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「グローバルなイラストレーターエージェントを目指して」 〜白鳥

こんにちは。ヴィジョントラックメディア編集部です。前回に引き続き、ヴィジョントラックで働くイラストレーターエージェントのインタビューをお届けします。そもそも、「イラストレーターのエージェントって何?」そんな疑問を持つ方もきっと多いはず。それぞれのバックグラウンドや仕事に対する想いを知ることで、イラストレーターエージェントについて興味をもってもらいたい。そんな願いでスタートしたシリーズです。

「グローバルなエージェントになりたいです」目を輝かせてそう言う白鳥さんは、昨年ヴィジョントラックへ入社。世界各地の文化に触れてきた白鳥さんに、これまでのキャリアから今後やりたいプロジェクトまで、じっくりと話してもらいました。

自分にしかできないことがしたくなって

ーーこれまで色んな国に住んでいたそうですね。

幼少期からアジア、ヨーロッパ、アフリカと様々な地域に住んでいました。行ったことがある国は26か国になります。家族で行くこともありますが、自分だけで行くことも多いですね。海外で色んな経験をさせてもらったのは、今でもとてもありがたく思ってます。

ーーアートにはいつから興味がありましたか?

両親が博物館や美術館好きだったので、幼い頃からそういう場所に連れていってもらっていました。大英博物館やオランダのゴッホ美術館で見た絵画の色合い・インパクトの強さは今でも覚えています。一番のお気に入りはイギリスのヴィクトリア&アルバート博物館で、みなさんにも絶対見てほしい!キュレーションがすごく素敵で、PRの仕方がおしゃれなんです。日本の着物の特集からデヴィット・ボウイの企画展まで、いつも面白いことをやっている印象です。数年前、大人になってから改めて見に行ったんですけど、やっぱり良いなと感じました。

それから、学生時代にアートを専攻してました。卒業試験も自分でアートを作ったりして。絶対誰にも見せないですけど(笑)。


机の横に貼られたお気に入りの個展DM

ーーヴィジョントラックに入社する前はどんなことをしていましたか?

新卒でシステムエンジニアとして働いた後、何かもっと自分にしかできないことがしたくなって。鎌倉にオープンするギャラリーの立ち上げスタッフとして働き始めました。そのギャラリーを運営する会社は、音楽&アートフェスの運営やイベントの企画などを行っている会社でした。ギャラリースタッフを経験したあとは、広告制作やイベントに出展する海外アーティストのブッキングを担当するようになりました。アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパのアーティストとやり取りすることが多かったです。

この時の経験から、仕事のスピードとマルチタスキングには自信があります。スピードはただ速いというだけでなく、海外アーティストとのやりとりだと時差があるので、自分都合じゃなく相手の都合にも合わせることを心がけていました。時間の使い方や計画性ーーマネジメント力も身についたと思います。

それから、アートと音楽というカルチャーの世界に身を置いていたので、その空気感・トレンドを理解しているところは今でも強みですね。

ーー多様な国の人と接してきた経験が、今のアーティストエージェントに役立っている部分はありますか?

コミュニケーションを取ることに対して苦手意識はまったくないです。逆に自分と意見が違ったり予想と反することを言われてもあんまり動揺しないというか。それが当たり前なので(笑)もし意見が違っても、私の場合は一回受け入れて、ワンクッション置いてから自分の意見を言うようにしています。でも、意見はバンバン言いますよ(笑)

あとは娘ができたことも大きいと思います。子育て本を読んでいると、「6秒は自分の中で揉んでみよう」って書いてあって。子どもに対して「わがままだな~!」って思うのも大人の感覚での「わがまま」であって、子ども本人は素直な気持ちなだけ。だから一度自分の中で受け入れて揉むことはすべておいて大事なんだなと、子育ての時に再確認しました。実際はそううまくいかないことが多いですが(笑)母親として日々学んでいます。

私も相手もあくまで人間で、感じ方も皆それぞれ違う

ーーイラストレーター エージェントとして、心がけていることはなんですか?

