voice_of_i

「見えなくても使えるiPhone」と題したブログを書いていますが、ここではそちらの更新…

voice_of_i

「見えなくても使えるiPhone」と題したブログを書いていますが、ここではそちらの更新情報や関連する話題を掲載していこうと予定しています。視覚障害、全盲であるわたしの視点が、多くの人の視野の中に入れてもらえるとうれしいです。

マガジン

最近の記事

iOS VoiceOverのジェスチャ一覧表を更新しました

日本ライトハウスの情報機器関連資料のページでデータを公開していただいておりますがiPhoneジェスチャー一覧(エクセル版) 2024年9月更新 がダウンロードできるようになりました。 追加されたジェスチャは、点字画面入力です。 これまでローター操作で呼び出していた機能でしたが、すぐにジェスチャで呼び出せるようになったことでかなり便利さを実感している人たちは多いことでしょう。 一方でiPadOSから削除されたジェスチャは点字画面入力です。 iPadOS 17までは5本指のダ

    • iOS 18では日本語ローマ字キーボードでも利用できるようになりました! 「なぞり入力 Slide to Type」 with iOS VoiceOver

       これまでは英語キーボードで利用できていた文字の入力方法です。 iOS 13で加わった機能ですが、日本語ローマ字キーボードでは採用されないのかと思っていました。  単語を入力するとき、文字をタップするのではなく、画面に着けたままの指を目的の文字の箇所にスライドさせていくと、iOSが単語を推測入力してくれるという機能です。ゲームのような感覚、一筆書きのような体験を味合わせてくれる入力方法です。  なぞり入力を利用するためには、設定アプリを開いて、「一般」、「キーボード」と進

      • iOS 18の目玉はAIでしょ? いやいや、ちゃうちゃう、点字で書!!

        iOSをVoiceOver環境で利用していると通常のキーボードによる文字入力だけでなく、別の方法が利用できます。 それが六つの点の組み合わせ、点字画面入力です。 ルイ・ブライユによって考案された、そう、あの点字です。 六つのキーがあれば英語だけでなく日本語の点字も入力できてしまいます。 実際にはエンターキーやスペースキーも必要になりますけど、100個もキートップを必要とはしないので無駄を省いた効率のよい文字入力方式だと言えるのではないでしょうか。 iOS 8から実装された

        • お帰りAppleVis.com - Be My Eyesの支援で再稼働

          Apple製品の視覚障害者向けアクセシビリティに関する情報を発信しているアメリカのウェブサイトであるapplevis.comは、世界中の視覚障害者が頼りにしている情報源です。 しかし、2024年7月にウェブサイトの閉鎖が発表されました。 これまでにはフォーラムでのやり取りやPodcastのエピソードなど多くの情報が蓄積されてきたわけですが、まさに情報の宝庫です。 8月末でそれらの情報は消えてしまう運命でしたが、そこに救いの手を差し伸べたのがBe My Eyesアプリのチーム

        iOS VoiceOverのジェスチャ一覧表を更新しました

        • iOS 18では日本語ローマ字キーボードでも利用できるようになりました! 「なぞり入力 Slide to Type」 with iOS VoiceOver

        • iOS 18の目玉はAIでしょ? いやいや、ちゃうちゃう、点字で書!!

        • お帰りAppleVis.com - Be My Eyesの支援で再稼働

        マガジン

        • note
          1本

        記事

          Okoアプリ関連の記事が朝日新聞に掲載されました

          歩行者信号の色を識別するiOS向けアプリのOkoに関する記事が朝日新聞に掲載されました。 Apple Design Award 2024のInclusivity部門を受賞したアプリです。 全盲の人だけでなく、日中は色の見分けがしにくい弱視の人たちにとっても活用されているアプリです。 最近は徒歩ナビや生成AIへの質問機能なども搭載されてアップグレードし続けています。 明日火曜日の午前中までは無料会員でも記事全文を閲覧できます。 取材に協力させていただきました。 スマホが教

          Okoアプリ関連の記事が朝日新聞に掲載されました

          時代の移り変わり - 情報共有サイトのAppleVisが閉鎖へ

          Apple製品や関連デバイス、ソフトウェアやアプリのアクセシビリティについて、視覚障害者の間で情報共有されてきたアメリカのウェブサイト applevis.com ですが、閉鎖されることがアナウンスされました。 世界中の視覚障害者が拠り所としていた情報源がなくなってしまうのはたいへん残念なことです。 2010年にオープンしたAppleVisでは掲示板やPodcastで多くの情報がやり取りされてきました。 ・iOSとMacOSの最新情報・不具合報告 ・VoiceOverを中心

          時代の移り変わり - 情報共有サイトのAppleVisが閉鎖へ

          AI検索エンジンのPerplexity - Proサービスがソフトバンクグループの回線契約者に1年間無料のキャンペーン

          ここ数年はウェブ検索が面倒だなぁ、なかなか知りたい情報にたどり着かないなぁと感じております。 結果であるウェブページを表示しても広告が記事の途中に割り込んでくるので、スクリーンリーダーで読み上げさせているとそれらはたいへん邪魔な存在な情報になってしまうのです。 昨年ごろからはPerplexityやbingのサービスを利用して検索する機会が増えてきました。 有料プランを契約すればもっと便利に活用できるのかもしれませんが、そこまでの使い他をしていないので縁のない存在でした。

          AI検索エンジンのPerplexity - Proサービスがソフトバンクグループの回線契約者に1年間無料のキャンペーン

          「Aira Explorer」アプリにも画像を説明してくれるAI機能が搭載されました

          アメリカのAiraはBe My Eyesアプリの有料版的なサービスと言えばわかりやすいかもしれません。 基本的には有料のサービスで、ビデオ通話の相手であるオペレーターがVisual Interpreterとしてスマートフォンのカメラの映像を説明してくれます。 オペレーターは英語です。 Aira Explorer on the App Store https://apps.apple.com/jp/app/aira-explorer/id1590186766 Aira Ex

