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「風邪に抗生物質」は誤り

要約

①風邪を引いたら抗生物質を服用する。
②処方された風邪薬は治ったと思ったら途中で服用をやめる。
これら①②はどちらも誤りである。

抗菌薬のアンケートの結果、「抗菌薬はウイルスの効く」「風邪を治す」などと誤解している親が6・7割を占めることがわかった。

菌とウイルスは根本的に異なる。

抗菌薬は名の通り菌にのみ効果があり、ウイルスには効かない。

風邪はウイルス性で栄養を取り、療養し解熱剤やせき・たん止めを服用して治す。


特に子供のいる親はちゃんと理解しておかなければならない。

なぜなら子供は風邪をひきやすく、薬の服用機会が多いためだ。

小児診療で抗菌薬を処方する病名の代表は中耳炎や肺炎、咽頭炎などがある。

抗菌薬や必要以上に菌を殺す。
そのため下痢などの副作用が発症しやすい。

抗菌薬を服用し続けることで恐ろしいのが薬剤耐性(AMR)菌の発生だ。
いざという時に有効な抗菌薬が無くなる可能性がある。

姫路市内のクリニックではエビデンスがなければ抗菌薬の処方はしないと徹底するほどだ。

厚労省の「抗微生物薬適正使用の手引き」では風邪の症状では抗菌薬の処方を推奨していない。

子供の病気は経過観察が基本。
子供が熱を出した時はよく観察し、ぐったりしている、顔色が悪い、水分が摂れないなど普段と異なる場合は医療機関を受診して欲しいという。


感想

私がMR(医薬情報担当者)の仕事をしていた8年ほど前は風邪でも細菌性のケースを否定できないため抗生物質は処方してもらった方が良いと聞いていた。

なんでもその昔、抗生物質を嫌う医学生が風邪か病気だかわからないが、医師から処方してもらった抗生物質を服用するのを拒み、その後亡くなったと言う話を聞いたことがあった。

それもあって風邪の症状で薬を服用しても治らない場合は恐ろしくなって抗生物質を処方してほしいと頼んでいた。

私が子供のころは抗生物質が症状を治すと思ってしまうほど毎度処方されていた。

MRをしていたおかげで抗生物質の役割をきちんと理解できていたつもりだったが、薬剤耐性菌のことまでは知らなかった。

個人的には薬は飲まないで治すのが1番いいと思っている。
治すために薬は局所で強制的に働きかける。
その無理な強制は他に良い影響を与えるだけではない。
大小まちまちだが何かを壊して何かを得ると言った等価交換に近いと考えている。

やはり自然が1番という考え方はここでも当てはまる。
ここでいう自然とは、人間の本来持つ免疫やその機関で症状を治したり抑えたりすることだ。
そのための栄養と休養をとり、自然に基づき治すのが1番だと思っている。

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