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土用丑の日と、映画「劇場」

今日は丑の日ですね!なるべく、季節の行事等には参加しよう!と思っているので、ランチはうなぎにしました。美味しかったです。


そして、又吉直樹さんの劇場の映画版を観ました。
原作も大好きだけど、それを超える脚本というか、ラストが原作と少し違って、それがまた、とても良い終わり方だったのです。

なにより、キャストさん達の素晴らしい演技!!!
今までは、好青年の役が多かったイメージの山崎賢人さん、今回の永山役は正直、「クズ男」と言われるような役です。
でも、繊細さや夢を追い続ける純粋さ、同時に押し寄せてくる焦りや嫉妬、又吉さんならではのユーモアも覗かせる男で、魅力的にわたしには見えます。

ヒロインの松岡茉優さんも、本当に可愛らしくて純朴で……東北出身の優しく可憐な若い女の子が、東京という街と、東京で出会った永山という男から、色々な洗礼というか、仕打ちを受け、徐々に変わってゆく描写も、とても胸に響きました。


この独特の東京への想いって、地方から上京している人ならではだな!そういう人にしか書けない、複雑な感情が入り乱れている。憧れるなあ!と、思います。

わたしは生まれも育ちも湘南で、子どもの頃からお小遣いの範囲で東京に遊びに行ける距離感で育ちました。
結婚後は徐々に都心に近付くように引越しを重ねているので、都落ちというのでしょうか?その経験がないのです。

なのでもちろん、東京への過剰な憧れも執着もなく、娯楽に溢れマイノリティに優しいから好きだけど、人多すぎ・星が見えない・水と空気がおいしくない……と思っています。(奥多摩とかに行けば話は別ですけど。)

大好きな作家さんであり、夭逝されてしまった雨宮まみさん(福岡県出身)の作品からも、東京への羨望、執着、欲情に近いようなドロドロとした気持ちが文章から滲み出ていて、その感覚を味わってみたかったな、と思います。
創作意欲に繋がりそうです。

もう一人大好きな女性作家さんがいて、酒井順子さんなのですが、東京生まれ東京育ち(しかも確か、23区内)の彼女の文章には、そういうものが一切、感じられません。根っからの都民の、独特の余裕みたいなものは、感じます。
逆に、文章から地方への憧れを感じたりもして、共感できるのです。


又吉さんの小説は火花、劇場、人間と、全て読んでいます。全て面白いと思います。
なのでぜひ、人間も映像化してほしいですね。

昨年、渋谷で行われている彼主催のイベント「実験の夜」も観させていただきましたが、すごく面白かったです。彼はとても、頭の回転が早い人だなと感じました。

はやくコロナが収束し、またぜひ劇場に足を運びたいです。



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