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食べチョクアワード2023アフタートーク!家族の話から土づくりまで?

2024年1月17日(水)に株式会社ビビッドガーデンでは、「食べチョク」を通してお客様からたくさんの支持を得られた生産者さんたちを中心に、1年の感謝と敬意を示したいという想いをこめて食べチョクアワード2023を開催しました。

当日に行われたアフタートーク。
表では語られなかったあんな話やこんな話をぜひお楽しみください!

今回の表紙イラストを作成してくださったのはブロ雅農園さん
快く引き受けてくれてありがとうございました!
スタッフ一同、お気に入りです。

受賞した数々の生産品を囲みながら始まる前哨戦…

今回のアワードで受賞した食材を囲みながらトークが始まります。
本題に入る前から、
「シイタケが大きく主張がずるい!」
という声や
「りんごが2個もあるじゃないですか!」
とけん制しあう中、石野水産さんの石野さんがおもむろに
「これ新商品なんです」
とおもむろに宣伝をするなど和気あいあいとした雰囲気で始まります笑

当日持ち寄られた受賞した生産品と新商品?笑

今回アフタートークに参加したのは各カテゴリーの受賞生産者さん。
受賞当日の雰囲気は下記のnoteでも公開中です!

■参加された生産者さん
とんぼ農園・中島さん(佐賀県 神埼市脊振町)

薄羽養鶏場・薄羽さん(栃木県 芳賀郡益子町)

安曇野ファミリー農産さん・中村さん(長野県 安曇野市)

野本農園・野本さん(静岡県 伊豆市)

西田農園:西田さん(埼玉県 熊谷市村岡

石野水産・石野さん(広島県 呉市倉橋町鹿島)

受賞者の方々真剣な話からプライベートな話まで…

秋元
まずは受賞おめでとうございます!
今回のアフタートークのテーマは2023年の振り返りと2024年の思いをぜひ教えていただければと思います。

プライベートな話まで展開するとんぼ農園・中島さんが本当に話したかったこととは…?笑

とんぼ農園・中島さん
去年はとにかく九州だけじゃなくて全国的に暑くて…ほうれん草は夏場は大きくならんし、育たんし、そもそも枯れるしで大変やったんです。

もともと新規参入で。農家じゃないけど、地元に住んどったけん簡単に農家やれるとおもっとったんです。それが誰も借してくれんとですね…
「田んぼをどうすると?」「何する気?」みたいで怪しまれて。
ようやく辺鄙なところ借りて始めたのが20年位前やったんです。
最初の5年くらいは農作業し終わったら、アルバイトいって、夜中帰ってきて次の日の朝早く起きて農作業して。

大変やった、もうね喧嘩の種になるとですよ笑
妻が「あんたいつまで寝とーとねー!」って。
「起きれんしっ!」ってよく喧嘩になりよったです笑

今年は暑くて大雨も多かったけど…なんとかなった1年だった。
だから去年はふるさと納税にも挑戦して。
栽培しとる場所が山の方やけん、発送しに町に行くのが大変とですよ。
でも食べチョクに出したら全部配送業者さんが取りに来てくれるけん、楽なんですよこれが。
全部食べチョクで出したいくらい笑
田舎で農業やるならこういうシステムが一番ですね。

秋元:2023年は結構売り方を変えたという感じですね!2024年はなにかやろうってありますか?

とんぼ農園・中島さん
2024年は佐賀国スポ(旧国体)があるとですよ。全然関係なかですが…笑
娘が剣道しとって、毎朝、朝練があるけん、送っていきようとです。
小学校のころからずっと剣道がんばってきとって、今年はついに国スポがあるけんしっかり応援したい。
子供が4人もおるけん、食べチョクでバンバン売って子供を応援したいと考えとります…笑

薄羽さんからは付加価値の作り方の話を…

薄羽養鶏場・薄羽さん
2023年は年初から鳥インフルエンザが流行って、卵の値段がすごく高くなったことが大きかったですね。
幸いにもうちには影響はなかったけど、卵の数が少なくなって。
普段購入されない人から注文が増えてうれしかったんですが、今まで買っていたお客様が買えなくなってしまった。

