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音楽理論についてどうおもう??【Music-Con-Text】vol.18

「Music-Con-Text(以下MCT)」は、音楽家(音楽を作る人・歌う人)が作る新しい音楽メディアです。素敵な音楽はたくさんあるけど埋もれてしまいがちな昨今、バズっているバズってない、古い新しいに関わらず、音楽家がいいなと思った音楽を紹介する音楽メディアを目指しています。毎週月曜日夜21時更新予定。noteマガジン「Music-Con-Text」をフォローしてお待ちください。

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「音楽理論についてどう思う??」特集

Xでちょっと話題になっていた「音楽理論」についての話、みなさんの目にも入りましたか??僕のところにもいくつか意見が流れてきました!今回だけじゃなくても「音楽理論」についての意見は、時々いろんなところで話題に上がりますよね!中には炎上っぽくなったり・・・。

MCTはたくさんの音楽家が文章を書いてくれているので、せっかくなら、MCTに参加している音楽家のみんなが"音楽理論"についてどう考えているかが知りたくなって、今回のテーマにしてみました!

それではどうぞ〜〜!(sumeshiii)


✏︎詩川天楽 の"音楽理論の話"

音楽理論について思うこと

こんにちは。うたがわです。

今回のテーマは音楽理論です。私は音大受験を経て音大に通ったのでクラシックの音楽理論(以後和声理論)の勉強から入りました。
その後はポップスの作曲のためにポップスの音楽理論(以後コード理論)を独学で学び音楽を続けています。

和声理論とコード理論は似て非なる物なので同時並行して学ぶとごちゃごちゃになってしまってわけわからんくなりました。 今ようやく和声理論とコード理論の理解度が逆転してきて、ポップスの作曲の速度と理解度が上がってきているように感じます。

和声理論でもコード理論でもどちらでもそうですが、学ぶ事の必要性は学んだ者にしかわからないと感じています。

「この音の並びは気持ちいいな!」「この曲のこの部分の響き気持ちいいな!」 と思うことは誰しもあると思います。あるよね? 理論を学ぶとなぜこれが気持ちいいのかの理由がわかるようになります。 終止がどうだ、とか進行がこうだ、みたいな難しい言葉を使ったりすることもありますが、基本的には感じることに名前をつけているだけだと思っています。

必ず学ばなければいけない訳じゃないとは思いますが大多数の人は感覚だけで制作するのには限度があると思います。
私もまだまだ勉強中の身ですが、学んでいなかった頃よりも明らかに引き出しが増えたように思います。
最初は触れなくてもいいと思いますがある程度のレベルに達した時にはなんであれ勉強は必要になるでしょう。
その学んだ時に感覚で作っていたことの答え合わせができるようになると思います。

そんな感じの理由から僕は音楽理論は学んでおくべきだと思っています。 最初から学ぶ必要はないけれど必要になる時がきっときます。
良い音楽人生を楽しめますように。

うたがわ。

▼詩川天楽 の楽曲紹介

紹介するのはこちらです。
秋の日に/うたがわそら

2023年末に新しいアルバムを出しました。 その中から一曲をお届けします。 今までの集大成として出したアルバムです。 よかったらその他の曲も聞いてみてくださいね。 2024年もよろしくお願いします。

詩川天楽

✏︎tatto の"音楽理論の話"

たっとです!!

曲を作ることにおいて「音楽理論は必要ですか?」と聞かれた自分の答えとしては「必要ない」です。

正直なところ自分は楽譜を渡されても下からドレミと音階を数えながらしか理解できませんし、自分の作った曲の正確なコード進行、スケールも把握できません。
それでも曲は作れます!!
今日、音楽制作環境は日々進歩を続け、いい感じのコード進行のサンプルを選択し、数あるライブラリから流行りのリズムパターンを選び、耳心地のいい言葉を並べ、可愛い女の子のボーカロイドに歌わせればそれでおっけーです!!

