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ビタミンゼミ第21回 心理学的アプローチで成果が変わる!広告コピーの作り方|鹿熊 亮甫教授

今回は、株式会社デジタリフトの取締役 鹿熊 亮甫さんを教授としてむかえ、広告コピーの作り方を教えていただきました!鹿熊教授がビタミンゼミで講義してくれるのは今回が2回目。1回目の記事はこちら(ビタミンゼミ第16回 広告の"超"最新トレンドを学んでスタートアップの広告戦略を立てよう!)をご覧ください。

ビタミンゼミってなに?
ビタミンゼミについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

株式会社デジタリフト(DIGITALIFT)取締役 鹿熊亮甫さん

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株式会デジタリフト(DIGITALIFT)取締役 鹿熊亮甫さん(@kakuma3)について詳しく知りたい方は、ビタミンゼミ第16回の記事をご覧ください。

今回は、鹿熊さんだけでなくコピーライティングの専門家で株式会社デジタリフトの朝長 広樹さん(@Tomonag_A)にもお越しいただきました。

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そもそもコピーライティングとは

コピーライティングは重要だと言われますが、実際のところコピーライティングとは一体何でしょうか。コピーライティングスキルだとすると、ずばり「言葉」によって人に強い「影響」を与えるスキルだとおっしゃいます。

「人は感情でモノを買って、論理で正当化する」と言われるように、まず人の感情に影響を与えないといけません。そのうえで、「影響」を意図して人に与えられる手段が言葉であり、その言葉を使って人に強い「影響」を与えることができるスキルのことをコピーライティングと言います。

その上で、誰でも簡単に「反応が取れる」コピーが書ける方法の3つを教えていただきました。

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TTP(徹底的にパクる)ことももちろんですが、TTY(徹底的にやること)が結構重要です。僕たちも月間100個作成して、試してみるくらい徹底的にやっています。そして最後は、「守破離」の法則です。やっぱりコピーライティングの型を学ぶのは重要でしょう。
今回は、一番のTTPについて詳しくお話していきたいと思います。

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TTP(徹底的にパクる)を詳しく見ていくと、前提として2つ意識しておくと良いことがあります。1つが世の中にはコピーが溢れかえっていること。そして新しいアイディアはほとんどないということです。だからこそ、溢れかえっているすでに反応が取れたコピーから学んで、TTPしたほうがよいということですね。

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ただ、パクるときに本質を真似るということが重要です。同じ業種の人がやっている手法をそのままコピーするだけでは、実は成果はでなくてそこにある本質をコピーすることが重要です。

広告コピーを考える上で重要なファクト・メリット・ベネフィット

ここからはもう少し具体的なtipsとして、広告コピーを考える上で重要な3要素を解説していきます。

✔ファクト    ▶商品やサービスの事実・機能
✔メリット    ▶商品やサービスの利点や長所
✔ベネフィット  ▶顧客にとっての利益・恩恵

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ファクト                    ⇒ メリット
・HDD容量:2TB                                          ⇒ たくさん保存できる
・RAMメモリ:16GB                                    ⇒ 動きがサクサク
・重さ:990g                                                ⇒ 軽い
・薄さ:10mm                                               ⇒ かさばらない
・バッテリー容量:6cells 9600mAh         ⇒ 電池が長持ちする

ファクトからメリットに置き換えることで、PC好きな人にしか伝わらなかった情報が少しずつたくさんの人に伝わる内容へ変化してきました。更にメリットをベネフィットに置き換えたいと思いますが、ベネフィットとはなんでしょうか。ベネフィットとは、顧客にとっての利益や恩恵のことで、感情面への恩恵を指しています。商品やサービスを使うことで、自分にとってどんな良いことがあるのか。 どういう風に快適になれるのか、嬉しくなるのか、幸せになるのかを伝えることがベネフィットを伝えるということになります。

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その上で、先程のPC情報をベネフィットに置き換えて見ましょう

パターン①
ファクト:HDD容量が2TB
メリット:たくさん保存出来る
ベネフィット:容量不足に悩んでいる。
逐一ゴミ箱に捨てて空っぽにして...なーんて面倒な作業から解放! 好きなものを好きなだけ保存出来る快適PCライフが送れる!
パターン②
ファクト:バッテリー容量が6cells 9600mAh
メリット:電池が長持ちする
ベネフィット:朝から晩まで移動でも電池切れ知らずで安心。慌ててモバイルバッテリーを買うこともありません。コンセントを探してカフェに突撃する 時間からもサヨウナラ。コンセント難民を横目に優越感に浸ってやりましょう。充電切れという不要なトラブルから開放され、ストレス “ゼロ”生活が待ってる。

