Hisanori Iijima / 飯島尚憲@英語教育の探究

英語を研究したり、指導したり。北海道の札幌がとても好きな文系大学院生です。慶応義塾大学…

Hisanori Iijima / 飯島尚憲@英語教育の探究

英語を研究したり、指導したり。北海道の札幌がとても好きな文系大学院生です。慶応義塾大学大学院の博士課程にいます。主に認知言語学を研究。研究や授業をすることは楽しいと伝えたり、研究の構想メモに使います。研究業績:https://researchmap.jp/hisanori

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「飯島尚憲の見ている研究の世界」では、私が取り組んでいる研究やその成果、そして研究の過程で得た洞察や発見を共有します。このメンバーシップを通じて、皆さんに私の研究の一端を垣間見ていただき、共に学び、成長する場を提供したいと考えています。

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    認知言語学を研究する大学院生が、認知言語学の最近の研究をまとめたマガジンです。1ヶ月に20回くらい更新します。言語学に興味がある人なら、誰でも楽しめる内容になっています。認知言語学を楽しく伝えていきます。

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    私、飯島尚憲のライフログです。エッセイといっても良いと思います。日頃考えている「研究」のことをはじめとして、どうでもいいこと、些細なこと、でもなんか読みたくなる自分の記録を公開していきます。

  • Hisanori Iijimaの雑文集

    私、飯島尚憲の雑文集です。雑文なので、研究のざっくばらんとした話とか、授業でふとした瞬間に思ったことを、深く掘り下げていきます。

  • 多義語の研究まとめ

    認知言語学における多義語の研究をしている大学院生が「多義語」について考えたことをまとめた記事になります。

  • 【小説】スパイラル・アウェイ

    私、飯島尚憲の小説「スパイラル・アウェイ」を載せています。

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  • S02 認知言語学から見えてくるもの
  • 英語の多義語の覚え方

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【エッセイ】文系大学院生の些細な1日を記録する(VOL.3)

はじめに:文系大学院生の1日文系大学院生の1日シリーズです。今回は第3弾と言うことで、北海道民から神奈川県民になった文系大学院生がどのように過ごしているのか、書いてみます。第1弾は以下の記事です。 結構反響があって、優雅だ!とか、こんなに作業しているのか!とか、中にはコアタイムがないなんて羨ましい!といういろんな声をいただきました。 というわけで、その続きとして、書いた『第2弾』の記事がこちら。 第2弾は、自分が書いたツイートをコピペして、詳しく説明すると言う形をとりま

    • 多義性について研究すればするほどわからなくなるーその1ー

      はじめに 今回は「多義性」がますますわからなくなるというお話をしていきます。多義性の理論的な問題を扱うような研究をしています。とはいえ、研究するとますますわからなくなってきます。特に、多義性とカテゴリーという問題を考えていると、ますますわからなくなるのです。 ①カテゴリーとは何か? 言語には「カテゴリー」という概念があります。カテゴリーの中心的なメンバーは、そのカテゴリーの典型的な特徴をすべて統一しています。そのカテゴリーの典型的な特徴をすべて統一する中心的なメンバーが

      • 言語がその人の思考を決定させるのか?ー言語決定論を考察するー

        はじめに 言語と思考の関係についての議論は長年続けられてきましたが、その中心にあるのが「サピア・ウォーフ仮説」です。(別名で言語決定論と呼ばれることもあります) この仮説では、異なる言語を話す人々の思考がどの程度普遍的か、あるいは多様であるかを問うもので、言語がどのように思考に影響を与えるかを探る枠組みです。しかし、これまでの議論は明確な結論に至っていません。賛成派の数が反対派の数かで言ったら(少なくともボクの周りでは)反対派が多い気がします。 この記事では、この仮説を

