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【近視眼の開散不全のプリズムレンズ処方!】トレーニング症例12

■ 開散不全という目の人

開散不全の人の目の状態(動き・症状)と対処方法を解説してますので、下記の過去記事を参考にしてください。

■ トレーニング症例【中等度近視の開散不全の人】

〇データ
●#7A(自覚的屈折検査 完全矯正値)
PD(瞳孔間距離)60mm
R  S ー4.50 
L  S ー4.50 

●#8 #13B(遠方水平眼位 近方水平眼位)
遠方 8△BO(ベースアウト)青ライン
近方  3△BO(ベースアウト)赤ライン

遠方視線で大きな内斜位が特徴の「開散不全」


■ AC/A比 実践暗算計算方法

・15△ー8△+3△=10△  
・10△÷2.5または(×0.4)=4△
・AC/A比 4△ (Normal)・・・調節性輻輳値

*調節性輻輳とは、1D(ディオプトリー)変化した際のプリズム変化量値

【計算解説】
PD60mm1m(1D調節)先のものを見ると6△打ち寄せします
近方視は40cm(2.5D調節)します。そのため近方視での内よせは、15△になります。(6△×2.5△=15△)

遠方の斜位・・・8△BOです。目が安静位で、大きな内斜位です。マイナス(ー)します(上記イラスト・青ライン)

近方の斜位・・・3△BOです。目が安静位で、軽度の内斜位(眼位内)のためプラス(+)します(上記イラスト・赤ライン)

このように組み立てAC/A比を頭の中で計算します。


■ 両眼視検査【遠方/近方・BI/BOプリズム付加テスト】

【遠方余力テスト】・・・遠方視上での輻輳力と開散力の確認
◎#11  遠方BIプリズム付加テスト(開散力テスト)
(分離 6△ / 回復 3△)

◎#9#10 遠方BOプリズム付加テスト(輻輳力テスト)
(ボケ点 10△ / 分離 16△ / 回復 8△)

【近方余力テスト】・・・近方視上での輻輳力と開散力の確認
◎#17AB  近方BIプリズム付加テスト(開散力テスト)
(ボケ点 12△ 分離 17△ / 回復 9△)
#16AB 遠方BOプリズム付加テスト(輻輳力テスト)
(ボケ点 16△ / 分離 20△ / 回復 9△)

*この顧客のデータは、遠方視での大きな「内斜位/開散不全」です。上記のプリズム付加テストデータは、太字の「#11の BIプリズム付加テスト開散余力」データを注視する。


■ 解説 シェアードの基準からのプリズム処方

遠方斜位 8△BO(ベースアウト/内斜位)、近方斜位 3△BO(ベースアウト/内斜位)この顧客の眼位状態では、遠方、近方共に内斜位があり遠方視で大きな問題がある眼位(開散不全)である。

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