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コメダ、群抜く収益力

要約

「コメダ珈琲店」は首都圏で攻勢している。
店舗数はドトールやスターバックスに猛追している。
豊富なメニューと店舗雰囲気で都心部開拓を目論む。

いちよし経済研究所はコロナ前の2019年度の外食産業の損益分岐点比率を調べた。
比率が低いほど高い収益力を示す。
平均は70〜90%だ。
ドトールが83%に対しコメダは29%。
財務的な強みのもとはフランチャイズチェーン店制にある。
喫茶店というよりはロイヤリティー収入も得る食品卸に近い。
パンやコーヒーは自社製造、店舗はFC側のもので固定資産が少ない。
そのため資産が少ない分(元手がかかっていないぶん)収益力が高くなる。

コメダの強みはビジネスモデルだけではない。
名古屋市で3大チェーン店の各来客者100人の平均単価は、ドトール530円、スタバ570。
対してコメダは850円だ。
コメダの客層は家族が多く長いができるようになっている。
飲み物以外にグラタンやデザートなど豊富なフードがある。
フードで差異化できている。

コメダ1号店は1968年に名古屋で生まれた。
そこから店舗を増やし、今年8月末には944店舗となった。
首都圏を中心にまだまだ出店の余地があるという。

コメダの24年2月期は前年度比で売上収益12%増、純利益8%増と過去最高を見込む。
営業利益率は20%と業界内では異例。
ROEも14%と高水準だ。
コメダは3年後に全国1200店舗を計画している。
今後は教育などにも力をいれ、良い空間を保つためにFCも支援していくという。


感想

とても伸びている会社だと感じた。
自社の強みを分析して明確に述べられているところに自信の強さを感じた。
確かにコメダ珈琲店のメニューの豊富さには驚かされる。
とはいえ私が喫茶店に行く時は1人なのであまりコメダは利用しない。
喫茶店で勉強するからという理由でコメダを訪れる雰囲気でもないと思っている。

確かに記事で取り上げられているように喫茶店というよりは外食する目的に近い。
コーヒー一杯のお客さんをターゲットにしていないのだろうと思う。
家族や食事を取りたい人をターゲットに客単価を増やす、FC制度でロイヤリティーをもらいつつ各店舗にはパンやコーヒーなど店のメインを務めるものは卸して収益をあげる。
ビジネスモデルとしても斬新だと思う。

卸や商社は源流を抑えることで確実に収益をあげられるが、自社および同じ暖簾を掲げる店を自社で管理できていれば自ずと卸すことができる。
創業からどのタイミングでこのビジネスモデルが構築されていったのか、コメダの背景と歴史に興味がある。

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