ベネフィットまで落とすことで、より明確にPCの特徴がわかるようになりましたよね。ですが、ここに注意点があります。

メリット:「弱い」けど「広い」ターゲットに刺さる可能性がある
ベネフィット:「強い」けどターゲットが「狭まる」可能性もある

メリットにもベネフィットにも、良し悪しがあります。1つのメリットから複数ベネフィットが生まれるように、ベネフィットを読んで「まさにこれで 悩んでた!これを待っていた」という人もいれば「別にそこには困ってない」という人もいます。また、スタートアップのようにまだターゲットがまだ明確にわからない状況においては、コピーを沢山作ることで刺さるユーザーを絞っていくことになると思います。その場合は、「ベネフィット」まで狭めることなく「メリット」でとどめて沢山作成することも意識しておくと良いかと思います。
このように、ターゲットがハッキリしているならベネフィットを打ち出した方が感情は動きますが、影響力は弱まるけど、広い層を狙っていきたいというのならメリットを打ち出す場面もあるということです。

広告の3原則 「Not Read」「Not Believe」「Not Act」

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人は読まないし、信じないし、行動しないよねという話です。なので簡単に言うなら、人に期待しないほうが良いということです。その時、広告として乗り越えないと行けない壁が出てきます。

その上で、壁を乗り越えられないNOTなコピーの3つの要素を教えていただきました。

①分かりづらい
②主張が一貫していない
③イメージ・想像ができない

それぞれについて詳しくみていきます。

①分かりづらい文章の特徴と改善方法

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分かりづらい文章にも3つパターンがあります。
①文法がおかしい
②言葉そのものが難しい
③内容が回りくどい
1つ目の「文法がおかしい」場合、特に主語がない場合が読み手にとってはかなりストレスです。意識するポイントは、書き手は「頭に結論がある状態で文章を書いて」ますが、 読み手は「文章を読み進めながら内容を把握」していくということです。この違いをきちんと理解しましょう。
2つ目の「言葉そのものが難しい」場合は、小学校3年生が見てもわかる文章になるように意識するだけで十分です。
3つ目の「内容が回りくどい」場合は、結論を先に書くことが重要です。だらだらと文章を続けて、読み手にストレスを与えるなら先に結論を書くだけでわかりやすくなります。

②主張が一貫していない文章の問題点

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「信用」は「共感」から生まれ、「共感」は「理解」から生まれ、「理解」は「納得」から生まれるという言葉を反対から読んでいただければわかりやすいと思いますが、「納得」を生むためには「信用」が重要です。自分が発信の主体者になっているときは、発言の一貫性を重要視する必要があります。内容をぶらさないことが、信用を得るためには重要です。

③イメージ・想像が出来ない文章の特徴と改善方法

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人には「想像出来ないもの」には懐疑心を持つという特徴があります。たとえば、スマホが売り出された当初はどうやって指で操作するのかもわからないかったし、イメージもつきにくかったので人は購入にいたらなかったわけです。いまでは、誰もが知っているし想像できるから購入するけれど、イメージ出来ないものは購入されないのです。
ではどうしたらイメージしやすいコピーを作れるのでしょうか。五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を刺激するコピーを作りましょう。五感にそれぞれ記憶があるから、その記憶を呼び起こすようなコピーが有効になります。

その中でも特に重要なのは、視覚だとおっしゃいます。

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人がもっとも頼っているのが「視覚」です。ただ、もちろんその他の感覚も合わせて刺激してあげることが重要です。個人個人の解釈によって異なっても、五感が刺激され、視覚的な記憶がイメージされるようなコピーを散りばめることで、イメージしやすい文章を作り出すことが出来ます。

コンバージョンさせるために心理的な壁を壊すアプローチ方法

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心理的な壁には3つ存在しています。興味・関心の壁、共感・信用の壁、行動の壁。これはコピーに使えるだけでなく、LPなど広告の全てに使えるので知っておくだけで考え方や行動を変えることができると思います。

①興味関心の壁を超えるキーワード

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なにより興味関心を集めないと共感や信用を得たり、行動してもらうところまで到達しません。だからこそ、興味関心を集めて見てもらうことが「広告コピー」の第一目標になります。よくブランドイメージを重要視して、少し攻めたコピーをNGにされる企業もいらっしゃいますが、何より見てもらうことは重要であるということは知っておいてほしいです。

②共感・信用を勝ち取るコピーを作るためのポイント

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共感・信用を勝ち取るコピーには4つの特徴があります。「主張にはすべて理由を添える」「言葉を変えて何度も説明する」「多くの言葉、情報を与える」「文体から自信を感じさせる」。特徴がわかっても、実際にどのようにしたら共感・信用を得られるのかわからないですよね。そこで、3つのテクニックをご紹介します。