まぁこれはあくまでも自己満足の世界の話ですけどね。

制作中の自分の頭の中は、まぁなんとなく次に鳴らすいい感じのな音はわかるし、鳴らしたらエモい響きになるおとの重ね方も知ってるし、曲の中で使ったら微妙な感じになるから使わない方がいい音もある。
でもこれって全部手探りなんですよ。
鍵盤を等間隔に押してなんか違うなって思ったらずらす、いいなって思ったらその形のまま上にずらす、もうちょっと上の方がいいなって思ったからもう一個上にずらす。
いいじゃん。じゃぁ次は下に行ってみよう。
んーやっぱ上の方がいいかも。
あーでもなんか上行き過ぎたから上の方の音をオクターブ下にしてみよう。
あ、なんかいい感じかも。
じゃぁこれを4回繰り返そう

これを完成まで繰り返します。 なんて効率の悪い作り方してるんですかね。
この面倒な手探りの作業の答えを、偉大な作曲家の方々を研究してパターン化してくれたものが音楽理論だとおもってます。
自分の中では先人たちの轍(わだち)のような感覚です。 この場所から次の場所に行くならこの轍を辿れば安全だし、道に迷ったら轍に沿って行けば必ずどこかには辿り着くきます。
たまには轍を逸れて冒険するのもいいでしょう。
既にある轍を無視することが悪いとは言いませんが、行きたい場所の近くまで続いてるならそこまで轍に沿って歩くことは迷子や事故は圧倒的に減りますし、精神的にも時間的にも余裕ができると思います。
余裕ができれば音色を選んだり、フレーズを試行錯誤できたり、いろんな場所に気を配れます。

結局理論を学んでない自分も足元見てみたらちゃんと轍の上に立ってたりすることがたくさんあります。
だったら最初から少しでも轍にそって歩いてみても良いんじゃないですかね?

結局のところ作曲のアプローチは千差万別なので自分が満足できるものが出来るのであればそれが正解だと思います。
轍に足を取られ身動きが取れなくなることもあれば、轍を無視して歩き続けたら誰も見たことのない素敵な景色を見る事が出来るかもしれません。
そんな旅路にこんな曲はいかがですか?

サザンオールスターズ - 希望の轍

どれでは良い音楽の旅路を!!!

▼tatto の楽曲紹介

今回紹介させていただく曲はこちらです。
砂海の人魚 /さざなみセレナ

自分が主催したVtuberとcomposerを繋ぐ企画『Vオリドラ』で制作した楽曲です。 2024年初夏に第7回を開催する予定なので興味がある方はTwitter(現X)で『#Vオリドラ』で検索してみてください!!

tatto

✏︎ねっぴ の"音楽理論の話"

2024年も音楽をしたい。ねっぴです。

音楽理論ならば書かねばと言うことでやってきました。小煩いかもと思いつつ書きますね。

私は音楽大学のジャズコース出身です。 和声楽などもある程度取っていましたが、私の音楽理論はポップスの知識が大半です。

私の所感でいうと、理論知識はあることに越したことはない、です。
料理で言うと、なんとなくは作れるけどレシピあった方がバリエーションとアレンジの幅や正確さみたいなのは増えるよねって感じです。
あとはこれは他の方と話す共通言語が増えることによって話が早い、理解が深まると言ったところですね。
あとは耳コピ早くなりますw

流行り廃りもありますし、今はそれがOKになったりとか全然あるわけです。(和声楽ではだめだけど、ジャズの範囲なら余裕でおっけーの話(exテンションとか)もあるわけで。)
自分がいいと思うならそれでいいじゃん、が私の最終的な意見です。

理論はやりたいと思わないとやれないですよね。 私はたまたま理論の先生とうまく噛み合い、作曲とアレンジが楽しくなってしまい、まじで誰も受けてないような授業も取ってたり、先生の代わりに補習を個人的に請け負ってた特殊タイプなのでよかったな(?)って思ってます。
実は大学入るまではコードの7thとMajor7thの違いもわかってませんでした。

まぁただMIXしててもボイシングの詰みが足りない時のコーラスを増やしたり、mid部分が抜けるなーって思ったら詰みの部分で足りないところ補完してあげたり、スケールは横の動きの時にスケールorクロマチックでアプローチするのかみたいな幅はやっぱり広がりますよね。

