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【広島】第22回 日本音楽療法学会学術大会-⑵大会1日目

学術大会は、
その土地めぐりもセットで
私の中での学習となり
その土地の思い出となります。

全国各地で行われる大会ですが、
その土地によって違った文化的背景が
音楽療法の根付き方、
活用のされ方にもつながります。

前回の⑴記事から、
大体時系列に沿って書き残しています。

前泊をして牡蠣食べて、
路線バス乗って原爆ドームから
平和記念公園を通り抜け
一番奥にある国際会議場へ
ようやく辿り着きます。

中央建物が平和記念資料館(本館)
左手が平和記念資料館(東館)
右手が会場となる広島国際会議場

会場に着いて-午前-

会場に着くまでわくわくしました。

久しぶりの知らない土地、
久しぶりの学術大会、
そして、今のご時世で
どのくらい現地参加されるのか。

国際会議場入口
学術大会立て看板

過去の大会に比較したら、
現地参加は少ないのだろうと思いましたが
やはり会場近くに行っても
それらしい団体は見かけず。
入口付近も静かでした。

あー!久しぶり!なんて、
声がたくさん聴かれる大会会場を
懐かしく思い出します。

会場内も運営スタッフをされている方々と、
発表される方々が中心の印象で
とても少ない人数でしたが
それでもたくさんのお顔が拝見できて
嬉しい気持ちになりました。

開会前のフェニックスホール内

ハイブリット開催のため
このすぐ後ろにカメラ機材が設置され、
大会参加者のほとんどは
後方座席に着席されていました。

土日で開催される学術大会とセットで
前日金曜日に講習会が開催されています。

私も以前はこの講習会から参加して、
3、4日全日程参加することが多かったのですが
今回は日程調整が難しく土日のみの参加となりました。

しかしながらハイブリッドのため、
講習会はオンデマンドで参加しました。
配信は後日となりますが、
旅の疲れも癒えた時期に拝見することができ、
ありがたい形となりました。

開会式を経てこちらの2講演を拝聴しました。


【特別講演】
地域包括ケアシステムの進化・広がり・深まり―共生社会に向けて 
田中滋 氏(埼玉県立大学理事長・慶應義塾大学名誉教授)

【基調講演】
Co-Creation of Care and Citizenship in Community Music Therapy 
コミュニティ音楽療法におけるケアとシティズンシップの共創 
Brynjulf Stige 氏(University of Bergen(ベルゲン大学))


学ぶということは、
新しい知識・情報を吸収することにより
自分の世界を広げてくれるものだと
改めて感じました。

そして、海外の音楽療法は
改めて音楽的な幅が広いことも実感しました。

講演ではたくさんの感動がありましたが、
自分の中に大切にとどめ
これからの活動に役立てたいと思います。

その後、お昼休憩となるのですが。
私は決めていたことがありました。

お昼ご飯のご当地グルメを諦め、
この時間で平和記念資料館を見たい。
1時間しかないけれど、
買っておいたサンドイッチを詰め込みダッシュです。

反対側から見た平和記念資料館と祈りの泉
嵐の中の母子像

広島平和記念資料館

お昼時の平和記念公園は、
朝とは様子が違って
たくさんの人で賑わっていました。

お昼休憩をする人、
観光客やお散歩中の人、
週末を親子で過ごす家族。

朝の印象とは違って、
土地に根付いた大きな公園
といった印象でした。

平和記念資料館入口

ありがたいことに、
学術大会参加者は入場料がかからないとのことでした。
翌日は雨の予報でしたので、
もし全て見られなかったら
翌日に続きを見ようと思っていました。

