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高齢化社会とプロダクトデザイン(帰省して気が付いたこと)

海外のお菓子の箱を開けるのに苦労した経験はないだろうか。一応、ここから開けてねというガイドがあるものもあるが、きれいに開けられないことが多い。

一方、日本の場合はどうだろうか。お菓子の箱は上からでも、側面からでも、きれいに開けられるものが多い。その形状に応じてさまざまだが、とても工夫が施されていている。

一度に食べきれないお菓子をうまく保存できるように、ジッパーのついた袋が中に入っていたり、一度開けた箱のふたが本体の切れ込みにうまくはまるように設計されているものもある。

けれども、高齢者にとっては、せっかくの設計の意図が伝わっていないこともある。今回、帰省をして気が付いた。

宅配で頼んだお寿司についていた小袋のお醤油は、納豆のたれのように一辺のどこからでも開けられるタイプではなく、どこかに小さな切れ込みが入っていて、そこから開けるタイプだった。

目視では、切れ込みが見つけられない。小刻みに震えている指先で触って探すのも大変そうだった。部屋のあちこちにハサミがあるのは、このためかと納得がいった。

高齢の父母は、握力が弱く指先の力も弱い。目も悪いため説明書きはあまり読まない。故にせっかくの開けやすいパッケージもハサミによってかなりテキトーな開け方をされていることが多い。

シャンプーとリンスのボトルも肩についているギザギザでは、わかりづらいからと言って幅広の黒いテープがシャンプーのほうにぐるりと貼られていた。

そんな中、母が美容室でたまっていたポイントで化粧水をもらってきたと言って見せてくれたのがこれだ。

つけ忘れることも多いらしいが・・・。

ボトルに貼ってあるシールは、美容師さんが母のために貼ってくれたものだ。朝と晩に500円玉くらいの量をつける【化粧水】というのが実に簡潔にシールと文字で表現されていて、私は感動してしまった。

使い手のことを考えてこのようにしてくださった美容師さんに感謝したい。

パッケージデザインやプロダクトデザインは、製品の特徴や魅力を伝え、使いやすさなども考慮しながら開発していくのだと思う。美的ではないかもしれないが、私の父母のように90歳と85歳がなんとか二人で力を合わせて生活している高齢者にとってわかりやすく、使い勝手のよい製品が増えたらうれしい。

必要なら、商品テストのモニターとして父母を使ってもらってもいいと思う(笑)
ちょっと耳が遠くて会話が大変かもしれないが、使用者目線の意見が言えるのではないかと思う。連絡はコメント欄にお待ち申し上げております!




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