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少しずつ大人の神戸を知ろうと思っている

京都に暮らしたことがあるといえば、わぁ、おいしいお店いっぱいご存じなんですねとなる。
おばんざいの店も、鯖寿司の店も、京懐石の店も、わぁ!と。

いや、僕が京都に暮らしたのは1日の食費をどう切り詰めるかに躍起になっていた学生時代だ。
飲み歩いたこともなければ、美食家だった記憶もない。
大学周辺にゴロゴロあった、食べきれない量の定食が300円台の中華料理店とか、食べきれない量のオムライスが500円台の喫茶店とかなら両手の指で足りないほど知っているけれど。

それと同じことが神戸にもいえる。
今でこそ神戸にまた暮らしているが、愛媛で山暮らしをしていた頃の僕は、神戸暮らしの経験といえば小4から大学入学まで。
そんなひよっこがうまい店など知るはずもない。
だけど愛媛では、わぁ神戸いいですね、ケーキもおいしいし、なんといっても神戸ビーフですよねといわれ続けた。
なわけない。

たしかにケーキは身近だった。
僕が少年期を送ったひなびた漁村の塩屋にも小さなケーキ屋がポツポツ点在し、子供心にケーキ屋多っ!となっていたし、そんなだからちゃんとしたケーキは頻繁に食べていた。
でも皆が期待する有名パティシエの絶品スイーツなどは、三宮もまだろくろく歩いたこともない当時の僕が知る由もない。

そんな中高生が、やっぱりビーフは神戸に限るよなとか、あの絶妙な焼き加減を生み出す鉄板ワークはさすがとか、はたまた神戸ワインとのマリアージュもステキなどとのたまったら気持ち悪い。

僕は今、たまに〈神戸グルメツアー〉などと銘打って、神戸のうまいどころを巡る会を催したりしている。
今月下旬にもさっそく新開地でハシゴ酒を計画していたり。

ところが新開地でハシゴ酒をした経験はおろか、食事をしたこともない。
そう告白すれば、なんや偉そうにツアーとかゆうてるけどそんなレベルなんか、そんなヤツといっしょに行っても…と思われるかもしれない。
そう、そんなレベル。

でも、大人になった僕は、ここは楽しそうだ、ここはうまそうだと察知することができるようになった。
そして実際そこに足を運ぶ行動力や経済力も身につけた。

そんなふうにして、今になって少しずつ大人の神戸を知ろうと思っている。
新開地ハシゴ酒ツアー、楽しい会になることはもう疑いようもない。
よければごいっしょしませんか?

(2023/7/12記)

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