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タケノコの炙りと、小澤征爾さんの音楽

大好きな指揮者の一人に小澤征爾さんがいます。
日本人で初めて、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務め、それ以外にも世界的な経歴をお持ちの指揮者です。

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出典:UNIVERSAL MUSIC JAPAN

どこが好きかというと、自由なところ!
ブレない自分があり、既成概念や限界がなく、ダイナミックで、岡本太郎のアートを見るような感覚があります。
ご本人とお会いしたことはないので、あくまで主観にすぎませんが、その音楽を聴くととても元気がでます。

私事ですが子供の頃からクラシック音楽を聴き(自慢そうに聞こえたらごめんなさい)、カラヤン、バーンスタインからはじまって、ムーティ、ゲルギエフ、ラトルなどなど当代一の指揮者を一周して小澤さんに戻ってきました。

1935年に満州で生まれた小澤さん(と書くと慣れ慣れしいのでしょうか。ご容赦ください)。音楽の才能を感じた家族の計らいでピアノを習うことになり、音楽の道へ。

私が好きなエピソードというと語弊があるかもしれませんが、魅力を感じるのはN響事件と言われるできごとです。
1961年にN響の指揮者に招かれましたが、感情的な軋轢で団員にボイコットされ、一人で指揮台に立ちました。
そこへ至るまで火だねはいくつかあったと言われますが、ほんとうは何があったかという事実には興味はなくて、これは誰もに起きえる人間くさいトラブルに思えますし、何よりこの一件が小澤さんが渡米し、世界で活躍するきっかけとなったのです。どんな不幸も幸いの種を持っている、そんなことを教えてくれます。

話は戻りますが、小澤さんの指揮で特に好きなのはラフマニノフのピアノ協奏曲。
ポーランドのピアニスト、ツィマーマンを迎え、ボストン交響楽団とともに演奏されたものです。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第1番、第2番 APPLE MUSIC

ラフマニノフは旧ソ連出身のピアニスト・作曲家でメランコリックで切なくてメロディが特徴ですが、それを小澤さんが指揮、ツィマーマンがピアノを弾くと、テニスのラリーを見ているよう!
世界有数のプレイヤー同士、火花が散って一瞬も気を抜くことができません。まさに小澤さんという日本男児の闘いです。こうなってくるとオーケストラの音も試合への声援に聞こえてくるから不思議。
未曽有のかっこいい演奏です。

そう、やっぱり日本の精神性を感じるんです。世界中の美味しいものを食べて、どれもすばらしく心に残っているかたわらで、やはりお蕎麦がいちばん美味しいなあと感じることはありませんか。

私にとって小澤さんの音楽は、基本の心の持ちように戻る場所であり、日本人としてどうあるべきかということを学べる場所といえるかもしれません。そんな思いとリスペクトをこめて、静岡産のタケノコの炙りをつくりました。

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春の野菜には唯一無二の風味と美味しさがあります。
今回、ダ・ヴィンチ(我が家のヘルシオの愛称)で焼き目をつけたタケノコは、ほくほくして香ばしく絶品。
フキが手に入ったので、油揚げの煮物もつくりました。

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味わうたびに、とても幸せ。小澤さんの音楽に似ています。

【レシピ】

タケノコの炙り
①タケノコは、先端を切り落とし、皮に切れ目を入れる
②米ぬかを入れて、つまようじが通るまで煮ます
③皮をむいて、食べやすい大きさにカット
④ヘルシオで焼き目をつける
⑤しょうゆでいただきます

ふきと油揚げの煮物
①好みの出汁を用意。今回は昆布と煮干しを利用(麺つゆをうすめてもOK)
②ふきは、板ずりし、フライパンなど大きな鍋でゆでる
※細かく切ると皮をむくのが大変なため、最大級に長くカット
③ゆだったら(クタクタになるまで煮ないこと)皮をむき、適当な大きさにカット
④出汁、塩、薄口醤油、みりん、酒とふきをホットクックに入れて、かぼちゃの煮物モードにセット
⑤七味をふる


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