ずっと海外の人とメールでのやりとりが多かったのもあり、文章としての言葉選び、表現の仕方・伝え方を大事にしています。前職でも今でも相手を尊重する点は同じですね。私も相手もあくまで人間で、感じ方も皆それぞれ違うと思うんで、相手を否定する必要性はまったくないって思ってるんです、どんなことにおいても。

否定する必要がないのは、この仕事には正解がないからだと思います。お互いにより良くしたい気持ちは私もクライアントもイラストレーターもみんな共通して持っていることだから、基本的にそこにマイナスな要素はいらない。指摘と否定はまったく別のことだと認識していて、指摘はマイナスなことではないと思うんです。

だからこそ、とにかくコミュニケーション不足にならないようにしています。気軽にいつでも気になった点は連絡してもらえるような雰囲気を作っています。気軽にってところが私の売りですね。

エージェントを担当したサッポロビール 企業CM

毎日変化していくところが面白い

ーー前職ではサーフカルチャーに軸足を置いたアーティストの方が多かったと思いますが、今、ヴィジョントラックでイラストレーターと仕事をしていて、なにか違いを感じるところはありますか?

アーティストは自己発信の方々なので、アーティストが表現したいことをサポートしていくのが私の役割でした。でもイラストレーターの場合は、クライアントの課題を解決する部分が大きいと思います。もちろん、イラストレーターにもその人のタッチや良さがあるので、そこを反映しつつクライアントの要望を落とし込んで、形にしてもらう。エージェントがクライアントの要望を翻訳して伝えて、常に形を変えながら良いものを作っていくっていう、毎日変化していくところが面白いと感じています。

ー入社して半年の中で、自分の力が発揮できたと思った時はどんなときでしたか?

そのプロジェクトに対して最も相応しいイラストレーターを提案できた時ですかね。イラストレーター を多く知っていることも必要ですが、何が求められているのか汲み取ることが大事です。「まさにこの人ですね!」と言われたのが嬉しかったので、そこは得意なのかなって自負しています。それに想像を越えるような提案ができることも心がけています。

ふかや花園プレミアムアウトレットのプロジェクションマッピング  / IKEGAMI YORIYUKI
ふかや花園プレミアムアウトレットのプロジェクションマッピング / 牧かほり

ふかやアウトレットのプロジェクションマッピングのお仕事は一番初めにまかせてもらった大きな案件でしたね。10人のアーティストのイラストでかつアニメーションにもなるという。クライアントもすごくいい人で、やりがいもあり、イラストレーターさんたちとも気持ちよくやりとりできたプロジェクトでした。

世界でも活躍できる方を発掘・育成

ーどんなイラストレーターをエージェントしたいですか?

世界でも活躍できる方を発掘・育成したいです。ヴィジョントラックに入って、「こんなに日本に素敵なイラストレーターがいるんだ!」っていう発見がありました。だからまずは「日本から世界へ」という点に重きを置こうかなと。特に松原光さん前田豆コさんは表現の仕方が型にハマっていない感じや視点の面白さがあって、世界で通用するイラストレーターだと思います!


ーこれからどんなプロジェクトをやってみたいですか?

グローバルな仕事をもっとしたいです。海外でのエキシビジョンの出展サポートもしてみたい。特に気になっているエリアはアジアです。今アート市場がすごく盛り上がっているのでぜひ参入したいなと思っています。ヴィジョントラック所属のNut DaoさんTuna Dunnさん在住のタイを始め、香港、台湾あたりがすごく気になってますね。

あとは、滞在期間が一番長かったアフリカのアートをいつか日本やアジアに広められたら嬉しいなと思っています。


過去に白鳥が担当した案件をチェック

イラストに関するお問い合わせは
info@visiontrack.jp
http://www.visiontrack.jp/


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