        • 独立研究者になるまでーその1ー

          皆さん、こんにちは。いつも、このブログを読んでいただき、ありがとうございます。今日は私の夢についてお話ししていきます。将来、私は大学や企業に属さない独立研究者として活動したいと考えています。この夢を実現するための道のりについて、皆さんとシェアしたいと思います。 最初に僕の夢を端的にいうと「独立研究者」になりたいということです。研究者という言葉を聞いたことがあっても、独立研究者とはなんのことだろうか?と思っている人も多いはず。そこで、この記事では、独立研究者とは何かということ

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          未来について考える大学院生の小話

          今日は、未来について書いていきます。かなり非現実的な要素も入っているかもしれませんが、僕にとって今のうちに未来について考えておくこと。それ自体はとても大事なことです。それでは、はじめていきましょう。 博士課程の2年生。9月に3年生になります。そろそろ、未来に向かって動いていかないといけないでしょう。どうやって生きていくのか、ということは、少なからず、どういう仕事につくのかということと重ね合わせることができると思います。 ①何をしていきたいのか?僕の考えている未来は、こうで

          未来について考える大学院生の小話

          多義語についてのボツ原稿をアップロードしてみた(序章のみ)

          第1章:序章本節では、まず多義性の概念について論じる。多義性に関する知識が重要である理由を述べた後、本論文の中核をなす概念である「多義語のパラドックス」について説明し、関連する概念についても触れる。最後に、本論文の構成を明らかにする。 ①多義性とは何か 単一の単語形態が複数の異なる意味を持つ現象は、言語において広く知られているものである。 この現象は多義性と呼ばれ、自然言語において広く見られるものである。任意の辞書の多くの項目には、様々な意味(および/または用法)が記載

          多義語についてのボツ原稿をアップロードしてみた(序章のみ)

          何を持って単語とみなすのか:言語形式と単語の数え方の問題

          はじめにこの講義では、形態学の基本概念について紹介します。テーマは「単語とは何か、その構成要素は何か」です。一見、簡単な質問のように思えるかもしれませんが、実はそう簡単ではありません(というか、難しいです)。 ここでは、単語の定義についてさまざまな視点から考察します。 正書法的定義最初の定義は正書法によるもので、スペースや句読点で区切られたものを単語とみなします。 しかし、正書法の定義には問題があります。多くの言語は文字を持たず、正書法の定義を前提にすると、文字を持たな

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          文系博士課程の就職活動ー年齢制限と社会人経験をどう乗り越える?

          こんにちは。今回は、文系の博士課程の学生が就職活動をする際に直面する課題について、私の経験を交えて書いていきます。 私自身は、最初、アカデミアの道を選ばなかった。それは、学部生の頃から博士課程には行きたいと思っていても、将来的に、大学とかそういう研究機関で働こうとか思わなかった。むしろ、専門性を持った英語講師になりたいから、仮に就職するなら「予備校」とか「塾」かなとは思っていた。 ①社会人経験博士課程を修了し、アカデミアの道を選ばない学生にとって、就職活動は大きな壁となる

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          独立研究者になって研究したいこと

          こんにちは。今回は、独立研究者として取り組みたい研究テーマについてお話しします。これまでの経験や学びから、私が独立して研究を進めたい分野や具体的なテーマをいくつか挙げ、その理由や意義について説明したいと思います。 1. 認知言語学のこれから - 学際的とは何か 認知言語学は、言語を通じて人間の認知を探る学問です。私が特に興味を持っているのは、認知言語学が他の学問とどのように連携し、どのように応用されていくのかという点です。学際的な研究は、新しい視点や方法論を提供し、従来の

          独立研究者になって研究したいこと

          認知言語学と言語哲学:何が違っていて何が同じなのか

          はじめにこんにちは。最近、認知言語学と英語教育について語っていることが多かった気がしますが、今回は、趣向を変えてみます。言語哲学と認知言語学について語っていきます。言語学初心者の中には、認知言語学も言語哲学も一緒ではないか!という人もいると思います。実際に僕がそうでした。 では、何が違っていて、何が同じなのか、調べてみました。 では、早速始めていきましょう。 認知言語学と言語哲学認知言語学は、言語と人間の心の関係について深い洞察を提供する、動的かつ学際的な分野です。この分

