見出し画像

「ファン」と「オタク」の違い!オタクが「ファン」を名乗ることの違和感とは...?

こんにちは!viviONのUXリサーチャー及川です。
先日、同社のUXリサーチャー後藤さんが「ファン」と「推し」の違いって何?という記事を書いてくれました。
その記事の最後に「ファンを自称することに違和感があるオタク」についての考察を求められたので、この記事ではオタクが「ファン」を名乗ることに対する違和感の正体は何なのかをオタク視点で考察していこうと思います!

「〇〇のファン」と自称することに違和感があるオタク

発端は「ファンと推しの違い」について社内メンバーと話している中で出た発言でした。

普段は〇〇ちゃんのことを推しと言っているけど、親には「〇〇ちゃんのファンだよ」と説明しちゃって。〇〇ちゃんのファンと言った自分に違和感があったんだよね。 
※ 〇〇ちゃんは二次元のキャラ

「ファン」も「オタク」も特定の対象を好む立場を表す言葉として使われるけれど、オタクが「ファン」を自称することには違和感があるらしいのです。この違和感はどういうメカニズムが働いて生じているのか、ここにUXリサーチャーとしての調査センサーが働きました。

センサーがピコーン!!

違和感を感じた当人にインタビューを敢行!

違和感を感じた社内メンバーに15分ほどお時間をいただき、インタビューを行いました。

Q.「ファン」という言葉にはどのようなイメージがありますか?
ファンは「応援している」という意味があると思う。オタクよりもライトに感じる。

Q.「オタク」は「ファン」と比べてどのようなイメージがありますか?
オタクはファンよりももっと拗らせてる感じがする。 シンプルに「応援している」以上に思い入れをしている。

Q.「拗らせている」ってどういう部分で感じますか?
推しのことを保護者目線で我が子として扱っている人がいたり、結婚相手として見ている人がいたり。一概にすべてのオタクが一緒の拗らせ方をしているわけではなくて、推し方によって推しへの思い入れの仕方は変わっていたりする。

なるほど!カキカキ

「ファン」と「オタク」の違いから違和感の正体を考察!

上記のインタビューから以下の2つのことが明らかになりました。

1. オタク視点で見ると「ファン」は「オタク」よりもライトなイメージがある

2. 「オタク」は「ファン」よりも拗らせているとメタ認知している

この2つの事実から「違和感」がもたらされた理由は、本当は推しに深い愛を注ぐ「オタク」なのに、ライトな「ファン」というくくりにされて自尊心が傷ついたからではないかと考察しました。

自尊心の傷つきを踏まえ、改めて前述のインタビューを眺めると以下のようなことも考察できました。

  • オタクは「オタクとしての自尊心」を持っている

  • 拗らせている、という言葉から、「オタクは一般人とは異なる特性がある」ことを自認している

  • オタクは拗らせていることを自認しているため、「ライトなファンから距離を置いて傷つくことを避けたい」というインサイトがある

このようなオタク研究の話になると議論は尽きませんが、「オタクはオタクとして自尊心を持っており、その自尊心が傷つくことを避ける存在」と言えるのかもしれないと自分の中で結論づけました。

自尊心を押し殺してまで伝えた心理とは?

ここまで書いて思うことは、なぜ自尊心を押し殺してまで「〇〇ちゃんのファンだよ」と伝える必要があったのでしょうか?

きっとそこには自分の自尊心を押し殺し、「ファン」という言葉を借りてまで推しの存在を伝えたいという想いがあったのではないかと思います。

ホントは推しのこと、伝えたい…!

世の中的にはまだまだ「オタク」という言葉に偏ったイメージがあると思っています。

オタク生態研究所-OLRC-を始めた理由」の記事の中で、「オタクは自分を楽しませる能力に優れ、好奇心のままに好きなことに夢中で生きていく人たち」と記載したように、UXリサーチを通して発見したオタクの素晴らしさを今後もこちらのnoteで発信していきたいと思います。

viviONで一緒にオタク研究をしませんか?


株式会社viviONでは、秋葉原から世界へ二次元コンテンツを共に盛り上げていく仲間を募集しています。

「オタクってどんな人々か研究したい!」「オタクを幸せにするサービスを考えて提案したい!」などUXリサーチチームの仕事やviviONの社風に興味をお持ちいただけましたら是非お気軽にご応募くださいませ。