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黒木渚というミュージシャンを知っているだろうか

黒木渚。
宮崎出身の女性アーティストだ。

何きっかけだったかはまるで覚えていないが、ちょうど同名のバンド「黒木渚」を解散する少し前だったから2013年頃に知っただろうか。
初めて聞いたミニアルバム「黒キ渚」に収められた楽曲はどれも中毒性があり、「あたしの心臓あげる」や「カルデラ」はそのギラギラした歌詞に衝撃を受けた。

梅田で開かれたインストアライブに出かけ、マイク以外に地声まで聞こえるほど間近で彼女の歌声に接した。
そして彼女は、とてもかわいい。
サインをもらい、握手をしながら、かっこいい!と伝えたところで、もう引き返せなくなっていた。

ほどなく彼女は小説も出しはじめた。
大学院まで進んで文学にのめり込んだという才、いかんなく発揮だ。
処女作の『壁の鹿』は、壁にかけられた剥製の鹿が喋る話、などとチンケな説明はよしておこう。
ライブで見せる独特の語りもそうだが、彼女の作品には強いメッセージが込められている。

noteを始めた初日、趣味が同じ仲間を探そうと「#黒木渚」で見つけたnoterさんにコメントを送ったのも懐かしい思い出だ。
だからか、自分のnoteの記憶に黒木渚がちょっぴりかぶる。

ここ数年、音楽全般が煩わしくなって、音というものから遠ざかっていたが、今思えばそれは黒木渚が喉の病に苦しんで音楽活動ができなくなっていた時期と重なるから、彼女の歌声に飢えていたのかもしれない。
昨年、YOASOBIの「夜に駆ける」を世間から周回遅れで初めて聴いて、あ、これ好きかもと思ってからはまたイヤホンを耳に繋ぐようになった。
またしても中毒性のあるメロディと物語性を帯びた歌詞にやられたなと思いながら、喉が回復してまた歌いはじめた黒木渚の音を耳に注ぐ。

(2021/2/23記)

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