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          博士論文の進み具合と就職先

          こんにちは。飯島尚憲です。 実は、僕は来年4月から、都内のある予備校で英語講師として勤務することがほぼ決定しています。 1. 予備校就職の条件その際の、予備校への就職の条件として、以下の条件が挙げられています。 さて、ありがたいことに、新しい就職先では、研究活動は止められていません。よって、僕は、博士課程を修了しても、積極的に研究を続けていく方針でいます。 僕は、研究して、指導して、教材作成ができる環境が欲しかったので、予備校講師で、自社開発している会社とご縁がありまし

          プロになるのだったら、仕事の批判は仕事で返す

          こんにちは。表題の通り、プロになるのだったら仕事の批判は仕事で返すということが大事だという言葉を、最近になって回想しています。当時お世話になっていた予備校の先生の言葉です。 何よりも、僕には辞書を作って、英語教育を再発明する辞書を作るというライフワークがあります。授業で得た知見を、アカデミアのコンテクストで論文にして、それを参考書で一般の人に届けること。最終の形として、辞書があればいい、と思います(ちなみに、私の執筆協力した参考書がまもなく出版されます)。 伊藤和夫先生(

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          仕事で追い求めているものがあるのはとても素敵なことだと思う

          僕は、うまくいけば、来年4月から都内の予備校で英語講師として働くことになっている。そのための条件が提示されている。そのための努力は惜しんでいない。さて、今日は、仕事で追い求めているもの、というテーマだ。 辞書を作るためには、そのためのフレームワークを構築していないといけない。電子辞書にするのか、紙の辞書にするのか。訳語はどのようにエントリーさせるのか、多義的な語彙をどう記述するのか。などなど、考え出したら考えるべきことはたくさんある。 さて、そんななか、以下のメッセージを

          仕事で追い求めているものがあるのはとても素敵なことだと思う

          季節性の孤独感

          ボクは年に2回くらい、強い孤独感に襲われる。 先日から3日間くらい、強い孤独感に襲われた。 3日目の中で、最初の1日は『誰にもわかってもらえない』という状況があって、2日目に、季節性のものかな?と思った。3日目に、自分を褒めることにした。そして解放された。ボクにはまだまだやるべきことがある。 さて、この孤独感、本当に孤独なのだろうか。確かに、見方によっては孤独だと言える。話す相手も日中は仕事仲間のみ。休日は一人で黙々と作業をして、かつ、独身だ。 なぜ、強い孤独感に襲われ

          英語教育に認知言語学の知見を活かすことは、どうして大事なのか?ー文法と語彙から考えるー

          1. はじめに外国語教育において、言語学の研究成果は非常に重要な基盤となります。しかし、最近の言語学、特に認知言語学の発展を知らない人の中には、「言語学は語学教育には役立たない」という誤った固定観念を持つ人がいます。そのような誤解が広まると、外国語教育の基本的な土台が揺らぐことになりかねません。本論では、認知言語学的アプローチが外国語教育のさまざまな側面において重要であることを示していきます。 2. 外国語習得の困難さと言語学の重要性言語を習得するためには、綿密な計画と多大

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          博論日記(3):多義語って結局は何なのだろうか?

          はじめにー多義性ってなんだろう?ー多義性というのを説明するには、ある語が多義かどうかを説明しても不毛であるということに気づいた。今日も、ツイートをベースにして自分の研究を考えていきたい。今日も、結局多義って何?と考えて日が暮れてしまった。 コミュニケーションは文字という名の「コード」を伝えるのではないことはもう認知言語学なら明らかだろう。特に、フィルモアのフレーム意味論の台頭、また、コーパスの出現によって、それが明らかになっている。 でも、多義を実験する以上、考察する以上

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