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人間の豊かさは資産ではなくパーソナルスペースの広さ

日本の都市部では人のイライラによる争いごとや不満、犯罪が後を絶ちません。高度成長期を経て経済的にも物質的にも充実した日本がこのような状況に陥っているのは何故なのでしょうか。給与水準が下がっているとはいえ、世界的にはまだまだ資産を溜め込んでいる日本。生死の境を彷徨う状況で食べられないという訳ではありません。最近、都市部ではコンビニエンスストアやドラッグストアが溢れていて、生活に必要なもので手に入らないものは少ないでしょう。

ここまで物質的に満たされた社会になったにも関わらず、都市部を中心としたイライラを解消できない理由は何でしょうか。むしろ、昭和初期や戦後に便利でない時代の方が、日本人は、もっと充実した生活を送っていたと思います。ということは、物質的な満足度を向上させても人間の豊かさ、充実感は向上しないということが証明されつつあるのです。

他の国に目を向けてみましょう。例えばメキシコは、未だに物質不足な国です。にも関わらず幸福度は世界5位以内の常連です。ヨーロッパの各国もこの国民の幸福度を指標とした政策や改革が進んでいる為に、上位に多くの国が入ります。南米コロンビアやアジアではベトナムなども上位国です。我々日本人は、この現状をどう捉えたら良いのでしょうか。

人が幸せを感じる瞬間は、気持ちが豊かに感じる時間が長いことに由来すると言われています。例えばメキシコ人の世論調査では、豊かさを感じる瞬間を週末に家族や親戚で屋外で集まっている瞬間であると答える人が多くいます。上位の国は決して資産・物質的に豊かな国ではありません。それでも幸福度が高いことには、このメキシコ人たちのコメントに表れているのです。

私の住むアメリカでも「パーソナルスペース」を大切にする文化があります。それは、出勤や通学などですし詰め状態になる時間を極力減らしたり、家族と家の外の自然と触れる時間を大切にしたり、旅行をしてバケーションを楽しんだり、人それぞれですが、ここには共通点があります。「人混みに塗れることを避ける」というものです。

生物学的にも、動物というのは一箇所に押し込めるとストレスが上がり、殺し合いさえ起きるということがわかっています。たくさんの卵を生産しようと鶏をたくさん狭い檻の中に閉じ込めるとかえって出産率が下がり、なおかつお互いをつつき合い、殺し合いまで始まってしまうのです。この状況は、今の日本の都市部に似ていませんか?

経済成長を遂げた日本がこれから大切に考えていかなければいけないヒントがここにあります。「働き方改革」や「生活環境の改善」、「豊かさの探求」を中心に、日本の社会がお互いを突き合わなくて済む社会へ変化していく必要があります。これからの日本に生活していく若者、子供達には、是非、このパーソナルスペースという概念を大切に生きて欲しいと思います。

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