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半夏生バンザイ

昨日は半夏生(はんげしょう)。

夏至から数えて11日目、太陽が天球上の黄経100度を通過する日。
夏の半ば頃だから半夏だ。

この頃に降る「半夏雨」は大雨になることが多いとされ、事実、西日本を中心に恐ろしい雨が降っている。
これ以上、被害が拡大しないことを心から祈っている。

半夏生に降る雨には毒気が含まれるとされたから、古来、この日は野菜の収穫をしない、この日から5日間は農作業を休むなどの風習があった。
半夏生までに畑仕事や田植えを終えるという、農家にとって重要な暦日だ。

でもまさか本当に毒を含んだ雨が降るとは思えない。
となると毒気とは、つまり夏の暑気のことだろう。
急に暑くなるこの時期、一気に身体にたまる疲れを毒気と称したと考える。
だから、よく元日しか休みがないとされる農家だけど、この時期にまとめて5日間も休むという合理的な措置を取ったのかなと。

その毒気、いや疲れを癒すため、半夏生には〇〇を食べるという風習も古来盛んだ。
サバを食べる、イモ汁を食べる、餅を食べる…
関西ではタコを食べる。

タコには疲労を吹き飛ばす物質、ご存じタウリンが豊富。
タコを食べたら元気になる=解毒作用があると信じられたのだ。
半夏生にタコを食べるというのは決してタコ流通組合の奸策などではない。

関西の中でも、タコの名産地・明石を抱える兵庫県民は断トツで半夏生にタコを食べる率が高いという。
先日の〈ぐるめぐる神戸 in 明石〉にご参加いただいた方は、明石の台所・魚の棚を歩いたとき、新鮮なタコが山盛り売られる中に「半夏生にタコ!」のポスターを見かけたことだろう。

で、タコを食べた。

モロッコからはるばるやってきたタコは…

ぶつ切りにして、生姜をきかせたタコ飯に。

目の前の海で揚がった明石タコは…

ささっと皮を剥いて、タコ刺しに。

いやん!
元気になるぅ。
半夏生バンザイ。

(2024/7/2記)

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