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No.14 両眼視機能検査 【両眼バランステスト②偏光板を使ったバランステスト/③交互カバーバランステスト】


■ おすすめ両眼バランステスト3種類

① プリズム分離法
② 偏光板を使った両眼バランステスト
③ 交互カバーバランステスト


前回の記事(NO.13)で、プリズムレンズを使ったバランステスト"①プリズム分離法"を紹介しました。

管理人の私が、検者として検眼をする場合、主にこのプリズム分離法のバランステストを使ってます。両眼を上下に分離し左右融像を除去する事で、調節の介入を防ぎます。

なぜ調節の介入を防ぐことが可能なのでしょうか?

人は、脳からピント調節の指示が出ると毛様体筋が反応し水晶体が膨らみます。調節は左右同じ調節が働きます。片眼づつ調節力の数値を変えてピント調節はできません。

例えば分離した上の画面(右眼)に調節を働かせると同じ調節量が下の画面(左眼)にも反映されるため調節機能による上下(左右眼)の文字の一致はありません。

プリズム分離法は、この人間の生理的機能を利用しますので、バランステストには最適だと思います。

本日紹介します②の偏光板を使った両眼バランステストも同じ作用があるので、どちらのバランステストを使うかは、やりやすい(しっくりくる)検査法でよいと思います。


■ ➁偏光板を使ったバランステスト

基本的な雲霧の方法は、プリズム分離法と同じです。

目的:左右眼それぞれの見え方を同等にし、調節バランスを均等にします
使用チャート:両眼バランス
補助レンズ:右眼135° 左眼45° 偏光板


左右眼の見え方を同時に比較する方法で、左右の最高矯正視力が、ほぼ等しい被検者のみに使用できます。単眼最弱最高視力の状態から両眼オープンにし再び「0.9のひらがな/4つ」視力表をモニターに表示します。

この状態で見た時、0.9視表は、はっきりと見えていると思いますが、「0.9のひらがな/4つ」がぼんやりと見える程度にゆっくりと雲霧をかけます。(通常は、7Mの度数から +0.50D~+0.75D 程度の雲霧が掛かります)

0.9ひらがな視表


(1)両眼バランスチャートを表示します

右眼上/左眼下にあります

レフラクターには偏光フィルターが入っています。雲霧が、かかっているため「ひらがな」文字はかなりボンヤリ見えています。 

モニターにバランスチャートを表示
すると自動で偏光レンズに変わります
右眼135°/左眼45°

(2)被検者に「上の画面と下の画面はどちらが見やすいか尋ねます。見やすい方の画面の視力を落とします。”+0.25D” 加え見えにくい方の画面の視力に合わせます。

度数の上げ下げは、左右交互に行うことが基本です。上記で「上が見えやすい」との返答であれば右眼に "+0.25D" 加えて比較してもらいます。仮にまだ上の画面が見えやすい場合、今度は左眼(下の画面)に "-0.25D" 加えます。ここで見え方が逆転するようであれば ”利目” を優先させてください。

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