実は鶏は年を取ると卵の殻が薄くなったり、産卵率が落ちたりするので、鶏の日令に加えて、卵の需要の繁忙期や閑散期も考慮して若鶏と入れ替えたり飼育数を適宜調整をしていたんです。
ちょうど鶏の入れ替えの時期と鳥インフルエンザによる卵不足がぶつかったこともあり、卵が足りなくて売れてから発送するまで3週間待ちとかあってすごく迷惑をかけてしまった。

結局いろんな調整をして、最終的に1週間以内に発送できる量だけ販売して、発送のめどが立ったら再度1週間以内で発送できる量だけ販売して発送するという調整をしていきました。
去年は自分の読みの甘さを感じたので今年は生産量を確保して安定して販売できるようにしようと思っています。

秋元
薄羽さんは加工品とかもありますよね?先ほどフィナンシェも作られているとか。

薄羽養鶏場・薄羽さん
そうですね。今年は卵を使った加工品を販売し始めたのとレシピを作って共有するようにしました。

こちらも市場価格や餌の価格が高騰したからそのまま卵の金額の値上げ…とできないので何もしないと利幅が減る。
少しでも付加価値をつける方法として)実生活の中では主婦の方たちは毎日献立を考えるのが大変だから、簡単な卵料理のレシピを受注確定のメールで紹介するようにしました。また加工品の製造・販売を始めたんです。

もちろん、生産者が加工するのはすごく難しい…
設備がない、ノウハウもない、普段から忙しいのに加工する時間もない。
私の場合は、たまたま県からの助成金を得て、シェフのコンサルの方に入ってもらい、「常温で保存ができる」「日持ちする」「時間の取れるときに作れる」というわがままなリクエストを伝えてフィナンシェができたんです笑
卵そのものに付加価値ではなく、売り方などに付加価値をつけていこうと思ってやっています。

とんぼ農園・中島さん
やっぱ賞味期限はきついですもんねー。白玉饅頭とかいかしゅうまいも賞味期限が今日とかだと持ってこれないですもんね…笑

石野水産・石野さん
薄羽さんはやっぱりマーケター出身だから視点が違いますもんね!おいしいものを単に作るではないからこそ、その視点は面白い。

中村さんの話は海外まで展開が出てきます!

安曇野ファミリー農産・中村さん
果物全体が霜の被害を受けた1年でした。
全体の3〜4割くらいが影響を受けて、全然リンゴがならなかった。
霜の被害はすぐにはわからないので、収穫までの作業で徐々にわかってきます。
冬が高温だった影響でりんごの開花が早く、開花後マイナス7℃近くの霜が降りてめしべに被害があり不作になりました。
防霜ファンや霜対策の資材を使用しましたが効果はほとんどありませんでした。

秋元
ちょうど
応援チケットとかやっていた時期ですか?

安曇野ファミリー農産・中村さん
そうです!霜の被害で去年は訳あり品が増えてしまったんです。
食べチョクではちょっとこれでは販売できないぞとなって、食べチョク以外のECサイトECでも売るようにして、すべて売り切れたのは大きな収穫だった。
もちろん、食べチョクでの販売量は2万件を超えるような状態。リピーターの方が多いのでこれからも力を入れていきたいと思っています。

実はりんごの栽培は海外、特にニュージーランドなどの方が進んでいる。日本はだいたい10年くらい遅れている。
そういう海外との差を埋めながらピンクレディのようなブランドになるようなものを作っていきたい。

2024年はやっとコロナが落ち着いたので海外に行ったり、いろいろと勉強したいと思っています。今は松島牡蠣屋さんとかケンちゃんファームさんとECサイトでどう売っていくかの勉強をしています。
あとは、食べチョク上でコメントをもらう=ニーズがあると思って、需要と供給のバランスを見るようにしている。
マーケットインの視点でお客様のニーズを探りながらやるようにしているのは食べチョクでしかできないことだと思っています。