          「Aira Explorer」アプリにも画像を説明してくれるAI機能が搭載されました

          エンビジョングラス関連の話 - 新しい日本の銀行券を識別できるようになりました

          昨日の投稿では、Cash Readerアプリで新しい日本の銀行券を識別できるようになったことを紹介しました。 エンビジョングラスでも識別できるようになりました。 Cash Readerアプリのデータが反映されたようです。 エンビジョングラス本体ソフトウェアのアップデートではなく、日本円のデータだけを改めてダウンロードすれば識別できるようになります。 正式な方法かどうかはわかりませんが、私が確認した手順は、 日本円を識別できる状態になっていれば、とりあえず他の通貨を選びます

          エンビジョングラス関連の話 - 新しい日本の銀行券を識別できるようになりました

          Cash Readerアプリ関連の話 - 新しいデザインの日本銀行券に対応しました

          AndroidとiOS向けにリリースされている紙幣識別アプリ「Cash Reader」ですが、2024年7月3日に発行された日本の銀行券に対応しました。 無料プランであればその通貨のもっとも低い額の紙幣を識別してくれます。 その他の紙幣も識別させたい場合は有料ブランに申し込む必要があります。 エンビジョングラスの紙幣識別機能はCash Readerのデータを利用していますが、現時点ではまだ対応できていないようです。 さて、Cash Readerアプリでは本物の紙幣をスキ

          Cash Readerアプリ関連の話 - 新しいデザインの日本銀行券に対応しました

          新しい日本のお札の話、紙幣識別アプリCash Readerでの対応はもうしばらく待つことに

          2024年7月3日に新しいデザインの日本銀行券が発行されました。 デザインが見えない私にとって気になるのはその手触り。 現物を手にしてみました。 識別マークやホログラム、じっくりゆっくり触ってみれば確認できる。 しかし、それぞれの横幅の違いで区別した方が見分けやすい。 識別マークのことを「すき入れ」というんですね、次のサイトで初めて知りました。 個人的には二世代前のお札の方が見分けやすかった。 識別性向上に向けた取組 独立行政法人 国立印刷局 https://www.n

          新しい日本のお札の話、紙幣識別アプリCash Readerでの対応はもうしばらく待つことに

          Dolby音質をなんとなく楽しめるiOS向け録音アプリ「Dolby On」

          VoiceOverで完全操作できるというのがうれしいアプリです。 モノラル録音しかできないというのが残念ではありますが、カスタマイズした音質でファイルを共有できるというのはおもしろいです。 録音したものだけでなくインポートした音声データについても音質をカスタマイズできます。 Dolby音質で録音できる「Dolby On」 with iOS VoiceOver : Voice_of_i #見えなくても使えるiPhone https://voicei.seesaa.net/a

          Dolby音質をなんとなく楽しめるiOS向け録音アプリ「Dolby On」

          モバイルOS向けKindleアプリに追加された本を読み上げる機能「アシストリーダー」

          iPhone 15 Pro, iOS 17.5のVoiceOver環境で読み上げ操作を確認しています。 Pixel 7, Android 14のTalkBack環境で読み上げ操作を確認しています。 KindleブックはiOSのVoiceOver環境、AndroidのTalkBack環境で読み上げさせることができます。 Windowsアプリではスクリーンリーダーに依存せずに読み上げさせることもできます。 ただし、読み上げ可能なKindleブックは、 「Text-to-Spe

          モバイルOS向けKindleアプリに追加された本を読み上げる機能「アシストリーダー」

          OKOアプリ関連の話 - 2024 Apple Design Awardsを受賞しました with iOS VoiceOver

          Appleが優れたアプリを表彰するApple Design Awardsですが、「Inclusivity」部門でOKOアプリが受賞しました。 おめでとうございます! 私にとっても使う機会の多いアプリだけにとてもうれしいニュースです。 これはベルギーで開発されている歩行者向け信号の色を識別してくれるアプリ。 視覚障害者が安心して道路を横断することに寄与しています。 メロディーや鳥の鳴き声が流れる音声信号機はすべての交差点に設置されているわけではありません。 また、日本の音声

          OKOアプリ関連の話 - 2024 Apple Design Awardsを受賞しました with iOS VoiceOver

          鳴き声や写真から鳥を識別してくれるiOS, Androidアプリ「Merlin Bird ID by Cornell Lab」

          鳥を識別してくれるアプリですが、写真だけでなく、鳴き声を録音することでも認識してくれます。 既存の録音ファイルもインポートできます。 メニューは日本語、結果も日本語で表示されます。 iOSとAndroid向けがリリースされています。 鳥を鳴き声や写真から識別してくれるアプリ「Merlin Bird ID by Cornell Lab」 with iOS VoiceOver : Voice_of_i #見えなくても使えるiPhone https://voicei.seesa

          鳴き声や写真から鳥を識別してくれるiOS, Androidアプリ「Merlin Bird ID by Cornell Lab」

          2024年によみがえる伝説の携帯端末「Braille 'n Speak」

          CSUN 2024でBlazie Technologiesがブース出展していたそうですが、本当に新製品を販売するんですね! Braille 'n Speakが登場したのは1987年。 音声読み上げ機能付きのノートテイカーで、文字入力は6点キーで行います。 その後にBraille Liteという点字ディスプレイ付きの製品が登場しました。 Braille 'n Speak 640 - APH Museum https://aphmuseum.org/exhibits/onli

          2024年によみがえる伝説の携帯端末「Braille 'n Speak」