平和記念資料館には、
まだコロナ感染者数も多い時期で
お昼時にもかかわらず、
たくさんの人が来館していました。

資料館内にて

資料館の展示は
とても素晴らしいデザインと構成でした。

今この現在の時間から、
少しづつタイムマシンで時代を遡るように、
空間デザインが設計されており
自分で意識せずとも
どんどんその世界に連れていかれるようでした。

入口の注意喚起では、
資料は悲惨な状況が伝わるよう
そのままを展示しているため
小さなお子様には配慮するように
とのことでした。

館内を見渡すと、
小学生はもちろんのこと
未就学児のお子さんも少なくありません。

これは何?など質問されている姿もあり、
ご両親はなんと答えられるのかと
隣で聞いていましたら、
これは爆弾がね、
と事実を述べられていたのですが。

2歳くらいですと、
ほとんどのお子さんは
展示されているものが何なのか
理解することはまだ難しいように思います。

写真は白黒ですから、
まだその中で生々しさを
認知するのは難しいように思います。

この辺りはまた、
別の記事にて私の感じたことを
お伝えできたらと思います。

そんな様子も見守りながら、
入ってすぐから
母子の悲しみを訴える資料が続々と続き、
私はボロボロ流れる涙を拭いながら
噛み締めるように足を進めました。

みなさん冷静にご覧になっているのですが、
もう私はすぐ泣いてしまいます…。

特に母子の悲しみは、
お母さんがどんなやりきれない気持ちで、
子どもがどんな思いでお母さんを求めて、
それを考えるだけで胸が引き裂かれる思いでした。

これは入り口だけかなと思いきや、
進んでも進んでも涙は増える一方でした。

広島に来られたこと、
また無理矢理でも資料館を拝見できたことが
とても大切な経験になりました。

途中から時計と睨めっこして駆け足となり、
結局最後までは見られませんでした。

当てにしていた翌日も台風の影響で見られず、
最後まで見たかった気持ちはありますが、
またの機会にとっておこうと思います。

中でも、命は取り留めたものの、
入院することも叶わず、
どうにか働いてはすぐに体調を崩すお父さんと、
それを支える家族の苦悩を記録した
家族の歴史が強く心に残っています。

直接の原爆被害は免れた家族も、
お父さんの存在により
健やかとは言えぬ状態で
どうにか生活を支えたり、心を患ったり。

簡単に言葉に表すには難しい、
胸の痛みがありました。

大会企画シンポジウム-午後-

私は慌てて資料館を抜け出し、
午後の会場へと急ぎます。


【大会企画シンポジウム】
コミュニティでの音楽療法を考える 
・音楽療法で作りうる「場」とは~被災地支援を経て今捉え直す~ 
・変化し続ける/しない「コミュニティ」~熊本での音楽療法実践を通して考える~
・ 社会福祉協議会における音楽療法の実際~地域の「声」を届ける橋渡し役として~


たくさん泣いてふやけた私の心に、
被災地支援のお話が染み入るようでした。

東北、熊本の被災地支援のお話しを聞きながら、
人を大切にすることについて考えました。

相手がどんな状況でどんなことを思い、
どんなことが好きでどんなことに傷つく人なのか。
そのことを、たとえ失敗することがあったとしても
繰り返し繰り返し考え続けること。

そしてそれを実践していくこと。
今回の大会で何度も引用された一文です。

ケアはケアを必要としている人に
何かをしてあげるということから自由になること』

つまりケアとは行為でなく、
存在のみによっても十分に
もたらされる場合があるということ。

共に存在し、共有すること。
そして、やりすぎないことの重要性は
教えることにも通じます。

さて、この後もまだまだ
発表を拝聴する予定でいたのですが、
飛行機での長距離移動に加え
大会中も長時間座っていたため
私の腰がそろそろ限界に。

ここ数年は
腰椎椎間板ヘルニアの治療で大苦戦しており、
ここまで活動できるようになっただけでも
かなり嬉しいことではあります。

できる範囲でも嬉しいことだなと思い、
残りはオンデマンドに切り替えることとし
物販に寄ることとしました。

楽器・書籍販売

この全国大会でも物販はとても面白くて、
音楽療法に関連する医療、看護、福祉、
音楽などの専門書籍に加え、
楽譜や楽器、おもちゃやグッズまで
内容がとても濃いのです。

書店や楽器店で同じ内容を探しても、
なかなか満足に揃えることはできません。

今回購入した書籍とおもちゃの一つです。

購入した書籍
おもちゃ

このおもちゃ虫なんですが。
カタカタと絶妙な音と感触がします。
そして、一つ一つを外すことができて
繋げて遊ぶこともできます。
色も魅力的ですね。
視覚刺激強めです。

子どもってどうして虫好きなんでしょうか。
大人気でした、これ。

原爆ドームと私

今回はここまで。
まだ続きます。


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