共感・信用を勝ち取るテクニック
その1 デメリットの公開と信用性・反論と信用性

「デメリットの公開と信用性」は、デメリットをきちんと伝えた上で、そのデメリットを上回るメリットをユーザーに伝えることができれば信用度がより上がるというテクニックです。「反論と信用性」は、あえて自分から反対意見や読み手が疑問に感じることを打ち出して、その意見に対してより強い意見や主張をすることで自ら商品の正当性を訴えるテクニックです。二面性のある意見を出しつつ主張は一貫することで、読みても十分検討した上で商品の正当性を理解出来たと感じてくれます。

その2 保証と自信・権威

「保証と自信」は、「自分たちの商品にこんなに自身があるから、この期間中に満足いただけなければ返品可能!」のように保証してあげることで商品に対する自信をアピールする方法です。もし、保証をつけないなら「保証をつけない理由」を述べることが必須なほど保証がもたらす効果は大きいです。「権威」とは、有名人や専門家が発信すると安心だろうという無条件に信じてしまう心理を活用したテクニックです。

その3 ストーリーテリング・客観的資料と証拠

「ストーリーテリング」は、物語性をもたせてわかりやすく伝えるだけでなくストーリー調に解説することで共感を得やすくなります。「ストーリーテリング」が強力な点として3つあげられます。①イメージしやすいこと、②記憶に残りやすいこと、③口コミしやすいこと。
最後に、「客観的資料と証拠」ですが、これは何より揺るぎない「事実」となる資料や証拠を出せるならだすことは効果的です。その証拠が何を示していて、何を証明しているのか?これを具体的に解説することがコピーの役目になります。

③行動の壁を超えるコピーの特徴

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行動させていくコピーで重要なことは、2つに集約されます。1つ目は、いかに「今」行動すべきなのかの動機づけを行うこと。2つ目は、行動せずにはいられなくなる興奮状態を作ること。1つ目の「今」行動すべきなのかの動機づけには「希少性と緊急性」が効果的です。緊急性で「締切○○日まで」や希少性で「数量限定!残り○○」を理由とともに打ち出すことで、行動する動機を明確にします。2つ目は、「成功を疑似体験」させることが重要です。「プラスの感情・恩恵」をイメージさせて、その感情や恩恵がを手に入れることができないことへの「損失感」を与えることが行動する理由を作ります。

質問コーナー

質問コーナーでは、朝長先生からお答えいただきました!

Q1. 自社のサービスを客観的に見ることは難しいと思っているが、その過程でユーザーヒアリングは効果的でしょうか。また、ユーザーヒアリングは必ずやらないといけないことでしょうか。

A. ユーザーの生の声が聞けるなら、もちろん聴いたほうが良いと思います。コピーを作成するときはリサーチが8割で、コピーの作成が2割になるほど、ユーザーのことを知ることは大切です。ユーザーヒアリング以外にも、
Yahoo!知恵袋を見たり、アマゾンのサジェストキーワードからユーザーの知りたいことや欲しい物を調べることも出来ます。

Q2. コピー作成にはどれくらい時間をかけていますか

A. やっぱりリサーチに時間をかけることが中心ですので、LPなど量が多い場合は半日以上、広告コピーなどであれば1時間リサーチして20分で組み立てるくらいのペースで作成します。ただ、初心者でこれからコピーを作成するとなったらもっと時間がかかると思いますよ。

Q3. 広告チャネル(リスティングやFacebook広告など)ごとにコピーを変えたりする必要はありますか

A. 結論変えたほうがいいです。良いコピーだからといって反応が良くなるわけではありません。運用とコピーのハイブリッドが重要で、ターゲットがずれていたら効果は得られません。ただ、実験的にTwitterで極端な2つの広告を出すことがあります。チャネルごとに運用を決めて、コピーを決めていくことが多いです。

Q4. このコピーが良かった悪かったの検証方法を教えて下さい。

A. 広告で検証するのが最も効率的ですが、他にもメンバーに見てもらうとか、1週間寝かしてからじっくり読み返すなどの方法もあります。もちろん広告ベースで成果で検証することもできるんですが、どうしても同じようなターゲットに似たような商品を販売しているとコピーが似通ってきたりしてしまいます。だからこそ、メリットをベースにコピーを生み出し続けて、CPAが悪くなってきたら広告を閉じるなどの判断軸を持つと良いでしょう。

Q5. 朝長さんがおすすめの本を教えて下さい!

A. コピーを作成するならこちらの本がおすすめです。山口拓朗さんの「買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則」です。Tipsが詰まっていて参考になると思います。
こちらは、心理学の本で、脳科学をベースに作られている本です。「脳科学マーケティング100の心理技術―顧客の購買欲求を生み出す脳と心の科学」

鹿熊・朝長教授にご興味がある方「お仕事を頼みたい」「転職してみたい」なんて方は是非、こちらのサイトをご覧ください。

■ライター:まっちゃ

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