「ファン」と「推し」の違いって何?
こんにちは!viviONのUXリサーチャー後藤です。
今回は私が入社して最初に抱いた疑問とその考察について書いていこうと思います。
viviONで飛び交う「推し」という言葉
弊社デザインチームが公開しているこちらの記事でも触れていますが、viviON社員はオタクが多いです。
社員と雑談すると「私の推しが〜。」と言われることが多いのですが、ふと『あれ?なんでファンって言わないんだろう?ファンと推しってどう違うのかな?』と素朴な疑問をもち、考えてみることにしました。
推しは「対象そのもの」を指し、ファンは「立場」を表す?
推すという言葉は『僕の推しは〇〇です!』のように「推し=〇〇」が成り立ちますが、ファンの場合は『僕は〇〇のファンです!』という表現となり、「ファン=〇〇」は成り立ちません。
『僕は〇〇のファンです!』で伝えているのは、僕と〇〇との関係性であり、「〇〇についてはファンという立場でやらせてもらってます!」という風に捉えられます。
また、推という字は推薦、推奨といった「他者に薦める」という意味が含まれており、「誰かに薦めたい対象」といえるのではないかと考えました。
一方でファンは、英語のFan(fanatic:熱狂的支持者)からきており、扇風機の意味もあるそうです。つまり、「誰かを熱烈に扇(あお)いでいる立場」ではないかと考えました。
viviON社員への突撃インタビュー
上記の考えを抱いてから、いいタイミングで社内のオンライン飲み会があったので、その場で推しとファンの違いに関するインタビューを実施してみました。
楽しい飲み会の場で突然インタビュー始めたのに、嫌な顔をせずに対応をしてくれて本当にありがたい…。
私が疑問を投げかけると社員から次々に意見が出てきました。
推しとファンの違いは何だと思うか?
「推す、は二次元を対象として使うことが多い気がする…。」
「推しは、『尊い』と形容する。」
「ファンは作家とか、三次元を対象として使うことが多い。」
「推しは人生そのもの、生きる理由になる。」
「普段は〇〇は推しと言っているけど、親に説明するときは〇〇のファンだよ、と説明する。」
「でも、〇〇のファンという自分に違和感があるんだよね。」
推しが推しでなくなるときはどんなときか?
「推しが元来もっていた『個性・自己表現』が維持できず、一般・大衆向けにねじ曲げられたとき。」
「推している理由とも言える『これが好き!!』の『これ』がなくなったときに心が離れそうになる…。」
インタビューででてきた『二次元では推し、三次元ではファンを使う』というのが引っ掛かり、それが本当なのか調べてみることにしました。
「推し」も「ファン」も二次元で使われることが多い!?
Google(2022/4/21時点)にて「推し 二次元」で検索すると約2000万件、「推し 三次元」では約200万件がヒットしました。約10倍も二次元の方が多く、推しという言葉は二次元とセットで使用されることが多いとわかりました。
一方で、ファンはどうでしょうか。
同じようにGoogleにて検索すると「ファン 二次元」は約4億件、「ファン 三次元」は約2000万件となり、約20倍も二次元の方が多く、ファンという言葉も二次元とセットで使用されることが多いとわかりました。
つまり、三次元と比べ、二次元とセットで推しもファンも使用されることが多いのです。偶然にも「推し 二次元」と「ファン 三次元」のヒット件数が同じ程度だったので、この2つは同じ頻度で使用される可能性が高いこともわかりました。
といいつつ、二次元に比べて三次元という言葉を使用することは、あまり一般的ではないという理由から、三次元の検索件数が落ちている可能性もあるので参考までにこの結果を捉えることとしました。
推しは生きる理由であり、「予定」である
前述のインタビューで『推しは生きる理由』という言葉がありましたが、なんと同じ言葉が「人類にとって『推し』とは何なのか」という本に書かれていました。viviON社員(オタク)すごい。
他の人が推しについてどう考えているのかが気になり、この本を読んだのですが著者の横川さんは次のように述べています。
今この記事を読まれているオタクの皆さんにとって「推し」は何でしょうか?あるいは、ご自身のことをファンといっているオタクの皆さんもいるでしょう。
ちょっと長くなってしまったので今回はここまでとします。
今回のインタビューにでてきた『でも、〇〇のファンという自分に違和感があるんだよね。』という発言に関する考察について、viviONのUXリサーチャー及川さんが記事を書いてくれるそうなのでお楽しみに!
ここまで見てくださりありがとうございました!
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