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輪には内側と外側があって、この人たちは内側の人間、そして私は外側の人間。

大好きな作品、「思い出のマーニー」の冒頭に出てくる杏奈(主人公)のセリフです。思い出のマーニー。高校生の頃映画館に見に行って、翌週もう1回見に行った“同じ映画を初めて2回に見に行った思い出のある”映画。


平日は週2でアルバイト、週2で声優養成所に通っていた高校生時代。学校の授業はほとんど寝てました。だって、平日5日のうち、4日は予定が決まってるんですよ。そりゃー眠くもなります。

高校の同級生はゲーセンに行ったりしてワイワイ遊んでいたり、養成所の同期で仕事をしている人が居たりと、みんな楽しそうに見えました。

高校でも養成所でもどこに居ても平凡な僕。アルバイトの仕事覚えも悪く、名指しでクレームの電話をもらったこともありましたね。いやはや、苦い思い出です。

アルバイトも養成所もやり始めた頃は新鮮さが勝ちワクワクしていましたが、数ヶ月して慣れてくると「このまんまでいいのかな‥」と突然の虚無感に襲われることも何度もありました。

ただ体を動かしているだけで、何にもなっていないような感覚。だからこそ、タイトルのセリフが刺さったんです。


「なんか、僕だけ違う気がするなぁ‥」


今考えれば、周りと違うことになんの問題があるのか?という感じですが、当時は結構悩んでいたんです。養成所に通っている人なんて周りにいませんでしたから、違って当たり前なんですけどね。

周りの同じことができない僕はダメなんだと思い込んでいました。覚えるのが苦手で、就職はしたくないと思っていて、何度チェックしても忘れ物が多くて同じようなことができない。

みんなと同じように生活しているはずなのに。同じもの食べてるよね?お風呂にも入るし、歯も磨くし何でこんなにも差が開いてしまうんだろう?不思議でしょうがなかったんです。

でも、たくさんのお仕事をやらせて頂いて、今感じているのは「出す場所を間違え続けていただけなんだなぁ」ってこと。

○円の何割引と言われてもすぐにわからない、何かあるかもしれないとビビって予定の何時間前に待ち合わせ場所に行っちゃったり、何人かの集まりの時には「面白くしようと」と思いネタやツッコミワードを仕込んで行ったり、これらが役に立つところへ行けばよかっただけなんです。

それを早く見つけることが「努力」なのかなって。内側でも外側でも、どっちでもいいんです。どちらだったとしても、自分のやりたいことで生きていくのには変わらないので。


みんなちがってみんないい
聲優・ナレーター有野優樹(ありのひろき)

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