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飽きちゃったよ…なんて言わせない【カボチャの焼きプリン】(レシピエッセイ)

せっかく作っても食べる人がいないというのは結構空しい。

料理を作るのは好きだけど、仕事もあるし、手の込んだ料理や、時間のかかる料理を作るのは、週末のお楽しみとなる。作る量だって作り過ぎないようにはしても、ほんの少しだと作りにくい料理もあって、いかんせん残ってしまった料理を、一食で食べ切れる量に小分けにして冷凍することも少なくない。


先日、紹介したカボチャの丸焼きもそんな料理の一つだと思う。


半分ではなく小さく切ってしまうと、せっかくのカボチャの甘みが流れ出てしまったりするので、いつもこの方法で作る。そして、いつも余る。年上の義妹にお裾分けすることもあるけれど、毎回ではない。二日目くらいまではいいのだけど、三日目になると、いくら美味しくてもさすがに飽きてくる。

何事も、『飽きる』のは良くない。恋愛だって、熱が上がってアドレナリンが噴出しているうちは、相手の多少の欠点も気にならないくらいに好きでたまらない。これが、少し飽きてくると、欠点ばかりが目についてくる。その後、(これくらいなら、まぁしゃぁないな)と黙認するか、(もう、やってられん)と黙殺するかに至る。

かくして、そうなる前に目線を変えさせ、「おっ」とか「ほぉ」という感嘆詞を求めて、飽きさせないための試行錯誤を繰り返す。たまに意に反して「げっ」とか「ぎょっ」となるのはご愛嬌ということで。

そこで、残ったカボチャの「おっ」とか「ほぉ」を探して見つけたレシピがカボチャのプリン。

卵と牛乳だけなら、口の中でしゅるりんと儚く消えゆく舌触りの良いプリンも好きだし、素朴感と存在感たっぷりの焼きプリンなら、アレやらコレやらで疲れた脳みそに、ゆっくりとカラメルソースが絡まって溶解されていくような程よく固いプリンが好き。

カボチャのプリンは絶対に後者。カボチャの配分を多くして、カボチャをそのまま食べているようでいて、ちゃんと卵と牛乳の味わいのあるプリンなのがいい。

少々、すが入っていても問題なし。もし、気になるなら、小さなココットの容器に入れて作って、冷やしてからちょんとミントの葉でも乗っけたら、もう、グランメゾンもびっくりの出来栄え。(嘘です)

作り方はいたって簡単。残ったカボチャの種とワタ、皮を除いて裏漉しし、卵と牛乳、砂糖を合わせてたプリン液を、あらかじめカラメルソースを敷いた耐熱容器に注ぎ、お湯を張ったオーブンで蒸し焼きにするだけ。

「え?裏漉しするの?やだ。面倒くさい」

という声が今、聞こえたけれど、面倒ならハンドミキサーでもいいし、繊維質が混ざっても口当たりに影響がなければそのままでもいい。家で食べるんだから、あんまり、気にしない、きにしない。

「ちょっと、かもめさん、かもめさん、混ぜて焼くだけって、今回もまた簡単すぎやしませんか?」

あのね、料理を食べてくれる人に飽きさせないために、料理を作る本人が飽きないことが大切なんです。手を抜ける部分はとことん手を抜く。余分な器具や洗い物は最小限に。時間の余裕は心の余裕です。



ほら、もう出来た!
簡単、簡単!!

はてさて、「おっ」が出るか「ほぉ」が出るか、はたまた「げっ」が出るかは、食べてからのお楽しみ!


本日のお持ち帰り用レシピ
バレンシア風カボチャの焼きプリン – Flan de calabaza al horno

材料
カボチャ            500g
全卵             5個
砂糖              100 g(程度)
牛乳                                         400 cc
カラメルソース       適量



作り方
①カボチャの実の部分をきれいに取り出し、裏漉しもしくはミキサーにかける。

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②カラメルソースをプリン液を流しこむ容器の底に流しておく。
③大き目のボールに牛乳100cc程度を残して、全てしっかりと合わせる。
④オーブンを160度に設定し、プリン型が入る大きさの耐熱容器かトレーに湯をはっておく。
⑤残りの牛乳を小さい手鍋で温めて沸騰寸前に火から外し、ボールに加える。
⑥あらかじめカラメルソースを敷いた容器にゆっくりとプリン液を注ぐ。
⑦オーブンで湯煎のかけて45-50分間、蒸し焼きにする。

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注意
砂糖はグラニュー糖もしくはブラウンシュガーで、カボチャの甘み次第で分量を調整。

カラメルソースはテフロン製の手鍋で砂糖に少量の水を加えて加熱すると出来る。焦げやすいので色がつき始めたら早めに火から外す。(市販のものでももちろん大丈夫)

温めた牛乳をボールに加える時には、一箇所に一気に入らないように、ボールの中身を混ぜながら加える。カラメルソースの入った容器に温度の高すぎるプリン液を注ぐと、カラメル液が溶けてしまうので注意する。

しっかりと固めに焼く場合は50分。45分時点で一度確認を。


皆様、良い週末を!

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前回の【丸ごと焼きカボチャレシピ】を元に、実際に作ってみてくださった方がいらっしゃいました。ありがとうございました。とっても嬉しかったです。

次回、もしもカボチャが余ってしまったら是非ともプリンに!


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