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単に「昼と夜の時間が同じ記念日」ではない

今日は春分の日。
子供の頃は、今日が昼と夜の時間が同じ日なのかとわくわくしたものだ。
秋分の日も同じようにわくわく。

でもなぜ春分と秋分は祝日なのだろう。
四季を愛でるのが日本人なら、夏至と冬至も同じように祝日にしないのもなぜだろう、などと考えていた。
子供の頃からのこの疑問、ちょっと調べてみよう。

祝日は現在16日あるが、昭和23年に定められた当初は9日だけだった(下記太字①~⑨)。

①元日(1/1)
②成人の日(1/15→1月第2月曜)
 建国記念の日(2/11)
 天皇誕生日(2/23)
③春分の日(春分日)
④天皇誕生日(4/29)→みどりの日→昭和の日
⑤憲法記念日(5/3)
 国民の祝日(5/4)→みどりの日
⑥こどもの日(5/5)
 海の日(7/20→7月第3月曜)
 山の日(8/11)
 敬老の日(9/15→9月第3月曜)
⑦秋分の日(秋分日)
 体育の日(10/10→10月第2月曜)→スポーツの日
⑧文化の日(11/3)
⑨勤労感謝の日(11/23)

当初の9日の中にしっかり春分の日がある。
内閣府の祝日解説によると、春分の日は満場一致で採用されたらしい。

春分の日:自然をたたえ、生物をいつくしむ
祝日法の制定時の記録では、この日は、昼夜の長さが等しく、「自然のあらゆる生命が若々しく盛り上がる時」であるため、異議なく採用されたとされています。

内閣府「各『国民の祝日』について」

秋分も当初の9日に選ばれている。
実に9日の内の2日を春分・秋分が占めているというのはなかなかだ。
祝日にしてよいというムードが相当強かったと思われる。

昭和23年に祝日が制定されるまで有効だった旧祝日は以下の11日。
この中から新祝日に引き継がれた5日(太字①~⑤)の中にも春分(春季皇霊祭)・秋分(秋季皇霊祭)が。

 元始祭(1/3)
 新年宴会(1/5)
 紀元節(2/11)→後に建国記念の日として復活
①春季皇霊祭(春分日)→春分の日
 神武天皇祭(4/3)
②天長節(4/29)→天皇誕生日→みどりの日→昭和の日
③秋季皇霊祭(秋分日)→秋分の日
 神嘗祭(10/17)
④明治節(11/3)→文化の日
⑤新嘗祭(11/23)→勤労感謝の日
 大正天皇祭(12/25)

昭和2年勅令第25号「休日ニ関スル件」

春分・秋分の扱い、かなりすごい。

その理由はもちろん「先祖を祀る彼岸の中日」だからだ。
単に「昼と夜の時間が同じ記念日」ではない。
夏至・冬至も太陽の運行的には区切りだが、祭祀の日ではないのだ。
疑問が解け、ちょっとスッキリした。

日本人の精神にとって、先祖を敬い、祀ることは大きな意味を持つもの。
今日はこれから父のところに行って感謝を伝えてこよう。
来週入院したらしばらく行けないから。

(2023/3/21記)

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