お子さんがおいくつの時ですか?
岩永さん「レンタルスペースを作ったのは2年ほど前です。今、長男が高校3年生で長女が高校1年生なので、当時は高1と中2かな」
――幼稚園くらいのお子さんと一緒に手作りしたのかと思いきや、大きい!その年だと、本当にビジネスの勉強になりますね。
岩永さん「息子はアメリカから何か輸入してメルカリで売るという商売も試してたかな。けっこう稼いだみたいです。趣味はロードバイクいじりとバンド活動。娘は絵を描くことと自由研究が好きですね。発表するのが得意らしくて賞をもらってきたりしています」
――バイクは岩永さんの趣味でもありますよね。ビジネスをしたり、発信する力を付けたり、趣味に打ち込んだりと、岩永家は楽しそうですね!
岩永さん「子どもも含め、家族で仕事の話をしたり、日々いろいろ考える時間が好きですね。仕事で得た知識が趣味になったり、仕事を子育てに生かしたり、公私の区別があまりない生活ですが、それが自分には合っている気がしています」
2026年からは放浪予定!これからの人生計画
――これからやってみたいことはありますか?
岩永さん「地域貢献の面で今興味があるのは、熊本を訪れる海外観光者向けの英語ガイドボランティアです。熊本の素晴らしさを海外の人に伝えられるだけでなく、熊本の歴史をたくさん覚えられますし、色んな国の人と交流できますからね。英語で観光地を案内できる人が不足しているらしいので、やりたいなと思っています」
――X(旧Twitter)のプロフィールに、2026年からアジア放浪と書かれていますよね。ガイドのボランティア経験も役立ちそう!
岩永さん「アジア諸国の歴史や文化を知ることが好きなので、今の自由な仕事スタイルをさらに確立して、50歳を機に日本とアジアを行き来する生活にしようと思っているんです」
――身体がまだ充分に動く年齢でその生活にシフトできたら、理想的ですね。
「そのためにはもう少し貯金しないといけないんですが、浪費癖があるので難しいです(笑)。でも、やりたいことは人に言いふらすと実現すると思っていて、それでプロフィールに書いています」
――岩永さんなら、放浪しながらアジアでビジネスしそうなので、きっと大丈夫ですよ。健康第一で、ぜひ実現させてくださいね!
今回は対談相手に立候補していただき、本当にありがとうございました。
株式会社 アルル制作所
公式サイト:https://aruru.co.jp/
X(旧Twitter):@domain_orank
【取材後記】
0-1で創り出せる力を持ち、個人事業主よりは規模が大きいビジネスをしながらも、家族を大事にしながら好きな場所で働ける。仕事と趣味が交差し、家族とも気軽に仕事の話ができる。今の時代、岩永さんの生き方に憧れる人が多いのではないかと思いました。
VOICHATがローンチ早々、そんな岩永さんのアンテナに引っかかったことは大きな自信になりました。岩永さんが旅立たれる頃には、VOICHATも世界進出できているようにがんばります!
【Not Sponsored 記事】