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これで誰も間違えまい

カンカン。
ピーポー。
ウーウー。

分からぬ。
とんと分からぬ。
消防車、救急車、パトカーのサイレン音の違いが分からぬのだ。

いや、正確にいうとちょっと違う。
カンカンは消防車というのは分かる。
ピーポーが救急車というのも分かる。
分からぬのはウーウーだ。

カンカンとピーポーが特定できたんなら、残るはパトカーしかないやんとなるが、それがそう簡単ではない。
たまに消防車がカンカン+ウーウーと言ってみせたり、救急車もピーポー+ウーウーと唸ってみせたりするからややこしい。
いずれも基本はカンカン、ピーポーだが、交差点に進入する時などに注意喚起でウーウーを加えるようだ。

ということは、ウーウーだけならパトカーだ!と積年のナゾが解けた気でいたが、この記事を書くにあたって調べるうち再び壁にぶちあたった。
消防車のサイレンには次の3とおりがあるらしい。
・火事に向かう場合:カンカン+ウーウー
・火事から帰る場合:カンカン
・火事以外の緊急走行:ウーウー
ほらほら!

厳密にいうと、パトカーのウーウーは4秒周期、8秒周期の2種、消防車のウーウーは6秒周期なのだそうだが、そんな違い分かるわけがない。
ウーウー聞こえてきた…よし計ろう…これは…6秒…かな…いや…8秒…えっと…あれ? どこ行った?

周期で区別するならもっと明確に、たとえばパトカーは30秒周期にするとかにしてくれないと。
その昔、名神高速でちょびっと速度超過した際、後ろから迫ってきた覆面パトカーの低くドスの利いたサイレンは心理的には60秒周期だったけれど。

いやもう周期などというマニアックな違いはよさないか。
緊急車両なのだから、瞬時に違いが分かったほうがよいに決まっている。
パトカーのウーウーを他の音に変えればいいのだ。

ファンファン。
「太陽にほえろ」世代には聞き覚えがないだろうか。
そういえば昔のパトカーはファンファンだったよねと思っていたが、あれはなんと警視庁だけ、つまり東京ローカルのサイレンだったらしい。
ということは実音を耳で聞いたことがないわけだが、消防車と聞き分けられるよう以前のファンファンに戻せばいいのになどと思うとは、テレビドラマの影響力たるやおそろしい。

ならもう抜本的に見直そう。
消防車のカンカンが江戸の町火消しの叩く警鐘を模しているのは有名な話。
ということなら…よし決まった。

・消防車 → カンカン
・救急車 → ピーポー
・パトカー → 御用だ御用だ!

これで誰も間違えまい。

(2023/2/11記)

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