5分でクミアイ化学工業の企業財務分析評価
挨拶
このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士の学習を通じて得たスキルを使い企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はクミアイ化学工業を解説していきます!高配当株として有名ですが、その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が全て読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!
企業概要
クミアイ化学工業は1928年に農薬製造業として柑橘同業組合を開設したのがルーツです。元々は農薬を製造する組合だったようです。1949年に株式会社になり、現在のクミアイ化学工業になったのは1968年でした。100年近く歴史のある老舗企業です。決算月は10月です。
事業内容
クミアイ化学工業の事業は下記の3つの事業に分けられています。
農薬及び農業関連事業
化成品事業
その他
農薬及び農業関連事業は殺虫剤や殺菌剤、除草剤の製造・販売を行っています。
化成品事業では様々な化学品を製造・販売しています。農業関連以外の化学品はこちらに分類されるイメージです。塩素系化学品やウレタン、産業用の薬品も製造しているようです。
その他は不動産賃貸業と発電・売電です。
人員について
クミアイ化学工業の従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数2,124人と大企業です。その内の約4割以上の従業員が農薬及び農業関連事業に従事しています。化成品事業とその他で各2割程度の従業員が従事しておりバランスは良さそうです。従業員が一気に292人増えているのはネップという会社の従業員をクミアイ化学工業の従業員として含めるようになったからです。
働きやすさについて
現在注目されている働きやすさですが、クミアイ化学工業はグループ会社も多いので単体のみのデータを持ってきました。女性の管理職は2.3%と割合が低いです。男性の育休取得率は62.5%と悪くない数値が出ています。男性の育休には力を入れていそうです。女性の管理職、男性の育休取得率を今後伸ばしていけるのか注目です。
クミアイ化学工業の売上構成
クミアイ化学工業は売上高約1,600億円の大企業です。その内約80%以上の売上を農薬及び農業関連事業で稼いでいます。従業員の構成を考慮すると意外にも農薬及び農業関連事業に占める売上比率が高いです。2022年度と比較すると売上は約11%増加しています。コロナの2020年度にも業績が落ち込むこと無く、毎年増収を達成し、2023年度は直近では最高の売上になりました。
原因としては農薬の海外輸出と国内販売が好調だったことが大きいです。販売実績として農薬及び農業関連事業は15%売上が増加しています。特に北米を中心に除草効果の高さと需要が増加したことにより売上が約290億円から約470億円と大幅に増加しました。
一方で化成品事業は昨年と比較して売上は減少してしまいました。化成品事業の売上減少を農薬及び農業関連事業でカバーした形です。半導体の需要の回復が遅れてしまったため半導体に使用する化学品の売上が減少してしまいました。
売上は日本向けが約40%程で数字で見るとグローバルカンパニーと言えるでしょう。一番売上が多いのは日本なのでメインの市場は日本であることが分かります。
営業利益と当期純利益
収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
クミアイ化学工業の営業利益率は約8.6%です。メーカーとしては及第点の利益率です。売上が増加している分、利益額もしっかり増加しています。その要因としては
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?