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初めて地球を踏みしめた記念

歩けるようになった赤ん坊が初めて履く靴のことを〈ファーストシューズ〉と呼ぶらしい。
直訳すれば「初めての靴」だから、そのまんまだ。

首が据わり、寝返りがうてるようになり、お座りができるようになったかと思うとハイハイで大冒険、小さな歯が顔を出してむずがゆく、つかまり立ちを覚えたらすぐ伝い歩き――
赤ん坊の成長は「初めて記念」だらけ。

そして、ついにヨチヨチと一人歩きができる日がやってくる。
まだまだ赤ん坊だし、ちょっと全身プルプルしてもいるけれど、自分の足だけで立つなんて、それまで迎えたどんな記念日よりも感激が大きいかも。
もしかして、いっしょに散歩ができるようになったということ?

初めておんもに立つその足に〈ファーストシューズ〉。
直立二足歩行などと書くと生物の授業みたいだけど、二足が人間の象徴なら、〈ファーストシューズ〉はまさに人間らしく立った日を記念する。

うちの子たちの〈ファーストシューズ〉。
履きつぶしてボロボロだけど、かみさんが大事にとってくれている。

今は大学3回生になった長男の
今は大学2回生になった長女の
今は高校1年生になった二男の
全員集合

なぜ長男だけ片方だけなのだろう。
もう片方はまだ履いているのかもしれない。

なぜ長女だけ鳥の巣みたいなのが入っていないのだろう。
飾ることが嫌いな性格だったからかもしれない。

二男のはひと揃い、完璧だ。
親も経験を重ね、3人目でようやく円熟したということかもしれない。

その靴を履いている写真をいっしょに残しておくのがポイント。
靴だけ置いておくより、ずっと臨場感が増す。
今は達者な口をきく大学生・高校生だけど、たまにこうして眺めると、ヨチヨチバブバブだったあの日が一瞬でよみがえる。

うちの子、〈ファーストシューズ〉はこれから!
うちの子、今〈ファーストシューズ〉履いてるよ!
という方、これは後々たまらない思い出になるので、ぜひ。

わが子が初めて地球を踏みしめた記念は、これを置いて他にない。

(2023/1/27記)

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