野本農園・野本さん
原木しいたけはどうしても天候任せなところがあって、なかなか取れなくて…
2年前は、予約のお客様にも1カ月半くらいお待たせするような状態だったんです。

原木しいたけって、木を伐採して、植菌して、寝かして、1年半くらい経って収穫ができるんです。つまり、まる2年収入がない状態。今もこの数年は奥さんはほかの会社で働いて、私は原木しいたけという形で違う動きを取っています。
今年の年末までには一緒に働けるようになるので、今年を踏ん張ればという感じです。
ただ、合流するまでは奥さんがスムーズに業務に入れるようにと見越して一人で奥さん分含めた2倍くらい働いていたんです。だからちょっとそれで身体を壊してしまった…

楽しみにしてくれているお客様も多いので改めて健康には気を付けようと反省した年でした。

ただ、春先は一晩でしいたけの形が変わって、売り物にならなくなる。
なのでその日のうちに徹夜してでも収穫しないといけなくなるんです。
春先は二日間くらい徹夜で採ることもあるくらいです。

あとはパートさんのLINEグループを作っていて、毎日自由参加、自由退勤で子連れOKで手伝ってもらっているんですよ。
収穫の時はしいたけ持って帰ってーって言ってるし、お子様にも食育にもなるし、すごい助かっている。

2024年は、10月~3月がしいたけの繁忙期だけどそれ以外は余力があるので、夏の作物の中でも養液栽培のブルーベリーに手を出したいと考えているんです。管理もそんなに大変じゃないからと思って。

石野水産・石野さん
LINEを使った
働き方が最先端ですよね。こういう仕組みはブルーベリーにも転用できるし、良いですよねー


西田農園さんはご夫婦で参加

西田農園・西田さん
私たちは米を生産しているのですが、2023年は皆さんと同様に暑かった。
特に今住んでいるのが埼玉県熊谷市で…笑
暑くて病害虫が多くて、うちは農薬を使わずにでお米を作っています。
周りの農家さんたちは規格外が出ていたけど、西田農園はすべて一等級に入った。

その差は何なのか…
やっぱりとんぼ農園さんと同様に「土づくり」。結局、土が農作物を支えてくれた。
なので、2024年も土づくり、環境にこだわりたいと思っています。
メタン温室効果ガスが世界的にも問題になっておりますが、西田農園は独自のやり方で温室効果ガスを低減しています。

秋元
新潟とかでも一等級はなかなか出ないと聞いていたのですごいですね!メタンガスを抑えるのは土づくりにつながるところですか?

西田農園・西田さん
泥の中の菌は好気性と嫌気性という2種類いて。酸素を嫌って分解する嫌気性菌。この嫌気性菌にメタン生成古細菌がおりまして、分解するときにメタンガスを発生させます。
メタンガスを出さないように好気の状態にしておくとか、嫌気状態でも→嫌気状態でも中干し期間を延長したり、光合成細菌を活性化させるなどを行うと、最終的にメタンガスを減らすことができる。

一応、研究機関に勤めている仲間や大学教授に相談に乗ってもらいながらやっています

とんぼ農園・中島さん
中干もする、しないとか本当に場所によって違いますもんねー

西田農園・西田さん
今年くらいの水不足が続くと、中干をすると逆に米の収穫量や質もだめになってしまう。だからうちの地域でできるメタンガスの減少方法を探っていく1年にしたい。

あとは、配送やEC周りは今までは配送のところで大変だったけど、少し落ち着いてきたので、お米の美味しい炊き方などを、お伝えするお便りを作り、お客様にお渡しできるようになりました。

秋元
おお、今まさにおいしい炊き方でご飯を炊いている…?