しかしです。大半は大学で習った小難しいことは今作曲では使ってません。
アッパーストラクチャートライアドとかコルトレーンチェンジとかなんかそんなんは仕舞い込まれてます。
なので理論って言う小難しそうな字面は置いておいて、楽譜読むってところから始めてみるといいかもですね。

私のレッスンではピアノと称しながらも理論とかの話もたくさんしてやるタイプなのでご興味ある方は〜。

とりあえず理論の門を開けてくれた先生の曲置いておきます。

invitation/香取良彦 JAZZ ORCHESTRA

本当はルパンのアレンジがあるんですけど正規のものが転がってないので、「ルパン三世'78[Melting Version]で探してみてください。

▼ねっぴ の楽曲紹介

宣伝の代わりに私が大学でやったアレンジ課題の発表時の音源おいときますね。

ねっぴ

✏︎hijiri の"音楽理論の話"

ひじりです。 音楽理論についてどう考えてるか整理したので共有します。
勉強するか悩んでる人の参考になれば幸いです。

【音楽理論について思うこと】
・便利
・他の人と作業する際に必要
・スランプになりづらい(OKかは置いといて曲が書けない事はなくなる)

【どういうふうに使っているか】
・アナライズ
・リハモ
・ハモリ作成
・弦管を使用するとき
・複数の調を使用するとき

【必要かどうか】
必要な人
・複数の人と作業する

不要な人
・自身の成果物に満足してる

【どうやって勉強したか】
下記の流れで覚えていった気がします。
体験(この曲いいな)→知識(こうなってるんだ)→体験(実践)→経験(なるほどな〜)

①ダイアトニック + メジャースケール + 平行調 + 度数  
INPUT   
a.本とかネット(信頼のある著者か発行元で)   
b.ギターコード指板図くん(リットーミュージック元)
コード・構成音・度数の表記と音の確認ができるページあり   

c.DAWにコードやKeyの補助機能があるのでそれを利用するのもいい

OUTPUT 
a.白鍵(ドレミファソラシド)のみで、数曲書いてみる   
b.検索ワード「好きな曲名 + コード進行」で出てきたコード進行でメロを書くなど

②譜割(何分音符とか拍子)  
INPUT 
a.義務教育で習った(yamahaのサイトとかwikiでも大丈夫)  

OUTPUT   
a.演奏   
b.ドラムの打ち込み

③転調  
INPUT 
a.リファレンス曲を分析する  

OUTPUT   
a.サビだけ転調(同主調 or 短3度転調から始めるのが分かりやすいかも)
b.転調する方法を増やす(ブレイク、コード、フレーズなど)

④やりたい事に応じて対位法とかモードとか楽器毎のボイシングなど

▼hijiri の楽曲紹介

真名瀬ゆあ/sleep in

ProjectBLUE所属 真名瀬ゆあさんの初オリジナル楽曲を担当しました。 ASMR配信/シチュボを中心に活動されているのでそちらもぜひ

hijiri

編集長 sumeshiiiのコラム

今回はこれまでの記事とちょっと趣向を変えて「音楽理論についてどう思う??」という特集にしてみました!

僕自身もみんなの記事を読んでてすごい参考になったし、みんなそれぞれ考えを持ってて、""この音楽家たち、、、信頼できる!!!!""と、改めて書いてくれたメンバーのことが好きになりましたw

今回の記事はまさに、音楽家がどんなことを普段考えてるかが垣間見える記事になっていると思うので、気になる人がいたらぜひその人の音楽も聴いてみてください!コメントなどもたくさんしてくれるとみんなの励みになります!

sumeshiiiの場合

作曲をはじめたのは高校生くらいからだったんですが、そこから大学生になるくらいまで、音楽理論についてはまったく勉強せず、感覚だけで作ってました。が、ある時バンドをすることになって、そのメンバーがみんな音楽理論ばりばりだったので、それについていくため必要に駆られて音楽理論を勉強しましたw

でもやっていくと「あ、この音の動き、あの曲でやってたやつだ〜」とか「このリズム、なんかいいなって思ってたんだけど、こういう理論だったのか〜」というのがいっぱい出てきて、最初は、理論を勉強すること≒感覚に名前をつけていくこと、という感じでした!そこから勉強していくと、知らないこともいっぱいだったし、感覚でなんとなくわかるのと、実際にそれを使いこなすのは天と地ほどの差があって、理論の扉を開けたらその先は広大な土地が広がってた・・・みたいな感覚でした。

hijiriさんがまさに書いているとおり「複数人で音楽をやるため」必要に駆られて理論を学び始めた自分ですが、元来新しいことを学んだりするのは好きなので、すこしずつ独学で勉強していき、現在も勉強中!

