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院長先生、、、退職の多さに悩んでいませんか?


はじめに

院長先生こんにちは。あつおです。マイクロ法人で<こんなこと>をやっています。

クリニックの院長として、日々の診療に加え、スタッフ管理や法人運営などにも多くの時間を費やしていることでしょう。
今回はその中でももっとも面倒な、「スタッフの退職」について考察し、その原因と対策について記事にします。クリニックの運営を円滑にするためのヒントになれば幸いです。

職種ごとに分類した退職の主な原因

退職の主な原因は以下のものがあげられます。

医療事務(無資格)の主な退職理由

  • 忙しすぎてプライベートの時間が持てない

  • 覚えなくてはいけないことが多すぎて辛い

  • 給与の額が業務量に見合っていない

  • 職場の人間関係に悩まされている

  • 医療現場ならではの緊張感に耐えられない


看護師等(有資格者)の主な退職理由

  • 看護職の他の職場への興味

  • 転居

  • 子育て

  • 勤務時間が長い・超過勤務が多い



退職の主な原因まとめ

これまで支援してきたクリニックを思い返せば


それな

という感覚があります。
無資格者の退職理由は、「人間関係」や「雇用条件」がメインになります。要するに、給料安いのに忙しくて、人間関係が悪く、責任が求められるということになります。

有資格者の退職理由の多くは、「転職」と「ライフステージの変化」と「拘束時間の長さ」を原因とします。
要するに、「ライフステージにあった仕事がしたい」ということになります。

医療業界全体で俯瞰してみると、大規模・中規模・小規模と考えたときに、クリニックという性質上、基本的に小規模であることが考えられます。
するとこのような性質になりやすいのです。

  • 少人数で幅広い業務を行う必要がある

  • 業務が属人化しやすい

  • 暦年数の長い方の発言力が強い

  • 院長(経営者)との距離が近い

これらの原因を生み出すキッカケとはなんだったのかを考えましょう。
クリニックごとに異なる可能性はありますが、以下の3点に絞り込めると考えています。

1.ワークライフバランスの不調

さて、皆さんのクリニックの近くには、(大変失礼ですが、、)貴院より安定して給与の高い大規模病院があるにも関わらず、なぜ個人経営の小規模クリニックを選んだのでしょうか。
それは「生活の100%を仕事に向けることができない」からです。

つまり、クリニックで働いている以上、「ライフインワーク」になっている可能性が高いのです。
しかも、それは時代を追うごとに顕著になっています。

ワークインライフ(昭和) ライフワークバランス(平成) ライフインワーク(令和)

多くの企業でもそれは顕著で、メンバーシップ型からジョブ型の働き方へ移行しています。
・メンバーシップ型とは、職務内容が明確に決まっておらず、勤続年数によって評価されることが多く、長期間同じ組織で働くことで、組織全体の一体感やチームワークが求められます。
・ジョブ型とは、仕事内容を明確化し、個人のパフォーマンスによって評価し、専門領域でキャリアを築くことが一般的です。

多くのクリニックがメンバーシップ型でキャリアがスタートします。属人化した業務が増え、業務過多になった頃に、結婚や出産などのライフイベントが発生。うまく業務量を減らすことができずに、転職や退職を検討し始めるということになります。

2.コミュニケーション不足

医療機関という特性上、「医師」「看護師(有資格者)」「医療事務(無資格者)」というができやすいです。
担当制にしたわけでもなく、なんとなくのパワーバランスから「外来担当」「検査担当」「処置担当」など、主に担当するエリアが分かれていきます。医療事務においても「受付・PC使う人」「受付・PCあまり使わない人」「会計」など、なんとなく分かれていきます。これもの要因になります。

そのため、「ぱっと見は仲良さそうに見える」状態だったとしても、「真剣に業務について話し合う機会がない」ために、イレギュラーなケースや、ミスが発生したときに、特定の個人のミスとして処理されやすいのです。

本来なら、どうしてそのミスが発生したのかを明確にし、同じミスが発生しない体制づくりに向かうべきなのですが、コミュニケーションが取れていないと、ミスした犯人捜しのようになってしまうため、言い出しにくいのです。

犯人捜しだなんて、そんな事件みたいなこと起きないでしょ

よくいる院長先生

いや、確実におきます。
例としてあげれば、トイレットペーパーの在庫がなくなったとかです。最後の袋を開けた人が注文するというルールになっていたにもかかわらず、うっかり忘れてしまったことで、今すぐ誰かがコンビニにダッシュしなければなくなります。

「あっ!すみません!私です!買ってきます!」とか「買ってきてくださってありがとうございます、私かもしれません、すみませんでした。」と言える環境であれば、その場で済む話です。
1度であればなにも起きないでしょう。しかし、マルチタスクに業務を行っているため、このようなことが頻繁に起きます。
それがコミュニケーションが取れていない環境だとスタッフルームで「きっとBさんに違いない、あいつが入社するまではそんなミスは一度もなかった」などのコソコソ話が開始されます。

3.キャリアパスの不明瞭さ

なんだよキャリアパスって、毎日目の前の仕事をちゃんとやってくれよ

よくいる院長先生

このようなものを想像していませんか?

給与テーブル 一例

こういうものでもあるのですが、スタッフはここまで難しいことを考えているわけではありません。
この場合のキャリアパスは、

このまま院長先生についていったら私たちはどんな生活ができるんですか

ということです。
例えば医療事務職員。初任給で18万円で採用され、1年半が経過。
冬の賞与は0.5ヵ月だったし、2年目の夏は1か月。昇給もしないし、

あーもー冬の賞与でたら辞めちゃお

よくいる医療事務職員

ということになります。
経営者としては、今できるBESTを尽くしてくれればちゃんとするよ!と思うのですが、ぶっちゃけちゃんとしていない多くの院長先生達が彼女達の信頼を得られなかったから、今、貴院にいるんです。

大事なことなのでもう一度書きますね。
スタッフは院長を信頼していません。

では、スタッフの信頼を得るためには何をすべきか考えないと、離職率はさがることはありません。毎日同じ仕事の繰り返しだと、1年はいけるとして、3年はどうでしょうか。10年は20年はと考えると、いつか退職されると思います。

その解決方法は

このnoteの主題になるわけですが、事務長を採用してください。
とりわけ、病院やクリニックの勤務経験がある方よりも、人事・採用・営業とかを経験していることの方が必要かもしれません。
なぜなら

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