弊社岡野
すみません、今回は…気にせず、炊飯器に頼りました笑

石野水産・石野さん
去年は、アワードからはずれ、水産部門でも3位圏外になってしまったんです。

安曇野ファミリー農産・中村さんがおてつたびを利用してピンクレディが伸びたのを見て、私たちとうまくいっている生産者さんたちの差を埋めたいと思って動き始めました。

ただ、従業員が辞めたり、天日干しをするために土地も借りたんだけど、急に返せって言われたり…奮起しなきゃいけない状態だけどいろんな問題で動きづらいスタートだったんです。。
さらに外国からひじきのふりかけのニーズの話が入ってきて、薄羽さんのようにOEMでやってくれる工場を見つけ、さぁやろう!というときに、日本全体の風評被害。※ALPS処理水による影響のこと

これで海外輸出もすべてストップ。商品もあるし、パッケージもある中で、卸業者さんが急に消極的になり、在庫がすごく増えたんです。
去年は本当に大変な1年のスタートでした。

ただ、あきらめるわけにもいかず、加工品を中心に大手の法人さんに営業をしてスーパーに置いてもらい、ここで算段を立てたんです。
これが一つ目の販路確保につながりました。

一方、産直ECをどうするべや…と思っていたら、リピーターさんが増えている割にお客様からの投稿が少ない状態でした。…
だからこそ、『頼むから投稿を書いてくれ。』と伝えたんです笑
そう、思い切ってお客様に甘えるということをしたんです。
お得意様機能は購入3回、投稿3回、生産者フォローをすると認定がされるんです。そういった機能をまだ使いこなせてなかった。

結果的にお客様の投稿を見て、新規で購入していただける方と、リピートしていただけるお客様がお得意様になり、お得意様限定の商品やメッセージの更新などその人たちしか見れないページを充実させたこと良いサイクルが生まれた結果だと思っています。

今年は、「もっと一緒にいろいろつながりたい」と思っています。
例えば、お客様とよりつながっていくという点でいう点でいえば、レシピ機能ももっと使えると良いと思っています。これは、生産者だけではなく、お客様にレシピを作ってもらうのも今後は良いのでは?と思ってます。楽しみにしています笑

秋元
お得意様機能もそうですが、お客様と生産者の関係性を深めていくことは私たちも考えているので面白いですよね。
飲食店でプロの方が買ってくださるケースもあるので、なおさら面白いかもですね!
いろんな話を聞けて良かったです。皆様ありがとうございました。

とんぼ農園・中島さん
あ、、これで終わりか!
やっべぇ、俺、土づくりの話とか全くせず…娘の送り迎えの話ばっかりしてしまった…

一同
爆笑…笑

最後は全員で!受賞おめでとうございます!

終始、笑いが絶えないアフタートークでしたが、普段は見られない、生産者さんのご家族の話、加工品などの新しい挑戦、海外への意識、土づくりやアルバイトの体制など話は本当に多岐にわたるテーマになりました。
食べチョクを通してお客様と生産者がつながる、そして関係性を深めていく。
今年のテーマでもあった「ともに創る」が随所に感じられたアフタートークでした。

実は、このnoteの表紙イラストはブロ雅農園さんに書いていただきました。
受賞された生産者さんも今回は惜しくも受賞できなかった生産者さんも多くの方とこのアワードを作れたことを本当にうれしく、何よりも誇らしく思います。

皆様、本当におめでとうございます。また今年もどうぞよろしくお願いいたします。

これにて、食べチョクアワード2023のnoteリレーも終了。
皆様最後までお付き合いありがとうございました。
食べチョクアワード2024は一体どこの生産者さんが選ばれるのでしょうか。
我々も多くの方から選ばれるサービスになるために、生産者さん、お客様とともに、良い体験を一つでも多く作っていければと思います。

最後に。

インタビューに参加してくださったみなさんの商品はコチラ。
みなさんの想いと一緒に食べたからこそ、自信を持ってオススメできる最高の商品たちです。
多くの方にこの美味しさを味わってほしいです!!!

総合1位:とんぼ農園さんの魂のほうれん草🥬

総合2位:薄羽養鶏場さんの濃厚たまご🥚

総合3位:石野水産さんのパワフルなちりめん🐟

果物部門1位:安曇野ファミリー農産さんの熱い思いが詰まったりんご🍎

米・穀類部門1位:西田農園さんの生命力に溢れたお米🌾

その他部門1位:野本農園さんの濃厚肉厚な原木しいたけ🍄


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