僕が最初に学んだのはこのサイトです!とても丁寧に書いてあるのでおすすめです。実際に興味持った方は、ねっぴさんもレッスンやってますし、僕もオンラインのレッスンやってたりするので、そういうのチェックしてみるのもぜひ!

それと、最後に注釈しておきたいのは、音楽理論って、結局西洋の音楽の歴史の中で生まれてきたもので、そうじゃない価値観を持つ音楽もこの世にはいっっっっっっっっぱいあるってことです!

最近の話題だと、メジャーコードを"明るく感じる"・マイナーコードを"暗く感じる"というのは西洋音楽的な経験によって認識されてるらしい、って話もあります。西洋音楽理論を学んでいくとその外にさらに広大な音楽の世界が広がってるんです。(ハンターハンターの世界樹の木の話みたいですね😀)

そんなわけで、音楽っておもしろいよね、って話でした!!

P.S.
★リスナーのみなさんの2023年ベスト曲特集は現在集計中!1月中には公開するからね!!
★今回から記事書いてくれた音楽家のアー写をいれるようにしてみた!他何かあったらコメントで意見聞かせて!!

sumeshiii a.k.a.バーチャル

MCTメンバープレイリスト!随時更新中!

MCTに記事を書いているメンバーのオリジナル曲プレイリストがあります!記事と合わせて楽しんでね!プレイリストはメンバーが増えると随時更新されていきます。時々チェックすると曲が増えてるかも・・・?!

Apple Music

Spotify

Artwork by 詩川天楽


参加したい音楽家の方、募集!

参加者募集

音楽家(楽曲制作をする人、作詞をする人、エンジニア、そして、歌う人)で、この企画に興味ある、参加してみたい、という方はぜひsumeshiiiのX(Twitter)や、Discord知ってる方はDiscordまで、ご連絡ください!運営Discordサーバーを制作しましたのでご招待します。

sumeshiiiのX(旧Twitter)はコチラ↓↓
https://twitter.com/araki_s_sumeshi

まずは1曲、特集内容にそった自分のおすすめ曲をコメントしてみるというだけでも大丈夫ですので、ぜひ参加してみてください!やってみて合わなかったら読む専に徹底しても大丈夫ですし、抜けても大丈夫です!音楽の紹介コメントって結構楽しいし、それを各自ばらばらにあるよりかはコンセプトの元にまとまってたほうがより効果があると思うのですよね・・!そんな意図もMCTにはあります。

今後の展望

今回特集記事で書いたような、楽曲紹介コメントを書いてくれるメンバーを募集して、記事を定期的に出していけるようにできたらいいな、と思っています。

そして、現在はsumeshiiiのnoteに投稿していますが、MCTに参加してくれるメンバーが増えれば、その中からご自身が編集長として各自で特集を組んでご自身のnoteで公開するという方がどんどん出てきたらいいなと思っています。(なのでnoteのマガジン機能を使います!)そうすることで、ご自身の音楽と記事を紐付けることができ、記事の閲覧者が増えるほど自身を宣伝する機会が増えていくことになると思っています。それがMCTの最大の狙いです。

さらには、ライブ配信と連動してみたり、Spotifyのプレイリストやポッドキャストの連動もしてみたいし、さらにその先はコンピレーションを作ったりなど、より広がりがある展開ができると考えています。最初は音楽家限定にしていますが、そのうち、ライターの方のコーナーやリスナーが参加する企画などもできたらいいなとも思っています。


バックナンバー

Music-Con-Textの詳しいコンセプトや、sumeshiiiが立ち上げた理由、理念などはこちらの記事に書いてありますので、合わせて読んでみてください!

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